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「素晴らしき世界」映画レビュー

https://youtu.be/fBmHNlypE1E

俳優役所広司✖︎監督西川美和
これは間違いないでしょう!!

あらすじ
実在の人物を描いた直木賞作家、佐木隆三の小説『身分帳』を原案とした人間ドラマ。人生の大半を刑務所で過ごした元殺人犯の男と、彼の更生をテレビ番組にしようとするマスメディアの姿を描く。『永い言い訳』以来5年ぶりに監督を務めた西川美和が、主演の役所広司と初タッグを組んだ。仲野太賀、長澤まさみ、橋爪功ら実力派俳優が脇を固める。

役所広司さん演じる三上の血圧問題もさることながら、
観客側の血圧もあがるほどの緊張感。
(緩和もあります!)

コロコロかわる三上の表情。
それもまた狂気であり
一挙手一投足でこれまでの人生を理解させてしまう役者のすごみ…。


この世界の片隅の三上と社会をつなぐ脇役もいい!

人生の大半を塀の中ですごした三上を
取材対象として接触する津乃田という男(仲野太賀さん)
極めて普通の男であり、
極めて普通の男の魅力がありすぎる。
うまいな〜太賀さん好きだなぁ〜。
もっともっと見たいな〜。


タイトルが「素晴らしき世界」であるがゆえに考えさせられる。
「あぁこの世界は素晴らしいな」
と単純には思えない。そこがいい。

「普通はもっといいかげんに生きてるのよ」
という言葉が残った。
目の前のことに一生懸命で、まじめだからこそ生きづらいこともあるよね。

わたしは看護師とい仕事上、老若男女にであう。
タトゥーばっちりの方もとても怒りっぽい方も生活保護の方も
(この映画の三上像ですね)

ただ背景を知らないだけ。
今作でも何気なくさりげない一言で三上という男を虐げて傷つけている。
誰もが無意識の偏見がきっとある。
わたしはどれだけ心を配れているだろうか。
そんなことを考えていました。

この三上という男。
児童養護施設で育つ。
暴力沙汰が絶えず少年院をでてからヤクザとつるむようになり人生の半分以上は塀の中。

あまりにも生い立ちとその人の特性をつなげて考えるのは偏見でもあり危険なことだけど
この人は暴力で自己顕示欲を満たしてきたように描かれている。
強くなくたって変わらずそばにいてくれる人がいる、そういう安心感が必要なのかな。

わたしはブリッジフォースマイルというボランティア団体で児童養護施設出身の子をサポートしています。
だからこそ感慨深かった。
社会とあの子をつないでいられるように自分がどうあるべきか。

この世界の片隅の三上のような人が笑っていられる社会でありますように。



人の触れてほしくないようなところをえぐる西川美和監督ですが、今作は社会をえぐっていました。


あなたのすばらしき世界はどんな世界ですか?


西川美和監督作品は

「ゆれる」も「夢売るふたり」も「永い言い訳」もオススメ。
お気軽な気持ちでは見れませんが、何か考えにふけりたい時に♬

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