拝啓 チバユウスケ様
またロックスターが亡くなった。あまりにも今年は多すぎる。今日のチバユウスケの訃報には驚きと悲しさでかなり喰らってしまった。55歳、まだまだ若い。食道がんで休養していることは知っていたが、イエローモンキーの吉井和哉のように復帰する人が多いから、来年くらいには、いつかは復活すると信じていた。
THEE MICHELLEGUN ELEPHANT
ミッシェルガンエレファントと出会ったのは多分、大学1年生の3月。軽音楽部の追いコンでコピーしている先輩方がいたのだろう。ストレートなガレージサウンド、酒やタバコで生み出されたのであろうハスキーなガナリ声のボーカル、映画的な詩、マシンガンのようなギター、地を這うようなベースラインとドラムに心を打たれ、YouTubeで漁りまくった。
盛り上がりすぎて演奏を中断するFujirockでのCISCO、満員の幕張メッセで響くラストライブの模様は、あまりにもカッコ良すぎた。当時これらのライブに参加していた人が羨ましすぎる。こんな熱量のあるライブは自分がライブに参加できるようになってからは見たことがない、なおさらコロナを経てさらに落ち着いているように感じる。
幕張での最後の世界の終わりのアウトロは何かを諦めたように弦が切れたギターでボレロのフレーズを弾くアベフトシの様が最後であることを示しているかのようで美しく、何度何度も繰り返し観ていた。
どんなに暑くても揃いの黒のモッズスーツを着続ける彼らのビジュアルに憧れて、密かに洋服の並木でスーツを仕立てようとしていたこともある。
出会った時にはギタリストであるアベフトシは亡くなっており、ミッシェルのライブに行けることはなかったのでそこまで残ったメンバーの活動には興味を持っていなかった。これからも後悔すると思うので the birthdayを聞くことが怖い。
一度でもチバのガナリを聴いてみたかった、あなたは太陽をつかんでしまったんだな。イヤホンから聞こえる世界の終わりは最大音量にしても小さいよ。アベと酒を片手にタバコをふかしながら待っていてくれよ。あんたたちの音楽をこれからも聴き続けてまだ出会ってない奴らにも微力ながら届けていくよ。
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