文学フリマ香川に参加した話

文学フリマ香川に参加しました。2024年7月28日のことです。
そもそもこういうレポート的な文章はあまり得意ではなくて。きっと話があっちこっちします。でも書くなら今だなと思うので、まだ色々見えてないけど書いてみます。
私と喋ったことがある人はわかると思うけど、あっちこっちするのは目線も、手振りもです。
よく喋るくせに、話そうとすると焦りますので、文フリ香川でお会いした方が見たのもきっと焦った私です。作家営業モード(MP消費が大きいため長くは無理)で頑張りましたが、それでもだいぶ焦ってたと思います。

でもそれも仕方なかった。仕方なかったですよね?
誤解を恐れずにいうと、私は徳島県民であり、徳島県民は人混みに慣れていないのです。人混みは阿波おどりのときだけと思っています。基本的に。(偏見)
そして、事前にうっすらと聞いた話では、
「五冊前後くらい売れたらいい方かなぁ?」とか、
「東京や、大阪と違って、地方では人出は少なめだよ」とか、
そういう感じだったのです。

だから私の想定はすごく甘く。ほわほわ。
お隣設定してくださってた、あゆみ書房のあゆみさんと、今書いている小説の話をしながらお客さんを待つ、とか。(しかもちょっとお茶とか飲みつつ、どっか近くでコーヒー売ってるかな?って思ってた。着いたらさーがそ☆みたいな)
気になっていたブース回りながら、他の創作者さんとちょっと濃い話できたらな、とか。
あとは、あわよくばちょっと著作を知っていただきながら、次の創作につながる縁ができたらいいな、とか。

ところがどっこい!(この言葉がピッタリ。なんか嫌なんだけど)
緊張するのが嫌で、ギリギリに行こう! と画策して、10時50分頃に会場に入りました。できるだけ滞在時間短くしたくて。(だって怖いじゃないですか、人前に出るの)
そこで私はもっと怖いものを見ました。会場入口での行列です。
え、行列、だ、と?
前述しましたが、徳島県民、行列は苦手です。特に私。まわるお寿司屋さんで行列していたら、他に行く。
それも、まあまあ長い? え、長いよね? あれ全部スタッフ?
その時点で脳内に疑問がわきあがっていたものの、なにせギリギリなので駆け込むように自分のブースに行きマッハで設営。そこで、アナウンスが。

「もうすぐ開場の時間です。ただいま、120人の来場者が並んでおられます」

120人。
並んでいる。
なんのこと。どういうこと。
多分口では「おお〜」って言ったと思う。でも内心は混乱。混乱オンリー。

開場まではあっという間でした(会場入りがギリギリだから)
ブースの設営みたいな作業やデコはもともと大好きなのと、今回連れて行った本が「りんごと星 雨と君」一冊だったのでギリギリでも問題なかったのですが、開場してからはもう。

前の通路、川じゃん。人の川。
台風のときの吉野川より濁流。どんどん、どんどん人が流れてくる。
止まりたくても抗えない人たちがどんどん流されていく…。
ブースの前にとどまるのも、次に行くのも大変そう。
遊びに来なよー!って気軽に誘った友達一家がのみ込まれていくのを見送り、(いや、ほんとに「ほな、またねー」のねーのところでだいぶ遠くなってた)
わざわざ、「吉北読んでいました!」って来てくれた方ともなかなか話せないくらいの感じで。
いや、これはすごくないか? 
思ってたんとぜんぜん違う。
町内の夏祭りかと思ってたら超ビッグフェスやん。

想定外です、想定外です! って
脳内は赤いランプがずっとピカピカクルクル。
やばいやん。私、陰の者なのに! 動悸、息切れ。 
そのせいで、サインは手が震えヨレヨレ、字は間違う。声の音量もおかしかったと思います。
それなのに、「頑張ってください」とか、「また書いてくれてありがとう」とか。差し入れとか。吉北読んでいたときの思い出とか。
うううう。
全部、ほんとに愛があった、です。
10年も本出してないのに。
皆さんの優しさにきちんと対処できず、受け止めきれてなくて。
申し訳ないです。特に名前間違えて書いちゃった方。ほんとにごめんなさい。
泣きたい。

午後になってやっと少しブースを回って。
名前とアイコンと作品の「存在」だった方のお顔を見ることができたり。
チェックしていた本を買いに行けたり、売り切れていたり。
ずっと昔から好きだった作家さんに献本できたり。
(パニクっているくせに欲望にだいぶ忠実だな、と書いてみて思いました。やるな、私)
それでも、最後まで人の流れは途絶えず。春の小川くらいにはなったけれど。
すごいな。これはほんとすごいぞと疲れた頭で、ぼんやり思っていました。
最後、「1.224人の来場者数です」のアナウンスに拍手しながら、

この地方都市で、
これだけの人が「文学」で集まるのか。
誰かが紡いだ「言葉」を、「創造」を好きなのか。
暑い中、旅をしたり、行列に並んだりしてでも。
私が思っていた以上に、みんな文学を愛してるじゃないか。
もしかしたらこの中で私が一番、愛がない方なんじゃないか?
そう疑うくらいの熱量でした。
本はなくならない。未来永劫きっと誰かが作り続けるんだな。
そう思いました。

イベントを支えた香川の運営さま。本当にお疲れさまでした。
おかげで、会いたかった人に会え、すごく大勢の人たちの文学愛を見られた。
以前、香川に住んでいたこともあり、元々大好きでしたが、もっと好きになりました。今度生まれ変わるなら香川がいい。

当日、私と交流してくださった皆さま。ありがとうございました。
失礼がなかったと思いたい。けど全く自信がないので、悶えながらしばらくはまた引きこもります。
引きこもりながら、買った本たちを愛で、できるだけ感想も書きたいと思います。(陰の者らしく)
長くなっちゃった。
ここまで読んでくださってありがとうございました。

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