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〈はかないよる〉

4〜5段登ったところで、次の1歩はどこに踏みだそうか考えている。

屋上に出ているらしい。ただ、なぜか背後は硝子張りのイルミネーションと流れる水の演出で埋め尽くされ出入口が、ない。
夜風が気持ちいい。

私は真っ白なお呼ばれ衣装に真っ白でシンプルなハイヒールを履いている。

目の前は2メートルほどなだらかに盛り上がった屋根の一部。よく見ると縁石のように平らな部分が多いので1歩1歩登っていけば簡単に超えられそうだ。
硝子の壁の全面に沿うように水が流れライトアップの綺麗さにしばらく目を奪われていた。流れる水の心地良い音。

ヘッドドレスの白いリボンが夜風に揺れる。お洋服も白いんだから汚しちゃまずい。スカートの裾を下に引き摺らないよう、両手でたくし上げる。クラッチバッグを落とさないようにしっかり脇を閉じて、1歩。

いやいやいやいや。危ないってば。

このシチュエーションはいまだに忘れられない夢の一部です。

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