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「北朝鮮よりおかしい」脱北留学生がみた米名門大、意識の高さ

13歳で脱北した韓国の人権活動家パク・ヨンミ氏は、北朝鮮の惨状や脱北のつらい体験を綴った著書『生きるための選択』で有名になった。現在は米アイビーリーグの名門コロンビア大学に在籍しているが、キャンパス内に広がる過度な社会正義と、それに反する意見を許さない現状を疑問視しているとテレビインタビューで発言。
パク氏をインタビューしたのは米フォックスニュース。
例として上げたのが、大学のオリエンテーションで起きた出来事だ。同氏がジェーン・オースティンなどの古典文学が大好きだと学校のスタッフに話したところ、そのような作家たちは植民地的思考を持つ偏見のある人種差別主義者で、無意識のうちにあなたを洗脳していると言われたという。
その後クラスメイトが皆、自分の北朝鮮時代を彷彿とさせる反米プロパガンダに感染していることに気がついた。また、英語を母国語とせず、時々heとsheを混同してしまう自分にまで、(単数形代名詞に)theyを使うよう求めるジェンダーと言語を取り巻く問題にも驚いたという。文明の退行を感じたという同氏は、教授や学生と論争になることもあったが、結局いい成績を得るためには、口を開かないほうがいいと学んだそうだ。
若い子たちはいかに自分たちが抑圧されているか、どれほど不当な扱いを受けてきたかを語り続けるが、幼いころから餓死する人々を間近で見てきたパク氏には響かない。命を懸けて脱北した経験を持つパク氏は、彼らは自由を手に入れることがどれだけ難しいかを知らないと一蹴した。
パク氏と驚くほど似た認識を持つのがアメリカの保守派だ。元軍人で保守系論客のオリバー・ノース氏とデビッド・L・ゴッシュ氏はコラムのなかで、あまりにも多くの大学が言論の自由や真の学問への取り組みではなく、政治的正しさに支配された「wokeな(社会で起きていることに目覚めた)」機関になっていると批判する。
保守的な読者層が多い宗教系学術誌「First Thing」の編集者、R・R・レノ氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に寄稿し、もうアイビーリーグ出身者の採用をやめたいと述べている。大学にはwokeではない優秀な学生もいるが、彼らは人種差別やその他の罪の告発を恐れて臆病になっていると指摘。この威圧的なキャンパスの雰囲気は理解できるが、それに声を上げず黙っていることに慣れた人を雇いたくないとしている。
同氏は、アイビーリーグの学生が「1年生で学ぶのは考えていることを決して口にしないこと」と語った話を披露。未来のリーダーを育成すると謳うエリート校は、実際には未来の自主検閲者、つまり未来の従者を要請していると苦言を呈している。

#米名門大 #脱北者 #キャンセルカルチャー

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