IC-705のようなHF/VHF/UHF対応機にはアンテナ切替器が必須。
開局当時には考えもしなかったHFからUHFまでオールインワンの無線機がメーカーから発表、そして販売されるようになるなんてすごいことですね。
しかもオールモードでデジタル通信にも対応していているのにむちゃくちゃコンパクト。
このIC-705の発表を知ったおかげで再びアマチュア無線の世界へ戻ってみようと思うに至りました。
そして現在、実機が手元にあってその高機能とタッチ操作に戸惑いながらも少しずつ慣れてきてみるとオールバンド対応でコンパクトゆえのトレードオフな部分といいますかアンテナ入出力端子が一つしか無いということを思い知るわけです。
ある程度大きな筐体を持つ無線機ならば当然のようにHFとVHF、そしてUHFの入出力コネクタは独立しているのが普通ですし、HFのみの機種においてもリグ自体にアンテナ切替器が備わっていてある程度バンド変更時のアンテナ選択が可能になっているものもあります。
IC-705においてはQRVしようとするバンドごと、というよりは周波数帯ごとにアンテナ端子での繋ぎ変えが頻繁に発生します。
コンパクト故に我慢すべきことではあるんですが、移動運用時ならまだしも常置場所での固定運用時にいちいちケーブルの差し替えをするのもスマートじゃないのでアンテナ切替器を用意することにしました。
現状では全てのバンドに対応できるほどのアンテナ設備は用意できていませんが、将来を見越してある程度までは対応できるような構成を考えてみました。
まずリグのアンテナ入出力信号をHFとVHF/UHFの2系統に切り替えできるようにし、更にHFは4分割してアンテナの選択肢を増やせるようにします。
この際、VHF/UHF帯はHF帯よりも切り替え器やケーブル及びコネクターによるロスが無視できなくなると思うので信頼性のあるメーカー品を使うこととします。
HF帯に関してはわりとアバウトでもそれなりに使い物になるであろうことは経験則からもわかっていますので、自作のもので対応することとします。
まず、2系統の切替器としては第一電波工業製のCX210Aをチョイスしました。
UHFでの挿入損失が極めて低く構造も堅牢なので頻繁に切り替え動作を行っても安心して使えるだろうという判断です。
挿入損失:0.05dB以下(DC〜500MHz)、0.1dB以下(500〜1000MHz)
次にHF帯専用自作切替器ですが、パーツの選定はV/U帯ほど神経質になる必要はないので、最低限のポイントだけ押さえておきます。
切替器本体はシールドされていることが望ましいのでケースにはタカチ工業製のアルミダイキャストケースTD5-8-3Nをマルツパーツセンターにて購入。
切り替えに使用するロータリースイッチはAliExpressで基部が高耐圧セラミック製と思われる1回路4接点のものを注文しました。
(なぜか手元に届いたのは2回路4接点だったのですが問題なく使えるので良しとしました)
その他ケースに取り付けるBNCメス型コネクタは秋月電子通商やモノタロウでいくつか頼んでみたものの中から選んで使用しています。
ケースの穴位置を決めて下穴をもんでからリーマードリルで目的のサイズまで拡張し、スイッチやコネクタを取り付けていきます。
秋月とモノタロウのコネクタを混在させたら軸のサイズが違っていました。
まあ問題なさそうなので全て取り付けていきます。
アイソレーションやインピーダンスの乱れを気にするとおつむが爆発してしまうのでここはとにかく最短距離での配線だけを心がけて無心にはんだ付け。
ついでにケース固定金具の位置も変更。
あとはデスク横の手の届きやすい位置に木製パネルを設置して上部にアンテナチューナーを置く棚を設けてからパネルへ切替器二種を配置します。
HFのラインは1.5D相当のケーブルですがリグから切替器までとV/U側はRG58/U(3D2V相当)で接続しています。
手元にパッチンコアがいくつかあったのでコモンモード障害対策になるかもと思い気休めにいくつかハメておきましたがこれはまさに気休めでしかありませんでした(笑)
D端子には先日作成したUHF対応ダミーロードが繋がっていますがHFラインじゃUHF関係無いじゃん、というわけでもなくそれなりに...はい。
CX210AはM型接栓(N型は糞高い)なので、自分の環境で常用するBNCへの変換コネクターを入出力に追加しています。ロスを気にする向きには決してオススメしませんがアマチュアレベルでそこまでシビアにならなくてもいいんじゃないですかね。
と、いうことで多少ごちゃごちゃしてきましたがデスク右横の一角に無線設備をまとめることができました。
あとはHFアンテナの多バンド化やら50MHzアンテナの追加などTODOがいっぱいありますけどそのへんはまたの機会に。
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