お風呂日記vol.extra ~忍び寄る影~

俺はたまに竜泉寺に行く。竜泉寺とは、めちゃくちゃいい銭湯?温泉?施設である。最寄駅は八王子みなみ野、京王片倉?とか色々あるけど駅からは遠い。うざい。俺はチャリか友達の車で行くから関係ないけど。いや家から全然遠いけど。
もちろん八王子駅からも直通バス出てるから、いいよ。朝は6時から、深夜は3時までやってる。ガチで最高。

と、竜泉寺の紹介はこれぐらいにして、

まあとりあえず一人でチャリで竜泉寺に来ましたよと。今日も炭酸泉とサウナぶちギメていきますよと。
って感じでぼちぼち楽しんでいた。
竜泉寺のサウナにはロウリュシステムがあり、朝7時から深夜2時の毎時0分になるとバカみたいに暑くなる。本当に痛い。俺ロウリュあんまりわかんないけど、まだ好きになれない。
三回目のサウナ入りが0時5分とかで、あーワンチャンロウリュの影響で暑いかなーと思って入ったらもう灼熱。死。
俺サウナで代謝悪くなる病だから、サウナ入って7分ぐらい経たないと汗かけないんだけど、ロウリュ後サウナはもうバグ。すぐ汗だく。頑張って耐えて6分ぐらいで出て、ちゃんと熱めのシャワーで汗を流して(これマジでみんなやれ)、水風呂に入り、外気浴で、整える。言い回しとか適当なんで、ガチサウナーの方はキレないでください。
ここからは炭酸泉じっくり浸かって、他のお風呂も堪能してくぞ〜!とまず炭酸泉へ。

すると、不思議なことに右側の男が少しずつこっちに近づいてくる気がした。気にもとめずボーッと空虚を眺めていると
「…ません、すみません。」
そう、その近付いてきた男に声をかけられたのだ。めちゃくちゃマッチョになったソースケみたいな人だった。
「あの…向かい側にいる人って友達ですか?なんかずっとこっち見てる気がして…。」
そう言われてチラッと目をやると、確かにニヤついた顔でこちらを見ている。大男が二人いる。一人は完全にこちらを見ている。
「いや、知らないです。今(あなたに)話しかけられたからあっち見ちゃいましたけど、めちゃくちゃ見てますね…なんなんだろう…。」
「めちゃくちゃ怖くないですか?」
「いやガチで怖いです、、、。」
この会話が聞こえているかのように、ずっとこっちを見ている。ガチで怖い。
「なんか、日本人じゃなさそうですよね?モンゴルとかそっち系っぽそう。」
そう右の男が呟くと、二人の大男はバッ!と湯船から立ち上がり、徐に露天風呂がある外へと向かった。湯船には入らず、外にある椅子に座りながらも、窓越しにこちらをじっと見ている。俺は咄嗟に湯船の真ん中に謎に落ちているでけぇ岩で自分の顔があっちから見えないようにした。
窓越しに、それを覗き込むかのように、まるで自分の顔を確認しようとしているような動きをする大男。本当に怖い。
すると急に大男二人が立ち、歩き始めた。こちらに来るのかと怯えたが、どうやら奥の湯船に向かったようだ。
「奥に行ったのにまだ見てるな…。ちょっと怖すぎますね。しかもあんなガタイ、ボコボコにされそう。(俺とあなた)どっちのこと見てるのかわからないんで、俺ちょっと移動してみますわ。」
そう言って右の男は湯船から出て、露天風呂の奥の方(大男たちとは別方面)へと向かった。さっきマッチョなソースケとか言ったけど、ここでマッチョなことに気づいた。いやマッチョすぎて絶対お前ボコられんやろ。って心の中でめちゃくちゃ思った。


しばらくしてもその男は帰ってこず、大男もいつのまにか遠くに行っていた。
まあいいかと思い、電気風呂に浸かっていると、急足でマッチョが露天風呂から帰ってくる。その背後には、大男が一人。2メートルぐらいの距離があるものの、ずっとついてきている。初めは知らんぷりしようかと思ったが、露天風呂から中に来てまた露天風呂に逃げまた中に来てとぐるぐるやっているそいつら、そして目線を送ってくるマッチョのせいで知らんぷりできなくなってしまった。そのマッチョは流れるように俺の隣に座った。その隣に大男も座った。怖い。というか、やばいだろ。この状況。てかお前びびんなや。マッチョやろ。
「ちょっと普通に電気風呂いてえな〜。」
と、まるで普通の理由を言ってすぐにマッチョが出ていく。それについていく大男。


そして、他の湯船には、それを見て笑いを堪えきれない若者。



…おい?
まさか…。


その若者に俺は声をかけた。
はい、若者、マッチョ、大男二人のこの4人、一緒にバイクで町田から来たただの仲良しでした。
マッチョと大男がいつもふざけてて、ただそれを竜泉寺でやってただけだってよ。

この若者にネタバラシされてからは普通に軽く世間話したりして、楽しくその二人の遊んでいる姿を見ていました(ガチでずっと追いかけっこしてたコイツら、しかも結局大男たちとも喋った)。

帰りも偶然タイミング同じで、一番俺が怖がってたもう1人の方の大男は蕎麦屋のスクーターみたいなやつで来ててマジで笑った。
「あ!お疲れ様です〜。」
って言われたから気をつけてね〜みたいなこと言ってチャリで帰ろうとした時、そのスクーターが駐車場のちょっと奥に向かってったんだけど、バイク15台ぐらいいた。女の子もいた。青春でした。
これもしかしたら、ぼっちの冴えない25歳の男に声かけて来た陽キャ大学生の話かもしれん。


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