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彼奴(きゃつ)

率直に言って2020年というヤツはクソッタレな年だった。今年も終わるし締めくくりにビシッと一発noteでも書くか、と思い立ったは良いものの、いざこの1年を振り返って見ると印象的な出来事はこの2つしかなかった。

・受験全落ちした
・恋人と別れた

良いことも悪いことも全部ひっくるめてこの2つだけ。薄っすい1年。しかも両方とも最序盤に経験したイベント。どっちも引きずっているとかそういう訳ではなく、本当に特筆できるようなことがこれしか無いのだ。正直な所、5月から昨日までの記憶が一切残っていない。エゲツない速度で流れる時間に飲み込まれて、気付いたら12月31日に着地していた。そんで肥えていた。そんな年だった。

毎日毎日、全く同じことをしていた。同じ時間に予備校に行き、同じ時間帯に勉強をし、同じ人と同じような会話をしていた。マス目だけがあってイベントが何も用意されていないスゴロク盤を前にサイコロを振り続けている感じ。それは心地良くもあったけれど、基本的に1番下には虚無感が土台として存在していて、その上に「いつかゴールが来る」という恐怖が乗っかっていた。そういえばnoteを書き始めた理由も、自分ではなんとなく、特に理由もないつもりだったけれど、上述したようなド平坦、傾斜0°の生活になんか変化を齎したかったと、言語化してみるとそういうことなのかもしれない。

この変化のなさは浪人という立場の特性か、俺自身の精神性が招いたものか、はたまた新型ウイルスによるものかは(恐らくその全部なのだろうが)定かではない。どうしようもない、誰かのせいにしようもないのは分かっているけれど、それでもやっぱり、今年というやつを総括してみると「ああクソッタレだったなあ」という感想しか出てこない。よく浪人生が書いた受験体験記かなんかで「この1年は自分の人生にとって必要な1年でした」みたいなこと書いてあるけど、アレ全部嘘です。浪人の1年なんて全部クソッタレです。彼奴(きゃつ)らはクソッタレだった自分の1年間をどうにかして正当化したいだけです。彼奴(きゃつ)らに惑わされるな。

俺は10代の貴重な1年間を完膚なきまでに浪費した自覚がある。だからこそ、大学生活という4年間に渡るモラトリアムを、それもできるだけハイブランドなやつを、有意義に消費できるようにもうちょっとだけ白紙のスゴロク頑張ります。来年こそ、来年こそはちゃんと生きるぞ。

今に見てろ。

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