【短編小説】カプセル型の薬|ポンコツ博士の研究室(#青ブラ文学部)
《約1400文字 / 目安3分》
昼寝をしていたんだと思う。私はソファから起き上がり窓を開けた。小麦色の空の奥から太陽がひょっこり覗いていて、沈みそうでまだ沈まない、この時間帯が愛おしい。
「助手よ、きれいな眺めだね」
気が付くと博士が隣にいた。不意にも私はドキッとしてしまった。博士の顔が、今日はちょっと凛々しく見える。
「博士、なんだかお若くなりました?」
「何を言っているんだ。僕はまだまだ若いよ?」と博士は笑っていった。「とまあ冗談はここらへんで。でも、冗談