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《約1700文字 / 目安5分》 雨が降る都会の街で、適当にそこら辺を散歩していた。いや、散歩というよりは浮遊。わたしは幽霊だ。 毎日こうやって浮遊していると、見たくないものを見てしまう日がある。今日はまたそんな日。 ビルの屋上、柵を超えて小さな少年が立っていた。少年は泣いている。いや、顔に雨が当たって泣いているように見えるだけかな。悲観というよりかは絶望の顔。 なんでこんな小さい子が、とわたしも絶望してしまいそう。でも目を背けてはいけない。それが幽霊になった