茶番と晩餐(26)
2024.8.9 9:00
百合さんの死体は少しずつ死後硬直が進んでいた。私はその白い首に鋸を当てて、彼女の首を切り落とした。
百合さんの部屋のクローゼットにあった白いボストンバッグにそれを入れた。それは重みがあって、獣の匂いがした。
私はエアコンをオフにして、身支度を整えて白い半袖のTシャツとデニムのショートパンツに着替えた。
キャリーバッグに荷物を詰め込み、ボストンバッグを脇に抱えて百合さんの部屋から外に出て、ドアを閉めて鍵を掛けた。
そのまま高円寺駅にゆっくり向かった。夏の日差しが肌に刺さった。ボストンバッグの中身を訝しがる人は、東京にはいない。
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