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子どもへの虐待はなぜ起こったのか…

学童保育所で指導員が指示に従わなかった子どもに対して、養生テープで手を縛るという事案というか事件が起きましたね。

とても悲しいことです。

絶対にあってはいけないし、許されるものでもないわけです…

同じ子どもに関わる仕事に従事する者として、いろいろ思うところがあります。

今回の被害にあった子どもの日常の姿、渦中の指導員の日常の姿。
これは僕もメディアから仕入れられる程度しか情報を持たないので、何が真実なのかは恐らく当人たちの中だけで起ったものがすべてだと思うのです。
事実は直に突き詰められていくでしょうが。

ですので、子どもの行動というよりも指導員の心理として同じ職業支援者の視点でちょっと想像してみたいと思います。

人員の少ない体制で孤独感を募らせる

子どもを預かる現場では、職員体制が手薄になりがちです。
特にこの数年はコロナ等の影響で現場支援員が急遽欠勤して人手不足、という話も聞かない話ではありません。
これはこうして文章で綴る以上に現場はつらいものです。
充実した職員体制だと心のゆとりもあるし、目も届くし、何より仲間がいるという安心感は勇気の源です。
そういう大勢だからこそ考えられる手立ても、講じられる手立ても豊富になるというものです。
手立ても限られてきて苦しさに押しつぶされて…ということになるでしょう。
多くの子どもたち、しかもよそ様のご家庭の子どもを預かるというのだから、安全確保のために身も心も削っている支援者は全国に無数にいるはずです。

「正しい」が分からないまま日常業務をこなしていく不安

現場の運営母体の方針によるところは大きいと思うのですが、他法人の現場を見る機会って案外少ない気がします。
もちろん指導員も日々学びの機会を得ていている人は多いです。
それでも他事業所、特に他法人管理の事業所での実践を見る機会は非常に少ないです。
実践について報告を聞いたり、一部映像や画像を研修会などで目にすることがあったとしても、それは用意した人間によって「切り取られた一部」でしかありません。
現場に入って現場の熱を感じることとは程遠いものがあります。
自分たちが日常的に行っている支援や過ごし方が「すべてだと思いがち」です。
というよりは、視野が狭くなりがちです。
自分たちは良しと思っていたり当たり前と思っていることが、他では違うなんてことはざらにあるでしょう。
気づかないものもあれば「これでいいのかな?」を抱えながら仕事をするものもあるということです。

支援者交流の必要性

僕が個人的に思うところでは、他事業所間、他法人間で職員の交流機会をもともっと増やすということは必要だと思います。
もっと言えば、他事業所の現場へ入ることができれば良いのかな、と。
当たり前のように。
事業所間での交流が盛んになれば、非常事態、緊急事態の時に人員の確保もしやすくなる気がします。
アルバイト契約で週3日程度A事業所で働いている人がいるとして、休みの日に他事業所で応援要請があったときに、応援に行ってもいいよ、っていう人が現れれば補填できるような文化もありかな、と。

子どもたちの放課後の時間などを保証していきたいという思いの人たちが基本的には働いているはずですから。
他業界だと自社情報の持ち出しなどが問題になる可能性がありますが、こういう業界では、支援の質の均一化につながると僕は思います。

小さな事業を回している個人事業主思考で、「そんなうまくいくわけないだろ」「制度的に無理だろ」とかいろいろあるかもしれませんが。
個人でやっている分、万年人手不足でこの手の問題は四六時中って言っていいほどに考え続けています。
出来るわけない、っていう思考じゃなくてできないかな?と可能性を追求していくのは必要だと思っています。

あるいは、そういう試みも行われていて、うまくいったりいかなかったりを繰り返しているのかもしれませんが。
少なくとも今回の事件からは、こういう考えはなかなか見えてこないので、書いてみました。

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