少年よ、反対側に身をひねれ ―2020年1月27日

・今朝、時間ができたので、銭湯に行ってから出社した。

・近所に朝6時くらいからやっている銭湯がある。そんなに頑張ってて大丈夫?と心配になるがありがたく利用させてもらっている。

・同じく朝風呂目当ての客がパラパラと何人かいた。

・ぬるめの炭酸泉に浸かっていると、少年と呼んでいいくらいの歳の頃だろうか、長髪で痩せ型の子が前から歩いてきた。

・ちんぽめっちゃデカかった。

・別にそんなにジロジロ見てたわけではないが、めっちゃデカい何かが来る、と思ったら。ちんぽでした。デッケーちんぽ。

・その少年(withデッケーちんぽ)とともに炭酸泉に浸かっていると、別の2人組が入ってきた。

・恐らくオール帰りか何かで酒を抜きに来たというような雰囲気だ。彼らがおもむろに話し始めた。

・「お前、ちんこデカくね?」

・一瞬ギョッとしたが、少年に対して言ってるわけでなく、2人組間での会話だったようだ。

・「いや、そんなじゃね?」「俺よりデカいよ」「亀頭部分がデカいだけかも」と、下世話な話を続ける2人。

・おいちょっと待ってくれ!!

・品性の問題以前に、お前ら同じ湯に大ビッグちんぽが浸かってるんだぞ?!! すぐそこでダシ出てんだぞ?!! 炭酸ちんぽの湯に肩まで浸かってんだぞって!!!

・なんてタイミングでなんて話をするんだと思っていたら、ふと少年と目があった気がした。

・「僕のちんぽがデカいとも知らずにね」

・まるでそう2人組を嘲笑するような目だった。いや、それは俺の心が汚れているからだろう…。ただの思い過ごしだ。

・その時、少年が動いた。

・少年は炭酸泉の入口を背にして入浴していたので、銭湯から出るにはどちらかに身をひねらなければならない。

・そして、少年は2人組の方向に、身をひねったのだ。

・まるで己がちんぽを見せつけるように。

・俺はショックだった。

・少年がそちら側に身をひねる人間であることがショックだったのだ。

・少年にはデカいちんぽを持つことを誇らずにデカいちんぽを持っていて欲しかった。

・もちろんたまたまかもしれない。だが、少年の位置からすると、そちら側に身をひねるのはやや不自然に思えた。

・それにあの会話が聞こえていないわけない。逆に体勢的に不自然だったとしても、2人組と反対側に身体をひねって欲しかった。

・これは俺のワガママだろうか。


・確かに2人組はいくら男湯とは言え、ちんこだ亀頭だどっちがデカいだと、品がない。

・BIGちんぽを見せつけて彼らを成敗する、そんなスカッとジャパン的展開に心が動かないかと言われれば、否定はできない。

・俺も実際に2人組のリアクションを見ようとしてしまった(2人組は全く気付いてなかった)。

・だが、デカいちんぽを持つ少年には、そんなことして欲しくなかったんだ。

・デッカイちんぽにはデッカイ心が良く似合う。ちんぽ小さき者を咎めるような、そんな矮小な真似してほしくない。

・なぜそっちに身をひねってしまったんだ。ちんぽデカき者よ。

・少年よ、反対側に身をひねれ。

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