無題 

手元にあったライブの感想文。観られなくていい。むしろ、知られたくない…が、一応,封印しっぱなしなのもなんなので、ここに残してのく。本人らは未チェックなので。   


「みなさん、目の前を観てください。今、そこに見えているのが奇跡です。FANTASTIC◇CIRCUSのサーカスへようこそ」

17年間の時の超え、TsutomuIshizuki(石月努)、kazuya、SHUN.の3人が、日比谷野外音楽堂でFANTASTIC◇CIRCUSへと転生!!!

 TsutomuIshizuki、kazuya、SHUN.。3人がFANTASTIC◇CIRCUSとして活動することを告げてから約5カ月後となる5月14日(土)、彼らは満員の観客たちを前に日比谷野外音楽堂のステージに立っていた。サポートに、NATCHIN(B)とLEVIN(Dr)が参加。
17年前の5月14日、一度、ステージの上で袂を分かった仲間が、17年後の同じ日に、『転生-TENSEISM- FtC 30th ANNIVERSARY』と題し、ふたたびステージの上に立つ。なんてドラマチックな始まりの一行目だ。

 会場中に鳴り響くマーチングビート。哀愁呼び起こす旋律に乗せ、メンバーらがゆっくりと舞台へ姿を現した…。さぁ、これからFANTASTIC◇CIRCUSが仕掛ける刺激的なサーカスを存分に味あわせてやろうか…。
 満員の観客たちを心躍る世界へ導くように、猛々しいドラムビートを合図にFANTASTIC◇CIRCUSが最初に突きつきたのが『サーカス』だ。総立ちの観客たちが,振り上げた掌に17年間の想いをたっぷりと詰め込み、メンバーらへ届けだす。3人は、身体中から滾る感情を歌声や演奏に乗せ、客席中の人たちのハートへ熱く突き刺した。
「さぁ躍れ!」と,満員の観客たちの身体を揺らし続けた『QUEEN』。続いて奏でたのが、今回の物語の始まりの景色を描きだすアイコンナンバーになった『火の鳥』。「舞いあがれ愛しさよ」の歌声に合わせ、フロア中の人たちが両手を舞いあがらせ、メンバーらへ想いを捧げだす。TsutomuIshizukiの歌声に合わせ、フロア中を埋めつくした人たちが両の手を翼のように羽ばたかせる様は圧巻だ。この光景を見て、新たな物語が始まったことを強く実感した。客席を、いや、もっとその先の景色を見つめながら雄々しく歌うTsutomuIshizukiの姿が、胸に熱い。彼らが示した、ここから羽ばたく強い意思。熱狂に溺れるのは、まだまだこれからだ。
なんて、胸を熱く揺さぶる泣きメロだろう。『Maybe true』に、触れながら心が嬉しく奮えていた。誰もが、TsutomuIshizukiの歌声に合わせ、心の中で「今日も明日も側にいるよ」と歌っていた。モニターに足を乗せ、少しでも心の距離を縮めようとするTsutomuIshizuki。泣きメロを奏でるSHUN.のギターの旋律に心が躍れば、ザクザクとした音を刻むkazuyaの雄々しい姿に、気持ちが熱く奮い立つ。

「みなさん、目の前を観てください。今、そこに見えているのが奇跡です。FANTASTIC◇CIRCUSのサーカスへようこそ」の言葉が胸に熱い。昼前までの豪雨が嘘のように晴れ輪割った大空へ向け、TsutomuIshizukiはその言葉を放っていた。

 僕らは心地よい眠りの中で、3人に惑い、酔いしれていたのだろうか。現実を忘れた夢の世界へ、『SLEEPER』が会場中の人たちを誘い込んでいた。「僕は眠りの中、君を抱いて 君に迷い きみを探す」と歌うTsutomuIshizukiの姿へ、満員の観客たちが身体を小刻みに揺らし、ときに大きく手を振りながら熱い視線を向けていた。このまま心地よい音の誘いにまどろみみながら、ここで体験しているすべてを消せない夢の中へ閉じ込めてしまいたい。僕らはいくつにてなっても思春期の少年少女たち。この瞬間だけは、そんな自分で居させてくれる。だから今は、『SLEEPER』に触れながら、心乱れるまま3人の描く夢に溺れたい。
荒ぶる演奏を合図に、TsutomuIshizukiが吠えた。「僕は今 蝶になる」と雄々しく歌う声に煽られ、客席中の人たちが身体を大きく揺さぶりだす。『月の花』が、ふたたび感情に熱い刺激を注ぎだした。最前へ踊り出てギターソロを響かせるSHUN.。どっしりと構え、音を刻むkazuya。反してTsutomuIshizukiは、舞台を左右に動き「僕にだけ咲いてみせて」と歌いながら、荒ぶる熱情の花を客席中に咲かせていた。胸をキュッと揺さぶるギターの旋律に乗せ、胸を心地好く弾ませ歌うTsutomuIshizuki。『again』が連れだした、眩しい恋に恋し、輝いた、あのときの青春の風景。FANTASTIC◇CIRCUSは懐かしい青春の景色を、思い出のページをめくるように歌声と演奏を通して次々と描き続けてゆく。
 
「僕らの日常はこの2年ですべて変わりました。でも、ここにみんなで生きて集っていることが…みんな本当に頑張った。すべてが元通りにはいきませんが、ここに来て意味があったことを。ここからが復活祭だと僕らは思っています」。そう語りながら誘いかける、TsutomuIshizuki。「ここに立った瞬間、あのときの気持ちが全部甦りました」と語ったのがSHUN.。kazuyaは「17年間お待たせしました」と、短い言葉の中へ込み上げる想いを述べていた。

「その気で来てんだろう、お前ら!!」、TsutomuIshizukiの煽りを合図にFANTASTIC◇CIRCUSが届けたのが『心に花を心に刺を』。TsutomuIshizukiの「心に花を 心に刺を」と雄々しく歌う声に触れた瞬間に、身体中を熱いエナジーが駆けめぐった。誰もが、高ぶる気持ちを大きく振り上げた両手に込めながら、心の中で「心に花を~」と歌っていた。演奏に合わせ咲き誇る手の花の絨毯は、最高の高陽呼び起こす景色だ。
 「今、みんなの胸に抱えている嫌なこと、全部ここで消してください」。荒ぶるロックロンールの旋律を繰り出すkazuyaのギターに合わせ、客席中の人たちが、FANTASTIC◇CIRCUSの描き出したパーティーロックンロールチューンに乗せ、身体を大きく揺らし騒ぎ出す。『ERACE YOU』が導き出した、拳振り上げ騒ぐ熱狂の景色。その勢いへさらに熱情を注ぐように演奏した青春パンクソングの『地下鉄のメロディー』。誰もが、ここに生きている意味を。自分がこの場へ集まって想いをぶつけている理由を示そうとはしゃいでいた。SHUN.の煽りに合わせ、客席中の人たちが一斉に飛び跳ねる様が、最高に熱い。

ライブも終盤へ。胸熱な歌に心が騒ぎだす『MADE IN BLUE』だ。高ぶる気持ちへ導かれるように、熱々とした歌を響かせるTsutomuIshizukiの声に触発され、客席中の人たちも高く掲げた右手を強く振り、身体中から沸き立つ想いを3人にぶつけていた。サビ歌では、あらん限りの力で両手を振り、夢中で、無邪気にはしゃぐ満員の観客たち。その姿が、とても熱くて眩しい。
スクラッチ音を合図に飛び出した『EXIT』を通し、会場中を、突きあげる拳で染めあげた景色が最高に胸熱だ。身体中を駆けめぐる熱情を解き放つように、雄々しく歌い奏でるメンバーたち。背中合わせでギターを弾くkazuyaやSHUN.の姿も、胸を騒がせた場面。フロア中の人たちが、左右に大きく手を振り、心を一つにした『THE.NEVER.INNOCENT』。FANTASTIC◇CIRCUSは、ハートフルな想いを投げかけ、ここにいる人たちの気持ちを一つに繋ぎ、覚めない夢の中の祭り人に変えながら、みずからの歌や演奏でギュッと抱きしめてくれた。

 いつしかTsutomuIshizukiはタンクトップ姿に。その服は、17年前に着ていたのと同じ。そんなところにも17年の隙間をギュッと詰め込み、繋ぎ合わせようとした彼らの想いを感じていた。
「この時代に変わらない風景を見れるとは思っていませんでした。17年前の今日、FANATIC◇CRISISは解散しました。そして、30年前に生まれた魂が、ここ野音にて、この3人に転生いたしました。これはFANATI◇CRISISの再結成でも、再活動でもない、“転生”です。30年経った今だから、より高みを目指します」(TsutomuIshizuki)

本編最後を飾ったのが、『[キミガイルセカイ]』と『キミガイタセカイ』。今にも壊れそうな感情を、前に進む力へと変えるように歌いあげた、スケールあふれる壮麗なバラードの『[キミガイルセカイ]』。同じく、込み上げる想いを、過去を飲み込み、昇華し、ふたたび明日へ向かい強く踏みだす力に変えて歌い奏でた『キミガイタセカイ』。最後に、あえてこの2曲を並べたところに、ふたたび3人が手を取り、一度解いた互いの絆を改めて結び直した意味が見えてくる、たくさんの絆を結ぼうと、ここから3人で歩みだした理由が伝わった。詳しくは記さない。この2曲の曲調や歌詞を耳に、目にしながら、この日、この場からFANTASTIC◇CIRCUSが物語を記し始めた理由を。3人が想いの色を満たした絵筆となって、真っ白なページに心揺さぶる物語を綴りだした意味を、あなたなりに感じ、受け止めてもらいたい。

「また、こんな素敵な景色を見れるとは思っていませんでした。最初は参加するのを迷っていたけど、メンバーや仲間たち、竜ちゃん(Ryuji)がそれを喜んでくれて。本当に良かったなと思っています」(SHUN.)
「こんなにもこのプロジェクトのことを喜んでくれる人たちが大勢いて、竜ちゃんなんか俺らよりもテンション高くて。今日も、こんなにもたくさん目の前に仲間がいるんだよ、もう最高。みんなの物語の中に改めて僕らがいること、本当にありがとうございます」(kazuya)
「みんなの心の中に僕らがまだ生きていてくれたことで、すべてが繋がって今日を迎えられた。この日に感謝いたします」(TsutomuIshizuki)

「本日、FANTASTIC◇CIRCUS、転生しました。人生を懸けてこの歌を」。TsutomuIshizukiの言葉に続き、アンコールは『LIFE』からスタート。解けた自分たちの歩みをすべて結び直し、ふたたびここからFANTASTIC◇CIRCUSとして歩きだすことを宣言するように、3人は晴れた気持ちを胸に『LIFE』を歌い奏でていた。「例えば人生にもし勝ち負けがあり優劣があるなら 君と肩を並べてwinnerにツバを履いてやろう」とTsutomuIshizukiは歌っていた。他人と比べることが自分の価値を決める基準じゃない。自分が信じた想いこそが正解であり、自分の意志を他人が縛れるものではとないことを3人は知っている。だからこそ、あるがままの自分を生き方や想いを示しながら、未来のLIFEを作り続けようと彼らは歌いかけてきた。
 
日比谷野外音楽堂をライブハウスに塗り替えるように、FANTASTIC◇CIRCUSは『体温をこえて』をブースト。エモーショナルな歌と演奏に刺激を受けたフロア中の人たちが、手にしたペンライトを振り、この会場に揺れる白い光の絨毯を描き出していた。
上がり続ける熱情という体温。それを越えた先に広がっていたのが、メンバーらの愛情と温もりを覚える『黄金の月』だった。体温が伝わるくらいまで3人に近づき、気持ちを寄り添えていたい。TsutomuIshizukiの歌と動きに合わせ、フロア中で大きく揺れる白いペンライトの光が、とても暖かだった。SHUN.の奏でるギターの音色に合わせ、エモーショナルに歌いだすTsutomuIshizuki。FANTASTIC◇CIRCUSは『すべての共にきっと明日はくるから』を歌い、心を一つに、みんなで未来へ微笑みかけていった。

 「みんな一つになろう。だからここにいるんだよ」「一個になろうぜ」。その言葉を示すように,FANTASTIC◇CIRCUSは『ONE』を演奏。雄々しいTsutomuIshizukiの歌声をきっかけに、客席中の人たちの感情が駆け上がるようにエモーショナルさを増してゆく。誰もが大きく手を振り、サビ歌を心の中で熱唱してゆく。沸き立つ想いへ互いに寄り添い、重ね合わせる。その熱が一つの大きな塊になったとき、想いは奇跡を導き出す。歌いたい、叫びたい、心が動くままに、もっともっと自分を解き放ちたい。マスク越しに『ONE』を歌っていた人たちも、きっと大勢いたはずだ。
 「今を生きよう」。その言葉を合図にFANTASTIC◇CIRCUSは熱情した感情を爆発させるように『追憶をこえるスピードで』をぶつけてきた。客席中で力強く大きく揺れる光が、満員の観客たちの興奮覚え高陽してゆく姿を物語っていた。そして…。

この曲を、あの一節を歌わなければ、このサーカスは終われないし、終わりたくない。「Please」の呼びかける声を聞いたら、「Love Me」と叫ばずにいれない。もちろん、最後は『LOVE ME』だ。もう理性なんか抑えられないし、抑えたくもない。曲が始まった瞬間から、場内中の人たちが大きく両手を左右に振り、その場で跳ねながら、あのときの少年少女に戻っていた。大勢の人たちが、マスク越しに心の声を張り上げていた。いや、声を張り上げずに、この興奮と高陽を昇華など出来るわけがない。無性に気持ちが沸き立つ。会場中を包み込んだ、お馴染みの「Love Me Love Love Me」の大合唱。どうしようもないくらいに胸が熱い、嬉しすぎて瞼が勝手に熱くなり、目頭を潤しだす。彼らが時を止めたのが17年前だって?そんな時間の溝などあっと言う間に埋めるように、メンバーたちが、FANATICS(ファン)たちが、あのときの少年少女に戻り、マスク越しながら、大きな声で「Love Me Love Love Me」と歌っていた。その声へ触れていたら、涙腺が崩壊した…。

気がついたら、17年間の時の隙間を、みんなが一瞬で埋めていた。FANTASTIC◇CIRCUSのライブに触れている間だけは、無邪気に、無敵に輝いていたあの頃の自分が甦っていた。体力は戻りきれなかったけど、心は、FANATIC◇CRISISに人生を注いでいたあの頃の自分に間違いなく戻っていた。また、「Love Me Love Love Me」と歌いたい。輝いていたあの頃に戻してくれるこの時間を、また手にしたい。

 FANTASTIC◇CIRCUSは,この日の公演を持って転生した。次に3人に出会えるのは、9月4日の品川インターシティホールになる。それもまだ、始まったばかりの小さな一歩でしかない。3人と一緒に描く心揺らすドラマの本当の始まりは、もっともっと先にある。これからの人生に、めっちゃ楽しみが増えた!!!!

TEXT:長澤智典

FANTASTIC◇CIRCUS
https://twitter.com/ftccircus

セットリスト
『サーカス』
『QUEEN』
『火の鳥』
『Maybe true』
『SLEEPER』
『月の花』
『again』
『心に花を 心に棘を』
『ERACE YOU』
『地下鉄のメロディー』
『MADE IN BLUE』
『EXIT』
『THE.NEVER.INNOCENT』
『[キミガイルセカイ]』
『キミガイタセカイ』
-ENCORE. -
『LIFE』
『体温をこえて』
『黄金の月』
『すべての共にきっと明日はくるから』
『ONE』
『追憶をこえるスピードで』
『LOVE ME』

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