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事業をスケールするとは

ビジネスをしていると、特にスタートアップ界隈では「その事業ってスケールすんの?」とか「スケーラビリティに欠けるね〜」とか、そういう会話がよくある。

要は、事業規模をどんどん大きくすることができるか否かみたいなことの意味として使われる表現だ。

地元で中小企業経営をしていたり、個人事業をしているとあまり考えることのない概念だが、スタートアップとしてIPOを目指します!!とかっていう人にとっては、スケールするか否かは、生きるか死ぬかくらいの大事な問題になる。

スケールすることは事業にとって大事なことなのか

これは、よく議論になるポイントだ。
「スケールすることなんかよりも、地元に根ざして地域の人と手を取り合い、着実に信頼を重ねる方が大事なんじゃないか?」という人もいる。

それも確かに一理ある。

でも「スケールしなければ事業をやる意味がない。本当に世の中に必要な事業は、スケールしてなんぼだ!」という人もいる。

それも確かにだ。

この議論に対する僕の意見は(正直まだよく分からないんだけど)
「人それぞれ、事業それぞれでいいんじゃない?」という感じで、たぶんこれはいろんな要件の掛け合わせなんだと思っている。
例えば向き不向きもあるだろう。スケールする事業に組み立てるのが向いてる人もいれば、地域密着で着実な経営をしていくのが向いてる人もいる。
あるいは、好き嫌いもあるだろうし、事業によっての相性もあるだろう。更には時代背景も関係してると思ってて、今から50年前とかなら「新しい住宅メーカーを作って全国No. 1になるぞー!」とか言っても全然スケーラビリティは高かっただろうけど、今の時代にそういった労働集約的なビジネスモデルのスケールは単純にはうまくいかない。かと言って、地元で大工を目指してる若者もいるのは事実で、それはそれで素晴らしいわけだ。

つまりは、お互いがお互いに対しての尊重が大事で、どっちかがどっちかの否定をするのは絶対に良くない。
例えば、事業のスケールに一生懸命な人に対して、地元の中小企業の経営者が「あいつは金の亡者だ」とか言うのは良くないし、その逆も然りだ。

僕はと言うと・・・

僕はジーバーFOODという事業に出会うまで、スケールなんてことを考えたことはなかった。むしろ、地元の中小企業の経営の楽しさにけっこう魅了されたりもしてて、IPOなんかには全く興味がなかった。

ただ、ジーバーFOODという事業に出会い、ビジネスパートナーになってくれたMIKAWAYA21の青木さんと出会い、スケールということを初めて考えるようになり、今では事業がいかにスケールするかを四六時中考えるようになった。

その1番の理由は、取り組む「高齢化の問題」が巨大すぎて、本当に世のため人のために自分の命を使うとしたら、仙台だけでこの事業が広がるとか、東北地方が変わるとかでは、社会は何も変わらないと心から思ったからだ。
本気で社会を変えようと思うなら、高齢社会の問題に立ち向かうと覚悟するならば、この事業は絶対にスケールしなければいけないと思っている。

だから僕はIPOを目指しているし、スケールするか否かの問いに、毎日向き合い続けている。

スケールすることのもう一つの意味

一昨日、青木さんのMIKAWAYA21が運営する「まごころサポート」の半年に一度の一大イベント「まごころサミット」があった。
全国からパートナー企業のオーナーさんや責任者の方が参加するイベントで、今回はなんと2日間にわたって行われた。
1日目は、各パートナー企業のマネージャーが集い、マネジメントとは何か?を学ぶ「炎のマネージャー合宿」と題して行われ、6時間にわたって「まごころサポートのあるべき姿」について言葉づくりをみんなでした。
2日目は、そこにオーナー陣も加わり、たくさんの講演や、ゲストスピーカーのトークセッションなどを聞いて「まちの共感を生み出し、仲間を増やすためにはどうすればいいか?」を考えた。

ちなみに今回のゲストはメンツが凄すぎて、僕が崇拝するエンジョイワークスの福田さんと、CAMPFIREの家入さんというコンビだった。
数万円払ってでも聞きたいトークセッションで感動の嵐だった。

左から青木さんの半分の顔、福田さん、家入さん

まぁそんなこんなで、僕もジーバーFOODの話を1時間話させてもらったりと、濃密な2日間をみんなで過ごしてきたわけだが、1つ大きな気づきがあった。

「参加者がめっちゃ若返ってる!!」ということだ。僕が初めて参加した2年前のサミットよりも、明らかに参加してるメンバーの顔ぶれが若い。20代のマネージャーがとても増えている印象を受けた。

今の若者は社会課題に対する意識が高い、とは人伝えでよく聞いてきたが、こういうところにも現れているのかと実感した。

そして、その中の1人で山口県から参加された24歳の女性がいる。彼女は、山口県山口市でご家族でまごころサポートを中心とした事業に携わっていて、家族を代表して1人でサミットに参加していた。

実は、このご家族は1年以上前から「山口でジーバーFOODをやりたい!」と一番最初に言ってくれており、僕もなんとか力になりたい!!と強く思う素敵なご家族である。

サミットを終えて、2日経った今日、この24歳の娘さん&お母さんの2名と、僕の3人でオンラインミーティングをした(内容はジーバーFOOD立ち上げに向けたミーティング)。

お母さんはいつもハイテンションで最高だが、今日はいつにも増してテンションが高く、それに負けじと娘さんもハイテンションで、とにかく約1時間のミーティングは活発な議論になった。

そしてお母さんから後半、こんなことを言われた。
「とにかく、娘がサミットから帰ってきて、目の色が変わり、発言も何もかも別人になったかのように変わった」と。

そして、お母さんはこう続けた。
「永野さん、娘がね、こう言ったんですよ。この年齢で、こんな機会を普通は経験できない。でも、その経験ができて本当に参加して良かった。お母さんありがとう!って。もう涙がちょちょぎれましたよー!!」と。

なんだか、聞いてる僕も泣きそうになった。

そうか、と。
まごころサポートも、ジーバーFOODも、取り組む社会課題が大きいが故に、立ち向かうためにはもっともっと事業をスケールさせなければいけない!と信じてやってきたし、これからも続いていく。そうしないと、社会なんて変えられないからだ。

でも、今回気づいたのは、スケールする過程において、巻き込む仲間も必然的に増えていくということ。そして、その仲間の人生までも僕らは変えてしまっているんだということだ。
必ずしも良い方向に変えられるだけではないかもしれない。でも僕ら次第で、巻き込まれる仲間の人生が好転したり、家族の日々の会話の中に感動が生まれたり、嬉しくて涙が溢れるシーンが生まれたりするのだ。

青木さんが10年以上もかけて培ってきたものは、やはり凄いなと改めて感じさせられたサミットだった。そして僕も同じ道をもう歩み始めている。すでに多くの人を巻き込み始めている以上、巻き込む仲間の人生も豊かにしていきながら、社会課題解決に全力でチャレンジしていきたい。

すごく大切なことを学んだ、2日間だった。
こうして社会は少しずつ変わっていくんだ。

明日からも足がちぎれるほど行動して、頭がちぎれるほど考えていこう。

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