(Ⅲ期)禁忌の変遷

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【禁忌】とは「 忌(い)み嫌って、慣習的に禁止したり避けたりすること。また、そのもの。タブー。」(『デジタル大辞泉)、「さわりのあるものとして忌みはばかられる物事への接近・接触を禁ずること。病気・出産・死などの状態に関するもの、食べ物、方角、日時に関するものなどさまざまな形のものがあり、一般に、違反者は超自然的な制裁を蒙るものとされる。さわり。タブー。」(『精選版 日本国語大辞典』)と記される。
「形態的には、宗教的タブー、伝説的タブー、教訓的タブー、呪術的タブー。現象的には、人間のタブー(地位・身分・職能・性別など)、物体のタブー(動植物・無生物・器物・食物など)、状態のタブー(出産・成人・結婚・病気・死など)、時空のタブー(日時・方角・聖所など)、行為のタブー(戦闘・狩猟・食事・睡眠・言葉など)。内容的には、本来的宗教的タブー、派生的呪術的タブー」(『世界宗教用語大事典 』)に分類されると言われている。
『大辞林』には「聖と俗、清浄と不浄、異常と正常とを区別し、両者の接近・接触を禁止し、これを犯すと超自然的制裁が加えられるとする観念・風習。また、禁止された事物や言動。未開社会に広くみられる。禁忌。禁制。」と記されている。

神聖化されている清浄を保持する目的の禁忌、そのものが不浄であってそれを回避する目的の禁忌が存在し、その基準にその民族の宗教性が大きく関わる。つまり、禁忌は民族・社会の宗教・信仰を主とする社会秩序の根幹によって形成されるものであり、その民族社会の理解に大きなヒントを与えてくれるのである。

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