FGO第二部七章を終えて(ネタバレあり)

 昨夜、FGOの第二部七章をクリアしました。今回の記事は、そのネタバレ内容をふんだんに盛り込んだ感想になります。内容に触れぬまま言えることは、最高だったなあということです。僕はFGOのキャラとストーリーはとても好きで、毎回メインストーリーには泣かされます。日頃から情緒不安定なので、ああいう激しく感情を揺さぶってくる物語に弱いです。今回も、何回も泣いちゃいました。本当に素晴らしい物語だったなと思います。

 あ、さて…実は僕、ギリシャ神話や北欧神話、インド神話にはぼちぼちそれなりの知識(ゲームや漫画で得た程度のものだけですが)があるんですが、南米の神話は全く知らなかったです。ケツァル・コアトルとテスカポリトカってのがいる、それだけは知ってたんですけどね。
 で、FGOをやっただけで知ったふうな口を叩きたくはないんですが、とにかく原典たる南米神話に対してのリスペクトが凄いなと。本当に、南米特有の死生観とかが上手く組み込まれてて、グイグイと物語に引き込まれました。
 あと、毎度そうなんですが、敵のクリプターもその下に集ったサーヴァントたちも、それぞれに自分の正義を持ってて、自分がよかれと思ったことにベストを尽くしてるんですよね。主人公たちぐだ子が正義で敵が悪、そういう角度から見たり切り取ったりっていうのが全くないのがFGOだと思ってます。だから、善悪や良し悪しが勝者と敗者を分かつのではない。敵には敵の正義があって、ギリギリでいつもぐだ子たちカルデアは勝ちを譲られてる。勝者として常になにかを託されてるかのように感じます。負けて去る者たちが悔いを残さない、未練や執着があってもどこかベストを尽くしたことに満足してるような描写が僕は大好きです。


 で、ネットでも色々と考察をしてる方がいて、僕なんかは型月ミリシラ勢だからチンプンカンプンですけどね。僕なりにFGOの物語の結末、黒幕や今後の展開なんかを予想して楽しんでます。
 また、真実への伏線やヒントが今回も多分に散りばめられてたように思いました。
 個人的に思ったこと、自分なりの解釈を少し書き留めておきますね。


1.検体:Eと被検体:E、E検体について
 トラオムのあのラストシーンから、色々と話題を読んでいるEの話。個人的には、テキスト内で三種類の表記がありますが「全て同じものを指している」と思ってます。あくまで僕の予想、解釈ですけどね。
 僕の想像では、惑星カルデアスの2016年末、いわゆるU-オルガマリーの中身である異星の神がエリア51に運び込まれた。恐らく「検体:E」と「E検体」は同じ状態の同じ物を指してると思われ、それは異星の神本体だったのでしょう。そして、年が明けて惑星カルデアスの2017年から、何十年も続く異星の神への実験というなの拷問が始まった。例の「手術台の上の小枝」になってしまうまで、ずっといじくられた挙げ句、エリア51閉鎖と共に放置されてしまった。
 そして、惑星カルデアスの2017年から発していた異星の神のSOSをキャッチした何者かが、百年後の2117年に惑星カルデアスを襲った。そして、デヴィット・ブルーブックの言うように「年明けから三ヶ月ほどかけて、地球が白紙化された」と僕は考えます。ブルーブックが見たロシアや北欧の異聞帯切除に見えたのは、もしや逆…その地方の異聞帯が生まれた時の光景だったのかもしれません。
 そして、惑星カルデアスの2117年、とうとうブルーブックはエリア51に辿り着いた。そして、謎の左利きの人物に射殺されてしまったのです。

 トラオムの最後で、若森に連れられぐだ子が見たエリア51の手術室、あれは惑星カルデアスの2117年以降のものかなと。そこには「被検体:E」が手術台の上にあって、脳と血管だけになったかのようなブルーブックが死んでいた。
 名称が「検体:E」や「E検体」から「被検体;E」に変更されたのは、2017年から始まった調査実験で、異星の神が(植物のような姿であるにも関わらず)ほぼほぼ完全に人類と一致するデータを持っていたからでしょう。検体という「物」から、被検体という「者」として認識が改まった故の表記かなと思いました。


2.ブルーブックと黒幕の正体について
 トラオムのあの台詞「■■を■■、■■■――」という台詞、これは惑星カルデアスの2117年に殺された、ブルーブックのものだと考えます。そして、伏せ字の奥には「令呪を以て、命ずる――」という台詞が隠されているのではないでしょうか。最低でもブルーブックは、マスターとしての能力を持つ魔術師相当だったと思います。
 で、あの証明不可能なトラオムの三すくみな特異点を生み出すために、ブルーブックは最初に張角を召喚し、さらに立て続けに無数のサーヴァントを召喚しています。それも、強い憎しみと恨みをもってです。何故かというと、これは「ブルーブックを射殺しようとした左利きの謎の人物」と深い関係があると思っています。

 ブルーブックの正体はとりあえず置いて、彼を射殺したレフティの人物、僕は彼(彼女かもしれない)に心当たりがあります。
 僕が常々「真の黒幕はこいつだ!」と思ってる、大人のダ・ヴィンチちゃんです。
 史実でも、レオナルド・ダ・ヴィンチは左利き(両利き)であるとされてきました。ただ、あまりにもわかりやすい「銃を左手に持ってた」というだけで、ダ・ヴィンチちゃんを疑ってる訳じゃないんです。
 そもそも、第二部七章において「カルデアスこそが異星の神を生んだ異星そのもの、全てはマリスビリーの陰謀だった」という重大な真実が防露されました。するとどうでしょう、カルデアには以前、ぐだ子が着任するより前に召喚されていた英霊がいるではありませんか。
 そう、それがダ・ヴィンチちゃんです。

 第二部開幕と同時に、カルデアにあるカルデアスは物理的に凍結され、ぐだ子たちが脱出する際にダ・ヴィンチちゃんはラスプーチンに殺害されました。背後から素手で心臓をくり抜かれたんです。
 でも、これは「現実の地球に召喚されたダ・ヴィンチちゃんの死」でした。
 そして、ブルーブックたちは惑星カルデアスに生きてて、そっちにもダ・ヴィンチちゃんがいるとしたら?三ヶ月かけて異星の神が惑星カルデアスを白紙化し、それを一瞬で現実の地球と置き換えた(入れ替えた)ことで、ぐだ子たちには「一瞬で白紙化した」と見えたんですね。
 で、入れ替える際に黒幕のダ・ヴィンチちゃんが地球に行く必要があったのではないでしょうか。だから、前後して「いわば平行世界の同一人物」たる地球のダ・ヴィンチちゃんをラスプーチンに殺させた、と。

 ブルーブックはもしや、惑星カルデアスのダ・ヴィンチちゃんとは親しいマスターだったのではないでしょうか。だとすると、まことしやかに囁かれている「ブルーブックの正体は、惑星カルデアス側のぐだ子では」という話にも信憑性が出てきます。
 ぐだ子がもし、エリア51で突然銃を持ったダ・ヴィンチちゃんに「今まで騙してたよ、私が黒幕さ!」と言われて射殺されたら…その絶望たるや、どれほどのものでしょうか。激しい怒りと憤りで、あっち側のぐだ子は召喚を暴走させ、それでできたのがトラオムではというのが僕の見解です。
 因みに、少なくともラスプーチンは黒幕側、最終的には敵側の人間だと思ってます。言峰綺礼の姿を装うことがまず、なによりも怪しい。それに、地球側のダ・ヴィンチちゃんを殺した本人もラスプーチンですが、彼はかなり強いチート技を持ってるのに、U-オルガマリーがデイビットに心臓を奪われるのを見逃しています。U-オルガマリーを意図的に危機に晒したと考えたほうが、むしろ自然なんですよね。


3.マリスビリーのやったことと目的
 マリスビリー・アニムスフィアは、人類史と人理、人類の未来のためにカルデアスというシステムを作りました。膨大な予算が必要となるその装置のために、2004年の冬木の聖杯戦争に参加し、キャスターのソロモン王を率いて見事聖杯を手に入れたのです。実際にカルデアスを建造した時にはもう、彼の陰謀は始まっていたのでしょう。
 そして、聖杯の願いによってただの普通の人間になったソロモン王は、ロマニ・アーキマンと名を変えてカルデアにやってきます。ソロモン王の時点で人理焼却(と、もしかしたらマリスビリーによるカルデアスを用いた地球白紙化)を見破っていたのかも知れません。ただ、それを防ぐために記憶も知識もグランドキャスターの力も捨て、ただの一般人になったんでしょうね。

 で、第二部七章の終了と同時に、多くの情報が開示されました。まず、異星の神というインベーダーの母星、異星とは惑星カルデアスであること。ただの「完コピされた精密な小さい地球儀」ではなく、カルデアス自体が一つの世界線だったことが明かされます。
 次に、オルガマリー・アニムスフィアが最初からサーヴァントだったことも明かされました。あらゆる才能を持ちながら、マスターの能力がなかった理由にもなりますね。サーヴァントを召喚できないのは、そもそも自分がサーヴァントだからという。そして、父親の死後にオルガマリーが所長になることも、カルデア内部で孤立することもマリスビリーには織り込み済みだったかもしれません。
 レイシフト先の特異点Fは、これは惑星カルデアスの2004年冬木だったのかもしれませんね。そこで(マリスビリーが意図してなかったかもしれませんが)オルガマリーは死に、何らかの形で「惑星カルデアスに用意され、2117年に異星の神の器となる肉体」として登録された、的な。そう考えると、地球の2016年(ゲーム開始時点)でのオルガマリーは、あのアーチャーエミヤと同じく「未来の英霊(惑星カルデアスの2117年の英霊)」なのかもですね。


4.今後の展開、オーディール・コールについて
 オーディールとは、英語で試練を意味する言葉らしいですね。同時に、僕がちょっと思ったのは面白いダブルミーニングだなと。これ、オディールと引っ掛けてませんかね?オディールっていうのは、有名なバレエ「白鳥の湖」に登場する黒鳥の名前です。白鳥ジゼルと対象的に、真っ黒なオディール…バレエでは概ね、ジゼルとオディールは一人で二役、同じプリマドンナが演じるという慣習があります。恐らく、白鳥ジゼルとは白紙化した現実の地球。そして、黒鳥オディールこそが(本来のバレエでは敗者にあたるオディールこそが)惑星カルデアスを示している。なんてね、思ったりしました。
 あと、カルデアの者が「四つ、いや三つ」と、エクストラクラス多用によるぐだ子たちの歪みに対する修正を提案していました。何故、一度「四つ」と言い、あとから「三つ」と言い直したのでしょう。多分、カルデアの者の現状が「何らかの形で復活したソロモン王ないしは72柱の悪魔」だとしてですね、もしかしたら千里眼を持ってるかもしれないんですよね。それで四つあるもののうち「一つはもう解決されたようなもの」に見えたのでしょう。
 エクストラクラスの歪みは、三つ。ルーラー、アルターエゴ、アヴェンジャーですね。…うーん、僕はバーサーカー至上主義な面があったり、なるべく七騎の強弱の三すくみに則った戦いをしてきたつもりで、エクストラクラスを多用した覚えはない…と思ってたら、誰でも多用せざるを得ないエクストラクラスのサーヴァントがいますよね。最初からずっと一緒の後輩で、唯一無二のシールダー…そう、マシュです。マシュ自身も入れて、歪みは実は四つ見えたんじゃないでしょうか。ただ、カルデアの者はとりあえずマシュに関する歪みを「問題ないもの、あるいは問題解決が見込まれてるもの」と思ったのかも。


 などと色々考えてると楽しくてですね、やっぱりFGOやめないでよかったなあと思いました。やっぱ、FGOからしか得られない栄養分と感動があるんですよね。唯一無二、オンリーワンなゲームだと思います。
 子供の頃、FFやロマサガをやって、親に寝なさいと言われて「早く明日学校で友達と話したいなあ」とワクワクして眠れなかったあの夜。勉強も学校も嫌いだったけど、友達と「どこまで進んだ?」「あのアイテム取った?」などと語らうことがとても楽しかった。その気持ちがまだ、FGOを通して味わえる幸せに感謝する日々でする。

はじめまして!東北でラノベ作家やってるおっさんです。ロボットアニメ等を中心に、ゆるーく楽しくヲタ活してます。よろしくお願いしますね~