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【23】悲しき明滅と鳴り止まぬ遠吠え


FLAGⅢの稽古はとても今のところとても順調です。

新たなキャスト陣の魅力と、それぞれの熱意と、これまで抱えてきた音楽や衣装などの様々な武器が、しっかりと手応えとして感じられています。
よい。
まだまだ稽古続きますが、
しっかりと準備して本番を迎えられそうです。

稽古場にて、1人で大勢に向けてあれこれ発信するのは物凄く気疲れしますが、
信頼するメンバーだからこそ、拙い船頭でも良い方向に向かってくれると思えるので、助けられています。


さて先日の話ですが、
去年4月から自転車で日本一周していた友人がこの夏に帰ってきました。

西を回り戻ってきて、北日本に差し掛かる前に冬が来たのでしばらく京都に滞在。春を待って北上し、夏に帰ってくるという長い旅路でした。

きっといくつもあったであろう旅の目標のひとつとして、「身近な人が行ってみたい場所に、かわりに行ってあげたい」と語ってくれていました。
実際、僕が行きたかった場所は写真や動画を撮って送ってくれて、
その他にもSNSに載せられる各地の風景や出会った人々の笑顔に癒される一年でした。

旅に出る彼に、白いバケットハットをプレゼントして、「出会った人に一筆書いてもらったら?」と提案。もちろん僕も書かせてもらいました。

正直、応援の気持ちさえ届けば満足だったので、実践してくれなくても、と思っていましたが、
実践するどころか、旅を初めてすぐに帽子は人々のメッセージでいっぱいに。
彼の人柄は日本中の人々に愛されていたようです。

身近な人が大きなことを成し遂げたことが、自分の活力になるって、ほんとにあるんだなと思わされます。
彼の人生はどんなふうに変化したんだろう?
応援してくれる人が多くいるという絶対の事実が、次の一歩への後押しになってくれたらと願うばかりです。

そんな願いも込めつつ、お祝いにはスニーカーをプレゼントしました。
これまた真っ白なスニーカー。楽しい思い出と一緒に、どんどん汚していってくれたらいいな。

感謝や労い、
尊敬や信頼、
まっすぐに心を届けることで自分が擦り減ることも多かった今日この頃でしたが、
やっぱり伝えるべきことはちゃんと伝えたいなと思わされた今回でした。


連日の稽古でも、種類は違えど旅について考えさせられています。
いよいよ来週から、2週間の本番。
大切な人たちへのまっすぐな思いと、
旅という選択への憧れを沢山詰め込んで、
劇場で皆さんをお待ちしています。

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