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窓辺に倚る少女に恋をした夏

こんにちは、SRライダーのなっちゃんです😊
夏休みが始まりましたね🌻

大人になって良かったこと、それは夏休みの宿題「読書感想文」から解放されたこと…と言えるくらい本を読んで感想を書くという作業が苦手😂

でも、読書感想文のおかげで、今も心に残るとある少女に出会いました。


年は11歳くらい。

着ている黄色がかった灰色のみにくい服は綿毛交織で、ひどく短くて窮屈そうだった。

色あせた茶色の水平帽の下からはきわだって濃い赤っ毛が、2本の編みさげになって背中にたれていた。

小さな顔は白く、やせているうえに、そばかすだらけだった。

口は大きく、同じように大きな目は、そのときの気分と光線のぐあいによって、緑に見えたり灰色に見えたりした。

ー村岡花子訳

彼女は"Anne of Green Gables"
…そう、「赤毛のアン」です。

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アンは、作者であるモンゴメリが偶然目にした新聞記事に着想を得て生まれたキャラクターです。

物語の始まりは、カスバート家の年老いた兄妹が働き手として孤児院から男の子を引き取るところから始まります。

兄のマシューが駅に男の子を迎えに行くと、そこで待っていたのは赤毛の女の子…

冒頭の引用は、アンがマシューと初めて出会ったときの容姿を描写したものです。

兄妹は、想像力豊かでおしゃべり好きなアンを見て、当初の予定とは違うけど退屈はしないだろうと、そのまま一緒に暮らすことにしました。

アンは仲良くなった同い年のダイアナが通う学校に編入するも、コンプレックスをからかわれてクラスメイトと喧嘩し、その子の頭を引っ叩いて退学してしまいます。

その後も、家に遊びにきたダイアナにジュースと間違えてお酒をのませたことで、ダイアナの親から一時的に絶交させられてしまうなど、次々とハプニングを起こしていきます。

アンの純粋な気持ちや豊かすぎる想像力からくり出される突飛な言動は、ときに周囲を戸惑わせることもありますが、持ち前のポジティブさと明るさのおかげで人々を惹きつけていきます。

何があってもブレずに力強く生きていくアンの姿は眩しくて、つい周囲の目を気にしたり、常に多数派であろうとしてしまう自分には羨ましくもあります。

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そんなアンの物語の舞台は、作者モンゴメリの生まれ故郷である「プリンス・エドワード島」というカナダ東部にある島です。

アンは空想が得意で、プリンス・エドワード島の美しい風景に親しみを込めた名前をつけています。

輝く湖水

歓喜の白道

おばけの森

恋人の小径

などなど…

そしてその風景の描写は、読者の想像を掻き立て、魅了します。

大人になったらお金を貯めて、アンになった気分でプリンス・エドワード道を歩いてみたい!!

と、幼き日のなっちゃんも海の向こうの島に想いを寄せました。

ちなみにこの夢はまだ叶えていません…というか、途中でバイクに浮気をして貯金を使ってしまいました。笑

現在寄り道中ではありますが、夢を忘れたわけではなく、今もモンゴメリやアンが暮らした島に心を動かされ続けています。

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ところで、赤毛のアンは、今から100年以上も前に出版され、現在の売り上げ数は全世界で5000万部に達するとも言われている名作です。

日本で最初に翻訳した村岡花子さんは、NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」で女優の吉高由里子さんが演じていましたね。

赤毛のアンは村岡花子さんの手によって第二次世界大戦中に翻訳作業が進められ、戦後の日本人に広く親しまれました。

その後も多くの翻訳家が同書を翻訳しており、読み比べて楽しむ読者もいるのだとか。

私が最初に読んだのは村岡花子さんが翻訳したものでしたが、高校1年生のときに原書に触れる機会がありました。

すでにストーリーを知っているので簡単に読み進めることができましたが、自分で直訳すると大変味気ない文章になってしまいます。

題名である「Anne of Green Gables(緑の切妻屋根に住むアン)」は「窓辺に倚る少女」に、マシューの口癖である「well..(うーん)」は「そうさね」にするなど、元の文章のニュアンスを崩さない自然な日本語に翻訳するセンスに脱帽しました。

それと同時に、原書を読む面白さを知り、もっと英語の勉強を頑張ろう思ったのも懐かしい思い出です。

(今のなっちゃんの英語力は、懐かしい思い出と表現したところから想像してくださいね。笑)

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偶然手に取った一冊の本。
しかも、必要に迫られて仕方なく…

きっかけは味気ないものでしたが、ひとたびページを開くと、グイグイと赤毛のアンの世界に引き込まれていく自分がいました。

なんと、この年の読書感想文は学校代表として外のコンクールに出品してもらえ、小さな賞をいただくこともできた思い出の本でもあります。

そして、アンとの出会いは、英語を学ぶきっかけになり、働く目標のひとつにもなり、今も私の心の拠り所といえます。

赤毛のアンと私は、初恋のような優しくて甘い思い出を共有する大事な一冊なのです。

この夏、あなたもアンと一緒にプリンス・エドワード島で想像の羽を伸ばしてみませんか?

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本記事は「#夏の読書感想文」と

「恋愛×読書コンテスト」に参加しています💓


《参考》

最後まで読んでくださりありがとうございました😊


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