【GP浪漫遊2019】決勝:Sawada Tetsushi (石川) vs. Arai Ryotaro (名古屋) ~2019年のラストサンになるのは一体だれか~
by Re_nadal_go
長いようで短かった2019年もいよいよ終わる。
今年もこの時期がやってきた、GP浪漫遊である。
GP浪漫遊というのは石川県の誇る鬼才、T氏が構築した真龍というデッキのみを用いた聖戦である。
※真龍の詳細に関してはデッキリスト込みで下記のリンクにて紹介する。
一昨年の第一回大会は、大会が深夜に及ぶ激闘の末、Arai Ryotaroが初代龍王の座についた。
2019年12月31日、GP浪漫遊に5名の戦士が集った。年の瀬に遠路遥々この極寒の地に集った正真正銘の曲者達といえよう。
(若干1名、大会のサブタイトルを決めることに熱心になりすぎて肝心の大会は一切興味無しという者もいたということはここだけの話)
そして参加者5名の総当たりルールの中、成績上位2名の決勝進出者が決まった。
【プレイヤー紹介】
・Sawada Tetsushi (石川) ※以下、サワダ
北陸が生んだデュエルマスターズ全国プレイヤー。現在は戦いの舞台をMTGへと移しているが、ビートダウン系のデッキを操るセンスが非常に冴えるプレイヤーだと筆者は感じている。最近はTwitchでの配信も勢力的に行っており、かの有名プレイヤーtriosk氏を虜にしているらしい。
メモ:生活リズムが完全に崩壊しており完全にアメリカ時間で生きているとさえ錯覚する。布団から早く出れるようになっていただきたいものだ。
・Arai Ryotaro (名古屋) ※以下、アライ
現在は名古屋に住んでいる真龍プレイヤー。昨年は因縁のライバルでもあるSaito Masatoshiを撃破し、初代龍王の座につく。今年もリベンジに燃えるSaito を予選ラウンドで粉砕、新たな挑戦者を迎え撃つ形となった。
※写真左:Saito Masatoshi
何かに集中して取り組んだ際のアライの潜在能力は計り知れず、もちろん真龍というフォーマットにおいても、その力は非常に強力だ。
メモ:最近、レギュレーションあの頃に嵌っており、世間での人気カードとまた違ったカードを集めることを趣味としている。最近は鬼丸「覇」のプロモを手に入れたようだ。
プレイヤー紹介もほどほどに。
さぁ新たな龍王を決める戦いを始めよう。
ここから真龍の醍醐味ともいえる試合展開が繰り広げられる。
【ゲーム1】
先手はジャンケンに勝利したサワダ。優秀な色マナである《龍仙ロマネスク》をチャージしてターン終了。続くアライも多色マナの処理に専念し、決勝戦のファーストアクションは、サワダが繰り出した3t目の《青銅の鎧》。
この真龍というフォーマットは5マナ域に非常に優秀なカードが多く入っているため、サワダが一歩リードという形になった。しかしここでアライも置いて行かれまいと、応じる形で《青銅の鎧》をプレイ。
サワダの4t目、強力な呪文である《超次元ミカド・ホール》をプレイし、《青銅の鎧》を処理しながら《時空の賢者ランブル》をバトルゾーンへ。
返しのアライのターン。サワダと同じく5マナ域の強力なカードをプレイしたいところだったが、先ほどに引き続き《青銅の鎧》をプレイするに留まり、力を溜める格好となった。
この真龍というフォーマットでは時折、《時空の賢者ランブル》の一発覚醒が発生する。そして一発覚醒が意味するものとはゲームの急戦。早期決着である。
デッキの中で2枚以上入っているカードの種類は12種類。
サワダが現在の手札と場の状況から判断して宣言したカードは・・・。
《ハッスル・キャッスル》
そしてデッキのボトムにあったカードは・・・《ハッスル・キャッスル》!
決勝戦の舞台でまさかの一発覚醒。《恐気の覚醒者ランブル・レクター》が降臨した。
この時、アライのシャカパチが早くなったのを筆者は見ていた。それはアライの焦りなのか、はたまた目の前に立ちはだかったこの強力なクリーチャーへの武者震いなのかは分からなかった。
サワダはこの一発覚醒で得た勝機をさらに確固たるものにするため、手札から《超次元バイス・ホール》をプレイ。露わになったアライの手札は《地獄スクラッパー》《解体人形ジェニー》《アブドーラ・フレイム・ドラゴン》の3枚。
サワダはここから《地獄スクラッパー》を選択し、返しの除去手段を奪っていく。そして《時空の封殺ディアスZ》を送り出し、意を決したサワダは《恐気の覚醒者ランブル・レクター》でトリプルブレイク。ブレイクされた中にシールド・トリガーはなく、サワダは《青銅の鎧》で追加ブレイクする必要性がないことを確認し、ターン終了を宣言。
返しのアライのターン。《超次元ミカド・ホール》で《青銅の鎧》を破壊し、《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》で《恐気の覚醒者ランブル・レクター》を解除させることに成功する。ただし、解除されたランブルを除去する術はなく、ここでターン終了。シールド・トリガーに期待する形となる。
再度、サワダは《ハッスル・キャッスル》を宣言。再び覚醒することは叶わなかったが、除去体制のある《伊賀の幻ハンゾウ》をバトルゾーンに追加し、《時空の封殺ディアスZ》でダブルブレイク。シールド・トリガー&シノビは無く、ここまで約5分のスピードゲームが決着した。
サワダ1-0アライ
【ゲーム2】
続くゲーム2では真龍の奥深さを垣間見ることになる。
先行はアライ。優秀な色マナである《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》をチャージ。お互いにマナチャージを続ける緩やかなゲームとなった。
ファーストアクションは4t目のアライの《解体人形ジェニー》。
サワダの手札は・・・。
《雷鳴の守護者ミスト・リエス》《解体人形ジェニー》《ハッスル・キャッスル》《邪眼皇ロマノフ一世》《超次元バイス・ホール》
濃い・・・。あまりにも濃いっ!!!
アライは返しのターンにハンデスで自分の手札を抜かれることを嫌い、《解体人形ジェニー》を選択。だがしかしサワダの手札にはリソースを供給できるカードがまだ残されている。
サワダはデッキトップから《フェアリー・ライフ》を引き即座にプレイ。《魔光王機デ・バウラ伯》が置かれ、白マナの供給に成功した。
アライのターンになり、先ほどのターンでハンデスを拒否し守りたかったカードが明らかになった。そう《ハッスル・キャッスル》である。
ここで試合巧者のアライから興味深いプレイが繰り出される。
《ハッスル・キャッスル》築城後に《解体人形ジェニー》ですぐさまシールドをブレイク。お互いが《ハッスル・キャッスル》を出す展開が予想され、リソースがお互いに枯渇しないゲームになると踏んだアライは先手の理を活かすためにテンポ重視でアタックをしたと考えられる。
その動きに対し、一度状況を確認するため、サワダは《超次元バイス・ホール》からプレイすることを選択した。
アライの手札は《デーモン・ハンド》《魔光王機デ・バウラ伯》、《デーモン・ハンド》が墓地へ。1ゲーム目でキーカードとなった《時空の賢者ランブル》を出しターンエンド。
返しのアライのターンのトップデックは《フェアリー・ライフ》。そのままマナチャージを行い、《魔光王機デ・バウラ伯》をプレイし、《デーモン・ハンド》を回収。先ほどからのプレイを貫く形でアタックを仕掛けるが、ここで痛恨のシールド・トリガー・・・
《地獄スクラッパー》を踏んでしまい、盤面がリセットされてしまう。
ひとまずピンチを脱出したサワダ。ランブルの効果宣言は外してしまうもののシールド・トリガーのおかげで安全なターンを迎えることができ、ここでやっと《ハッスル・キャッスル》を築城する。
お互いが《ハッスル・キャッスル》を築城している状態で、アライが長考に入る。出した答えは先ほど回収した《デーモン・ハンド》による《時空の賢者ランブル》の除去。ゲーム1の悪夢が脳を過ったのか。ここでターンを返す。
《時空の賢者ランブル》を失ってしまったものの、相手の脅威がない状態でターンが返ってきたサワダは序盤から手札に持っていた《雷鳴の守護者ミスト・リエス》をプレイし、大幅なリソース回復を狙う。
《雷鳴の守護者ミスト・リエス》を除去しなければ、《ハッスル・キャッスル》がある状態とはいえ、リソース差がついてしまうと判断したアライは、
《爆獣ダキテー・ドラグーン》で《雷鳴の守護者ミスト・リエス》を除去することを選んだ。
またしてもクリーチャーを失ったサワダだが、ここで真龍同型の最強コンボ
《ハッスル・キャッスル》+
《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》を完成させる。
対してアライは《龍神メタル》をプレイし、場の脅威を増やすことでターンを終了する。
続いてのサワダのターン。《龍神ヘヴィ》をプレイし、効果対象を《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》にしつつ、有利な盤面を築いた後にさらに繰り出されるのは・・・
古の超強力呪文《母なる紋章》!!!
《龍神ヘヴィ》をマナゾーンに戻しマナから出されたのは、生き延びれば勝利目前のフィニッシャー
《邪眼皇ロマノフ一世》!!!
冷静にシールドゾーンに埋まっているカードを確認した後に、墓地に落としたのは《大地と永遠の神門》。一気に強力な場を形成し、ここでターンエンド。
アライはここで除去カードを引くことができずに、このターンは《雷鳴の守護者ミスト・リエス》《青銅の鎧》とプレイしリソースを伸ばすにことに専念することにした。
続くサワダのターン、《解体人形ジェニー》をプレイし、補充されたアライの手札を確認する。
《超次元バイス・ホール》《無頼聖者スカイソード》《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》
盾が3枚ということを考慮し、瞬間的に打点を形成する《超次元バイス・ホール》をハンデスした。
さらに《超次元ミカド・ホール》で《雷鳴の守護者ミスト・リエス》を除去し、若干の長考を挟み、場に出されたのは、三度目の登場《時空の賢者ランブル》。さらに《邪眼皇ロマノフ一世》のアタックで墓地の《超次元ミカド・ホール》を唱え、冷静に《時空の脅威スヴァ》を出してダブルブレイク。ここでシールド・トリガーはなくアライのターンへ。
ここで試合から話は変わるが、このタイミングで2020年を迎えることとなった。この長きに続く激闘は2019年から2020年と年を跨いだのだ!
Saito「俺たちカラオケですらないんだけど、どうしたん!」
試合に話を戻そう。
アライは《青銅の鎧》から《母なる紋章》で《龍神メタル》をマナに置き、《アブドーラ・フレイム・ドラゴン》で《時空の賢者ランブル》《解体人形ジェニー》を除去し、続く《超次元ミカド・ホール》から《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》で《邪眼皇ロマノフ一世》を除去。
盤面の打点を一気に減らすことに成功したアライは、相手に何もないことを祈りターンエンド。
一度築きあげた盤面を、一瞬にして崩壊させられたサワダであったが、先ほどまでに稼いだ潤沢なリソースを活かし、《青銅の鎧》→《青銅の鎧》→《超次元ミカド・ホール》からの《時空の封殺ディアスZ》で改めて場を構築し、アライの残り時間を奪っていく。
※テカっているカードは《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》
この状況に思わずアライから「キツイ」の言葉が漏れる。
大長考の上、様々な可能性をシュミレーションした結果、アライが決断したプレイは《邪眼皇ロマノフ一世》のプレイ。
シールドのカードを確認したアライ。
「うーんそうか。」「やっぱ落とすか。」の後に墓地に《龍神ヘヴィ》を落とす。
さらに試合を決めるキーカードとなるか
《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》!!!
スピードアタッカーにした《邪眼皇ロマノフ一世》で力強くアタック!
墓地から唱えたのは《超次元バイス・ホール》しかしここでサワダが持っているカードの中に痛恨の一打となる1枚が
《光牙忍ハヤブサマル》である。《超次元バイス・ホール》ではこのカードを選択することはできないため、ここは《デーモン。ハンド》をハンデス。
ブロックする側のサワダはここで真龍同型に置いて意識しなければならないプレイングを心得ていた。そう《威牙の幻ハンゾウ》の存在である。
この場面で仮にサワダが《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》からブロックした場合、ブロック宣言に対して《威牙の幻ハンゾウ》をニンジャ・ストライクし《時空の脅威スヴァ》を除去する流れになっていれば、サワダ側にシールド・トリガーがなかった場合、アライが勝利していた。
サワダは冷静に《時空の脅威スヴァ》でブロックすることで、アライの勝利の芽を摘むことに成功。続く《アブドーラ・フレイム・ドラゴン》のアタックを《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》でブロックした。
《時空の喧嘩屋キル》でシールドを1枚ブレイクするも、このターンに勝利することができないと悟ったアライは他のクリーチャーを自壊させて、《時空の封殺ディアスZ》の覚醒ルートを消してターン終了。
ついに決着か。
サワダは《アブドーラ・フレイム・ドラゴン》→《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》と追加。
勝利を決めるため、《青銅の鎧》でアタック。
シールド・トリガー無し。
さらに《時空の封殺ディアスZ》アタック時の殲滅返霊により、《インフェルノ・サイン》からの逆転を許さないサワダ。
アライも《インフェルノ・サイン》をトリガーするも殲滅返霊されてしまった墓地にはもう逆転を託せるカードは無い。
最後は《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》でダイレクトアタック!
30分にも及ぶ激闘が決着。
アライは右手を差し出した。
サワダ2-0アライ
この時点で時計は2020年1月1日0時30分ほどであったが、プレイヤー達の熱は収まらず。
みんなで感想戦を行い。分岐点が多かった試合であったことを改めて感じた。同じデッキ同士の対戦ではあるが、毎回学びがあること。それが真龍の楽しさ、奥深さだ。
そして戦いが終わった戦士たちは、お風呂で疲れを癒し、また次の戦いの舞台(カラオケ)へ向かった。
2019年のGP浪漫遊が幕を閉じた。
2020年はみんなにとってどういう年になるだろうか。まだ分からない。
だけれど、また年末に集まって楽しく【真龍】で遊んで楽しく終わりたいという気持ちはもっている。
集まってくれたみんなありがとう、この素晴らしい死闘を繰り広げた2人に感謝。真龍よ永遠に。
第2回GP浪漫遊を優勝し、2代目龍王の栄冠を手にしたのは
Sawada Tetsushi (石川)!おめでとう!
一言メモ:
①この大会が開かれた当日、Saitoが他県で開催されているcsに参加していたために本大会が大幅に開始が遅れたことで、サワダがフリープレイの中でプレイを調律することができたことが勝因につながった。
②アライは自分のプレイマットを使用することができなかったことが敗因の一つだと、後日、自身のTwitterで語っている。
よろしければサポートをお願いします。私はレッドブルが飲みたいです。