TEAM NACS 森崎博之

TEAM NACSが生きがいであるのは前述の通りだが、一人一人への想いを書いていきたいと思う。
まずはリーダー、森崎博之さん。
そもそもTEAM NACSは彼が留年しないと結成はなかった。

メンバー曰く、大学時代の彼はジャイアンであった。
親分肌で周りを巻き込んでいくタイプの先輩だったのだろうか。
たしかにそういう先輩は大学時代存在する。
私自身も少し見に覚えがある…
森崎の大学時代のエピソードの一つとして、演劇研究会の他のメンバーからのけ者にされていたというものがある。
本人としてはマッシュアップのために提案したことを他が受け入れられず、その意図をくんで周りに話をしてくれたのが安田顕だったそうな。
森崎、安田の通称ワンツーがとても好きな私にとって今の関係性につながる貴重なエピソードである。

そして冒頭でも述べたように、森崎が留年して6年も大学に在学していなければ、大泉、音尾の2人とは会えず、TEAM NACSは結成できていない、というのは奇跡的である。
実際森崎は高校時代非常に優秀であったらしく、北海学園大学にも指定校推薦で入学している。
しかし同じ高校の後輩である音尾が進学する時は北海学園大学への指定校推薦はなく、それは森崎が留年したからだ、という話もあった。留年は本人にとっても当時はいろいろ葛藤もあったとは思うが、そこまで待っていないと5人は集まることが出来なかった、というのは神のお導きなのか…?とさえ思う。

また、森崎の考えるリーダー論が私はとても好きだ。
他の4人が主戦場を東京に移した今でも、森崎は北海道に根を張り演技だけでなく農業等を通して地域に貢献する仕事を続けている。
リーダーが一番優れているのではなく、一番メンバーやチームを愛しているのがリーダーである。
という考え方は目からウロコであった。

TEAM NACSの舞台は元々森崎が脚本演出を担っていた。
どちらも森崎が担っていた中で私が最も好きなのはHONORである。
郷土愛に溢れた作品であり、個人的にはTEAM NACSの作品の一区切りであったと考える。
HONORの次の下荒井兄弟のスプリングハズカムは大泉脚本演出、その後は外部の方を招いて作品を作っている。
俳優森崎博之の魅力を、外部脚本、演出で堪能出来るのは純粋に嬉しいものである。

誰よりもチーム愛に溢れるリーダーがTEAM NACSの最後を音尾が80歳になる時、と決めているのは興味深い点である。
ショートムービー『TEAM NACS FILM「 N43°」』 の森崎作品「AFTER」で描かれた未来のように、私もあの会場にいたいと思う。

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