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わたしが楽になる呪文は【知らないんだ】

だれかのことばで傷ついたり、悲しくなったり、泣きたくなっちゃうときあるよね。

でもきっとみんな【傷つけよう】なんて思ってないと思うんだ。

わたしもきっと知らないうちにだれかを傷つけていることもある。


悪意のないことばに無駄にこころを揺さぶられないように、わたしがじぶんに唱える呪文は【知らないんだね】


知らないんだからしょうがない

「かわいそう」「たいへんだね」
なんだか人ごとのような、哀れみのようなことばをかけられることがよくあるけど、そんなときわたしはいつも【知らないんだからしょうがない】って思う。


傷ついていた過去のわたし

わたしの娘は先天性の心臓病で生まれて、生まれてすぐに手術をした。
ミルクを自力で飲む力がなくて、NICUを退院して家に戻ってからも、鼻から胃までチューブを挿してミルクを流して入れていた。
チューブは24時間挿しっぱなしで、痩せている赤ちゃんはあきらかに病気だから「かわいそう」「かわいそうに」って言われた。

そのことばにいつも傷ついていた。

「かわいそうってなに?」「ばかにしてるの?」「哀れみ?」
そんなふうに思ってくやしいのと悲しいのと怒りの感情がぐるぐるしてた。


わたしもそうだった

娘は生まれてすぐからNICU(新生児集中治療室)に入院していたんだけど、そこはテレビで見たことのある世界だった。

テレビでしか見たことのない世界。

わたしがまだ独身のときテレビでNICUを見たことがあった。

そのときやっぱり「かわいそう」って思ったってことを思い出した。

赤ちゃん、お父さん、お母さん、お医者さん、看護師さん、おじいちゃん、おばあちゃんたちがどんな気持ちで、どんなに頑張って今があるってことはまったく見えてなかった。

わたしも「かわいそう」って思ってた。


知らないんだね

そのことに気づいてから、わたしは「かわいそう」が気にならなくなった。

「かわいそうに」ってことばをつかう人は、やさしさから言ってくれてるんだって思うようになった。
きっとなにか言いたいけど、ほかにかけることばが見つからないんだ。


今がしあわせ

そんなときには「たいへんだけど、今がしあわせです。」って言ってた。

生まれてすぐにNICUに入って、1日数時間の面会はできるけどずっと一緒にいられなかった何ヶ月間さみしかった。

でも退院してからももちろんたいへんだけど、生きていること、いっしょにいられること、すべてがしあわせだって思った。


わたしがイライラしたり悲しくならないように【知らないんだ】って思う

だれかの何気ないひとことに、傷ついて、悲しくなって、一日を嫌な気持ちで過ごすより【知らないんだね】の呪文でスルーしてしまおう。

きっとみんな悪意なんてなくって、なんとなく言ってしまったりしてるんだ。
「あ〜、腹立つ」って思ったら【知らないんだ】って思ってみよう。

じぶんがいちばん楽になる呪文だよ。

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