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アイ歌鑑賞46回目&サイダーのように言葉が湧き上がる初鑑賞@早稲田松竹

5月12日…名画座、早稲田松竹さんにて「アイの歌声を聴かせて」&「サイダーのように言葉が湧き上がる」を鑑賞。色々と感動的で、思いの外怪文書が湧き上がってしまったので感想・備忘録・怪文書をこちらに分離いたします。

まずはアイ歌鑑賞46回目@早稲田松竹さん

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はじめましての早稲田松竹さん…渋い外観&作品の告知板。ザ・昭和というか、モロに自分が子供の時に行っていた映画館そのまんまの雰囲気。

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「豪華ラインアップ」「13日マデ」…さ、最高だ…。これが令和の世の、山手線駅から徒歩10分の映画館とは。改めて東京、恐るべし。

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入場前のこの雰囲気…子供の頃、地元のこんな感じの映画館に「東映まんがまつり」「どらはっぱー」とか観に連れていってもらっていたなあ、なんてノスタルジーに包まれて、映画鑑賞前からおセンチな気分に。

でも、だから…正直に申しますと、映像とか音響とかは「まあまあまあ」って感じなのかなあ、なんて思ってました。が、しかし…!

シアターに入ると、スクリーンは席数に対して大きいし(ちょっと見上げる位置にあるのがまた懐かしい感じ)、椅子は新調されていて座り心地は良いし、これは良いのでは?! 席数153席とミニシアターとしてはなかなかの数、広さ。ここが初日満席になったのって凄くない?!

テンションが上がったところで上映開始。冒頭のオケ劇伴が流れた瞬間…「めっちゃいいじゃん!」 圧を感じる迫力、ぼやけた感じの無いしっかりとした音、なにより音量が凄い! 音が割れない、耳に刺さらないギリギリを狙っている感がありありと…静寂はしっかりと静寂だから、冒頭の教室やユーニード~の歌い出しは息を呑む美しさ。

早稲田松竹さん、しっかりと作品を観て、そしてこれまでの評判を研究して調整をされたのだなあ、というのが伝わって本当に感動しました。

こういうミニシアターはまあこういう感じだよね、みたいな先入観を持っていた事を大反省…アイ歌には本当にたくさんの事を教えてもらっています。

ちなみに、この日の早稲田松竹さんは結構なお客さんの入り。笑い声から初見の方も多そうだったし、ご年配のご夫婦や女性グループの方など客層も広め。いいわいいわ~♪

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そしてアイ歌の前には「サイダーのように言葉が湧き上がる」初鑑賞!

気にはなっていたものの、機会が無く未鑑賞であった本作。ほぼ予備知識は無し。今回、アイ歌と同時上映という事で初鑑賞となりました。こういう1本分のチケットで同時上映の2作を観れる(全席自由席)ってスタイル、これも子供の時以来。懐かしいなあ…

さて、そのサイダー~ですが…めっちゃ素敵な映画でした!

何の情報も持たずの初見なのもあって「ん?」という部分や、個人的に気になる所もあるにはありましたが、本当に心が温まる、素敵な余韻が残る作品でした。以下ちょっとネタバレ…

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物語のメインは主人公であるチェリーとスマイルのお話ですが、個人的にはフジヤマさんのエピソードにぐっと来ました。フジヤマさんの大切なレコード…これを再生して流れた曲、思い出の映像。自分、こういうのに弱いのです…。本作も曲が大切な要素であり、音響を大切にされている早稲田松竹さんで本作を初鑑賞できたのは幸運な事でした。

フジヤマさんのレコードは、ネット検索でも出てこないし、モールのデイケアセンターの皆さんも知らなかったし、だから恐らくセールス的にはかなり少なかったのかなあと思われますが、それでもレコードとその中の音楽はフジヤマさんの人生にずっと寄り添い、数十年の時を超えてチェリーやスマイルの人生を大きく変える事になった…

これが「フライングドッグ」の10周年記念作品、というのが本当に素敵だなあと思いました。実際には音楽もセールスが無いとやっていけないけど、でも1曲の、1枚のレコードの大切さを描いたこの作品を世に出した「フライングドッグ」さんに感謝と敬意を!です。

で、個人的にはですが…今作が今になって初鑑賞になったのって「気にはなってたけどなんとなく機会がなくて」だったのですが、他にも

「監督さんの他作品にあまりなじみがない」「ポスターのキービジュアルが必ずしも自分の好みの画調じゃないかも」「メインキャラは俳優さん…すみません、あまり個人的にはなじみがないです…」

みたいな要素が色々とありまして。でも、これって「アイ歌」公開当初のアニメファンの反応と似てるんじゃないかなあ、との思いがよぎってしまって…。正直、自分も「パテマ」を観ていなかったら、吉浦監督を知らなかったらアイ歌も「なんとなく気になってるけど、なんとなく機会が無くて~」で終わっていたかもしれない。佐渡島に行く事もなく、ガシマシネマさんやヱビスシネマさんも知らず、ユーニード~もYou've got~も知らず…それは今の自分には想像もできないし、とんでもない人生の損失であると言える訳で…

「なんとなく」で得られるはずであった人生の糧を逃していたかもしれない、その事を超大反省する鑑賞となりました…

あと、やっぱ宣伝って難しいんだなあと思いました。冒頭、松竹のロゴが出た時点で正直あっ…てなりました(汗 松竹さん、本作といいアイ歌といいアニメに力を入れていて、本当に良い作品を配給しているのに、質実剛健すぎるというか、イメージ戦略が不器用というか…

本来我々観客が興行収入とか動員数とかを気にするのは…だけど、実際問題集客が無いと上映期間や視聴環境に直結してしまう訳ですし。ちょっと調べた限りでは、サイダー~の興行収入は良くわからず、という事はあまり華やかな数字ではなさそう。アイ歌だって、あれほどの作品なのに、大股開きで100万歩譲っても興行収入が一桁足りないと思う…その事に一ファンとしてもどかしい思いでいる訳だけど、ではサイダー~の時の自分は?となって、脳内大反省会と相成りました。

という訳で、今回の早稲田松竹さんでの鑑賞は自分にとってちょっと特別なものとなりました。今回学んだ事は「食わず嫌いはダメね」って事です。これから夏~秋にかけて劇場オリジナルアニメ作品の公開が続きます。もちろん時間的、予算的な制約はありますが、ひとつでも多くの作品に触れよう…と思いました。

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サイダー~のパンフを買おうとしたら痛恨の完売。まあ、観た人全員買うよね…ってか、このデザイン!! 思わずうるっと&こりゃ全員絶対買うでしょ!

という訳でおしまい。ここまで読んでいただいた方(いるかな?)ありがとうございました!