<あざとさ>について感じること(今世間を騒がせているあのことについて)

少し落ち着いてきたかな。既に沢山の人がバッシングしているし、下世話な話だと思ったけど、この件で随分と心がざわついたから書く。

不倫騒動、あのカップルにもそこまで関心がなかったし、あの女優もこの騒動で知ったくらいなのに、どうしてこんなに気になってしまうのか。まず、あの俳優が一番罪深いという前提ではあるが、<あざとさ>については思うところがある。

主観だが、どちらかというと男性は女性よりかは精神的に弱く(心の拠り所を自分以外の何かに求めてしまう)、基本的に女性よりも性欲強いことが多いと感じる。このことは、いくら若くても、生まれてから20何年間も女子歴があるなら、本能的に分かったりするんだ。年の差は、経験や物の考え方でカバーできることもあるが、性差は根本的な違いがある以上埋められないものだ。その分、年齢差よりも性差の方が大きな差だ。だから、今回女性の方が、上手く立ち回らなかったから、問題を助長させたのではないかとも思ってしまう。男性にはなかなか理解しがたい感覚かも知れないが。

女性は、他の女の<あざとさ>に敏感だ。今回、どこがどのように、あざとかったのかは敢えて書かないが、それぞれがそれぞれの感性で感じた部分があるはず。なんでこんなに嫌な感情になるのか。それは、女性が過去に自分以外の女の<あざとさ>で、傷ついた経験があるからではないのか。

私が一番最初に、女の<あざとさ>で傷ついたのは幼稚園の頃だ。その頃私は、翼くん(仮名)という男の子を好きになった。初恋だ。翼くんは、サッカー少年で、幼稚園児ながら茶髪に染めて少しやんちゃな印象の子だった。他の子とは違って見えたせいか、他の女の子にも人気があった。

幼稚園の中で、私はミホちゃん(仮名)と仲良しで、いつも一緒にいた。フリフリのスカートを履いて、可愛いリボンをつけて、ちょっと鼻にかかった可愛い声、華奢でちょっとか弱い印象のミホちゃん。ミホちゃんは、顔も可愛いかった。女の子を絵に描いたような子だった。

そんなミホちゃんは、男の子からの人気が高かった。翼くんは、しょっちゅうミホちゃんにちょっかいを出していた。それなのに、ちょっかいを出されたミホちゃんはまんざらでもなく嬉しそう。ミホちゃんも、たまに翼くんにちょっかいを出してるのは知ってる。言うなれば、翼くんはミホちゃんの思い通りになってることにも感づいていた。

私と遊んでいたはずのミホちゃんは、いつの間にか、翼くんと追いかけっこを始めていなくなってしまった。帰ってきたミホちゃんは、『つーちゃん、意地悪でやだよね』と言った。言葉とは裏腹に、ミホちゃんは嬉しそうだった。私は羨ましかった。

当時、『好き』という感情が、恥ずかしいものに思えて、話したいのに話しかけられない、どうしていいかわからない、そんな状態が続いていて子供ながらに苦しかった。いつもミホちゃんの隣にいるはずの私には、翼くんは見向きもしなかった。私もミホちゃんになりたかったけど、できなかった。これは、初めて恋愛で心がチクチクするような経験だったと思う。

先日、実家に帰った時に、幼稚園時代に撮った誰かのお誕生日パーティーでの写真を見る機会があったのだが、私とミホちゃんの本質的な違いをみた気がして驚いた。カメラを前に、緊張して気をつけをして仏頂面の私の横には、ニコニコ笑顔で人差し指をほっぺに当てて顔を横に傾けて、『可愛い』ポーズをとって写っているミホちゃん。その頃から、ミホちゃんは『女』だったんだ。

大人になってからは、これ以上に<進化したあざとさ>に傷ついた経験はたくさんあるが、それは今回は書かないで置こう。(笑)

<あざとさ>は、誰かを直接傷つけている訳ではなく、暴力的な行為ではない。男性は、健気で可愛い印象以上の何かを感じとることは少ないかもしれない。本人からすると自分を素直に表現する、自分に対して愛ある行動なのかもしれない。(<あざとさ>によって引き起こされる事態で、誰かを傷つけてしまえば一転して悪となる。今回の騒動はこれに当てはまってしまったように思うが。。。)

<あざとさ>は、基本的は悪いことではない。だけど、やっぱり鼻についてしまう。きっと私は羨ましいんだろうな。『女』である自分を表現することが悪のように思えて、勝手にセーブしてしまっているのだから。あざとい、という形容詞には、以下(※)のように、思慮が浅い、といった意味もあることを今回初めて知った。

私がこれから目指すところは、あざとい、という言葉から『思慮が浅い』という意味だけを抜いた、新たしい形容詞に見合う感覚を模索していくことだ。それによって、このモヤモヤとした感情が成仏してくれてる気がするのだ。人間であり、女性でもある自分という人間を、素直に表現していける未来に期待したい。

※あざとい(形容詞):①抜け目がなく貪欲である ②小利口だ。思慮が浅い。weblio辞書より

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