自愛

髪を切って染めた。ずっとしたかったインナーカラーってやつ。鏡を見るたびにテンションが上がるし、面倒でしかなかった朝のヘアセットもめちゃくちゃ楽しい。髪の色が違うだけで印象も気持ちもこうもガラッと変わるのか〜、となんだか不思議な気持ち。中身は1ミリも変わっていないのに、髪を染める前と後では見える世界が違う。世界が私を見る目も少し違う。ような気がする(おそらくこれは自意識過剰)。

ネイルもしてみた。セルフだしムラになってしまったけど、これもなんだかテンションが上がる。料理するときに気になるからすぐ落とすけれど。

お洒落女子が言う、「お洒落は自分のためにするもの」という言葉の意味がようやく分かった。某化粧品メーカーの「女の子ってホント楽しい!」のキャッチコピーも今なら同意する。以前は、女性は女性なだけでやたらと気を使うしお金がかかるし月イチで激痛と出血と情緒不安定だしで良い事なんて無いと思っていたけれど、やらないといけないこと、から、楽しいことだと思えるようになったことで、女性の自分も悪くないと思った。

自分を少しだけ丁寧に扱うようにしてみただけでなんだか幸福度が爆上がりした。凄い。

身なりに気をつかうことを面倒くさく感じる自分もまだ存在する。女性は生まれながらにツルツルすべすべもちもちなお肌でいい匂いがするなんて幻想を生み出したのはどこのどいつだ百発殴らせろ、とも思う。余裕が無い時は特に。

けど、心と時間に余裕があるときだけで良いから、これからもほんの少しだけ自分に丁寧に接してみようと思った。

自分を大事にすることって結構難しい。自分ならどんなに擦り切れたって誰の迷惑にもならないと思ってしまうから、まず消費するなら自分だし、手抜きするのも自分から。人を大切にできる人になりたいと思えば思うほど、自分のことは後回しにしてしまう(もちろんこんな綺麗な理由だけじゃないし面倒くさいのも大きな理由のひとつ)。でも、私が大事にしてあげなかったら、誰が私を大事にしてくれるというんだろう。

価値って、大勢が「価値がある」と認めることで生まれるのだと思う。誰も見向きしなければダイヤモンドはただのやたら硬い石だし、どんなに有名デザイナーが試行錯誤して作り上げた服でも、買い手に刺さらなければ売り残って在庫処分セールに回される。私が大事にしない私は、大事にしなくて良い人だと思われても仕方なくなってしまう。大事にされたいならまずは私が私を大事にするべきだ。

元恋人と付き合っていた時も、きっと私はそこを間違えていた。私自身の気持ちを私がいちばん蔑ろにしていた。そりゃあ元恋人も私と私の気持ちを大事にしないわけだ。

自分を愛している人はとても格好いいし可愛いと思う。顔かたちの話ではなくて、態度とか雰囲気が。私は私のままで唯一無二の最高の存在だと心から信じているんだろう。僻む気持ちの方が強かったけど、最近は素直に羨ましいと思う。私もそうやって自分を信じてあげたい。

承認欲求だって、満たされていたら沸かない欲求なんじゃないかな。だって他人に何度いいねと言われるより自分ひとりが全力でいいね!と思っている方がたぶん強い。自分を大事にしていたら、他人の意見よりまず自分の意見を尊重するはず。だからきっと、私のように自分を愛せていない人は沢山いて、自分の代わりに自分を愛してくれる人を探しているんだろう。承認欲求が強すぎる人はまずは自分で自分を認めてあげてみると良いかもしれない。素敵だと思ったことを少しずつ自分に取り入れて、そこを入り口に少しずつ自分を認めて、素敵だと思うところを増やして、いつかありのままの自分を愛してあげたい。

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