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RIE

NABOWA
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※試聴版。オリジナル版(05:13)は購入後に視聴可能。

Hiraku’s Mind revelation Vol.3

「職務質問」


「ノコギリ…木を切るための物です!」



これは実際、お巡りさんの質問に対して
僕が言った言葉です。




切り取ってみたら
マジ何の話??って感じですよね。




というわけで。
今日は職務質問の話を。




僕は数年前までドレッドでした。


10年くらいその髪型だったので、
髪を切った時からしばらくは


「ナボワのヒラクです」


と言わないとわかってもらえず
ああ、人って人間を雰囲気とか
シルエットでとらえるんだなぁと


そう思ったものです。



さて。



「人は人をシルエットと雰囲気で見る」



というのは、
多分ほとんどの人がそうなんでしょう。



お巡りさんたちもそうだったようで
当時はたまに職務質問に遭ったものです。


「怪しい」


そう思われたんですかね。
ドレッド等の個性的な髪型の人は
何かあるだろうと。


「とりあえず声、かけてみっか!」


お巡りさんはそう思ったわけです。


読者の皆様はご経験が無いと思いますが
職務質問は急にやってきます。


そして、職務質問は…


非常に不可解な時間です。




エピソード1


「名古屋で車をとめられる」


その時は突然訪れました。


「あぁーーーぁーーーーーーーー!………」



1発だけ鳴るサイレンの音の擬音語って
↑みたいな感じ。


信号、守ってる。
スピード、出てない。
スマホ、見てない。
シートベルト、してる。


なになになになに??
警察に止められて窓開けるまでの時間、
マジで嫌ですよね。
心の底から身に覚えがないので
なおさらそう思ったんですよ。


警察官
「お忙しいところすみません。
 お兄さん、ナンバーどうしました?」



ナンバー???



全く身に覚えがない。
他府県ナンバーではあるけど…


警察官

「封印、何で無いんですか?」


僕は「封印」という言葉を初めて知った。


ナンバープレートには
封印と呼ばれるパーツが付けられている。
そしてそれは付けなければならない物。


が、なぜかその時僕の車のそれが
付けられてなかった。
今考えてもなぜだかわからない。



警察官
「一応、お荷物見せていただいても?」



僕は素直に従った。



警察官
「お仕事は何を?」



「ミュージシャンです」



警察官
「これ、何ですか?」(ギタースタンド持ってる)



「ギタースタンドです。」



警察官
「何をする物ですか?」




「え…?ギタースタンド知らないんすか?」



警察官
「何をする物ですか!?」(少し口調強い)




「ギターを…立てる為の物です。」



警察官
「なぜギターを立てるんですか?」




「え、ギターずっと持っとけへんし…」



もうこの時点でやり取りが普通じゃない。



警察官
「これは?」(ガムテープ持ってる)



「ガムテープです。」



警察官
「音楽にガムテープ使うんですか?」




「いや、音楽関係なく固定したい時
普通に使うでしょ。」


警察官
「何を固定するんですか!」



「んーーー、物販の値札とか…??」


マジで何の話をしてるんだ。
何の時間なんだコレ。


ガムテープの使用用途…??
多過ぎて答えられないっすよ。
この人ガムテープの便利さ知らんのかな?


とか何とか言ってるうちに


警察官
「気をつけて帰ってください!」


ですと。



「あ、いや、あの、封印は…??」


警察官
「陸運局とか行けばつけてもらえるんで

つけてもらってください。決まりなんで。」



「え、今つけてくれないんすか?

じゃあ帰りにまたら止められたら

僕どうしたらいいんすか??」


警察官
「いや、それは警官の指示に従って頂いて…」


今も警官の指示に従ってるんやけど…
マジでよくわからないけど僕は帰された。


パトカーには2人乗ってるんだなー
と、一つ学んだ。

それがなぜなのかは、エピソード2へ。



エピソード2

「休みじゃねえって言ってんだろ」



朝陽を映像に収めよう!!


と、僕は深夜から琵琶湖の近く、
朝陽がよく見える場所に車をとめた。


iPhoneのタイムラプス機能が出始めで
それを作品のヒントにしようと
色々撮りまくってた時期だった。


最初に書いとくけど
こういうのも、仕事です。


辺りが淡い光に包まれ始めた頃
赤色の点滅が視界に飛び込んできた。


僕の車の後ろにパトカーが。


警官がバッと出てきた。


警察官
「すみません、大丈夫ですか?」



「え???何がですか?」


警察官
「ずっとここにいるので大丈夫かなと」



「いや、大丈夫…ですけど?」


警察官
「何をしてらっしゃったんですか?」



「朝陽撮ろうと思って、これも仕事で。」


警察官
「少しお話いいですか?」



「いや、話聞いてました?
 今まさに朝陽がでてくるとこで」


警察官
「ちょっとだけ!車降りていただけませんか」



「えええ…」


警察官
「お仕事は何を?」



「ミュージシャンです。」


警察官
「へえ!有名な方ですか?」



「あなたが知らない時点で有名じゃないでしょ。」


警察官
「ははは」



ここで気がついた。
二人組のもう1人の方が
僕の挙動をずーーーっと見てる。


ってか睨んでる。
コワイ。



なるほど、1人が柔和に話して
もう1人がギラっと見てる。


2人でチーム。
役割が違うんだなー。


警察官1(アメ担当)
「ミュージシャンがなぜ朝陽を?」



「その説明めっちゃ難しいですが
 これも仕事で。」


警察官2(ムチ担当)
「何の仕事なんですか?」



「いや、ミュージシャン…」


警察官2
「なぜミュージシャンが朝陽を撮る必要が?」



「いや、なんていうか、綺麗だし…」


警察官1
「いやいや、お休みのところすみません!」



「いや、仕事なんすけど」


警察官2
「クスリとかそういうのじゃないですよね?」



「いや、当たり前じゃないすか」


警察官1
「すみません、お休みのところ…」



「いや、仕事…」


なんでしょうか、
このやりとりは。
一から説明しても
わかってもらえなさそうだし
僕はどうすりゃいいんだ。


そうこうしてると、


警察官1、2
「お休みのところすみませんでした!!」


と、去っていった。



「いや、だから、仕事…」


という僕の言葉が届いたかどうかはわからない。



ここまでの二件。
僕は警察官からの質問に
ちゃんと答えられていたか?
ちゃんと答えられてないから
変な感じになっちゃったのかな?


と、反省して次回がもしあれば
もっと芯を食った答えを言おうと
そう心に誓った。





エピソード3

「そのままでは長過ぎるからです」



その日僕は車で来たのに一杯飲んだ。
飲んでしまった。


しょうがないので車で寝てから帰ろうと
そう思ってシートをリクライニングさせ
疲れもあってすぐに寝た。


気付くと何かコンコン音がする。


身の危険を感じて目を開けると
2人の男が運転席を覗き込んでる。


警察官だった。
確か午前2時頃、
眠ってから4時間くらい経ってたかな。


警察官1(今回のもアメ担当)
「お休みのところすみません、大丈夫ですか?」



「いや、まさにお休み中ですよ。何なんすか」


警察官2(今回のもムチ担当)
「なぜここで寝てるんですか」



「いや、一杯飲んじゃったんで
 寝てから帰ろうかと」


警察官1
「えらいですねー!!!」



「いや、飲酒運転になっちゃうから」


警察官2
「お荷物拝見しても??」



「えええ、めっちゃ眠いんで…」


警察官2
「ご協力いただけないんですか?」



「いや、もうその言い方…もういいですけど」


寝てたところを叩き起こされ
無礼な態度な警官2に、
僕は少し腹が立っていた。

思わず「任意」をググってしまったほど。 


僕の車を物色する警官1、2。


とにかく眠いから早く終わってほしい。


しかしその日、
僕はたまたま車に工具を積んでいた。


警察官1
「お仕事は何を?」



「ミュージシャンを」


警察官1
「へえ!有名な方なんですか?」



「いや、有名だったら知ってるんじゃないすか」



と、まぁ、3回目ともなると
慣れた感じでアメ役とやり取りをしてると
ムチ役が「とったどーー!!!」的な
何かそういうテンションで


警察官2
「コレ、何ですか!?」


と、ノコギリを発見して持ってきた。


さぁ、はじまった。
今度は失敗しねえぞ。
コア中のコアを射抜く返答をして
さっさと終わらせるんだ!
そしてさっさと寝るんだ!

そう思って質問の全てに
最もコアの部分を端的に答えた。



「ノコギリです」


警察官1
「なんでミュージシャンがノコギリを?」



「ノコギリ…木を切るためです!

ノコギリはそういう物です。」


警察官2
「いや、なぜ木を切る必要が?」



「そのままでは、長過ぎるからです!」



我ながら、これ以上の答えがあろうかと
そう思った。


木工ノコギリは
木を切るためだけに存在してる。


木を切る理由なんて
「長過ぎるから」意外に存在しない。


これ以上、何を答えよと??


しかし何だかそういう空気ではなかった。
返答が芯を食い過ぎたようだ。


警察官1
「なぜミュージシャンが木を切るんですか」



「そのままでは、長過ぎるからです」
まさかこのセリフ2回目があるなんて。



完璧な答えだと思うけど
なんなんだこのやり取りは。


しかし何故か帰ってくれなくて
よく覚えてないけど、
そんなやり取りが20分ほど続いた。


そうこうしてると


警察官1、2
「お休みのところすみませんでしたー」


と、去っていった。


いや、ほんまによ。
せっかく寝てたのに。



ってかマジで会話が滑稽すぎんか。


今になって思えば

質問にちゃんと答えられるかどうか
というのを見てたという事かな?

と、思ったりするけど
それにしてもやり取りがアホらしい。



今度はどんな職質パターンあるかな
次に備えている間に

僕は髪を切り、世間はコロナ禍に。


ここしばらく職質にはあってないけど
僕は何と答えればよかったんだろうと

最近ふと思い出すのです。

今度はもっと上手くやろう。
と思ってたらその今度が永久にこなさそう。
不思議な切なさが残ります。



というわけで、今回の曲は
「RIE」

ぜひ聴いてください!

次回のHiraku’s Mind revelationは

「麻婆豆腐と僕」

です。乞うご期待!

8月のNABOWAはライブがありません!
9月の繁忙期に備えてリハをやってます。

メンバーソロの活動は

バイオリン担当 山本啓
8/5
「HIRAKU YAMAMOTO SOLO LIVE」
Cafe&Bar Maru 恵花(京都、木屋町四条下ル)


8/6
「飽和する音楽」
晴れたら空に豆まいて(東京代官山)
※naomi paris tokyoでの演奏です。

8/19
豊国神社夏祭
豊国神社(京都 国立博物館北隣)

8/20
「びわ湖市場」
Len(京都 河原町五条上ル)
※朝8時からのアンビエントロングセット

8/29
「スピーカーから音を出す方法」
ながらの座座(滋賀 三井寺近く)
※ライブではなく音響講座です。

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