空を見上げて 3話
入学式翌日の昼休み。○○と涼は外でキャッチボールをしてた。教室から近い事もあり、立ち入り禁止の教員用の駐車場でキャッチボールをしていた。
○○:やっぱり野球はいいねー!
涼:ここでやって大丈夫か?誰か来たら怒られそうだけど。
涼の不安は的中した。
先生:おーいお前らここで何している。
生徒指導の峯岸先生がやってきた。
涼:すいません。キャッチボールをしてました。
峯岸:お前らは1年だな。ここは駐車場だぞ。後ろに逸らして車にボール当てたらどうなるか分かってるのか。さっさと教室に戻れ、どうせ遊び半分でやってるんだろ。
この言葉に○○は。
○○:確かにここでやってた俺たちも悪いですけど、今の言葉は聞き捨てならねえ。俺たちは野球に真剣に向き合ってきたんだよ。
涼:おい、○○。
峯岸:ほー、威勢だけはいいな。
○○:先生、俺と勝負しませんか。それで俺たちがどれだけ真剣かを見せてやるよ。
峯岸:ほー、いいだろう。なら校庭に来い。
峯岸はもともと負けず嫌いな性格だ。生徒に舐められることは彼にとって屈辱的だ。○○の挑発に乗ってしまった。
涼:おい、ヤバいだろ。今のうちに謝っておこうぜ。
○○:あんなこと言われて黙ってられるか。
○○な性格をよく知っている涼は止めることが出来なかった。
校庭に移動した○○達。新入生と生徒指導の峯岸のトラブルは、すぐに生徒達の耳に入りいつの間にかギャラリーも多くなっていた。
怜馬:入学してすぐに問題をおこしたのかよ。
渉:まあ、○○達らしいけどね笑
咲月:何やってんだ。○○のやつ。
和:相変わらずだね。
史緒里:○○〜ねじ伏せろー負けるんじゃないわよ〜。
咲月:史緒里さん、いつの間に。
和:この人誰?
咲月:久保史緒里さん。○○のお姉さんだよ!
和:そうなんだ。井上和です。宜しくお願いします!
史緒里:宜しくね和ちゃん!さあ〜、咲月ちゃんに和ちゃん!一緒に○○を応援するわよ!
咲月:はい!○○!頑張れ!
和:頑張れ〜
峯岸:久保。どんな対決にする?お前が決めろ。
○○:そうっすね。1打席真剣勝負でどうですか?。
峯岸:いいだろう。俺は昔に野球をやってたからな。(所詮は高1のボールだからな。)
峯岸はこの学校の体育教師で野球の経験もある為○○を舐めていた。
○○:あ、そうだ。
峯岸:??
○○:先生にハンデあげますよ。俺の球を前に飛ばせたら先生の勝ちでいいですよ。
峯岸:ほー、大した自信じゃないか。後悔しても知らないぞ。
和:え?てことは、当てたらその時点で先生が勝つって事?○○達に不利すぎるよね?
しかし、咲月と史緒里は
史緒里:和ちゃんは○○の野球している所見た事ないんだよね?見ればわかるよ。ね、咲月ちゃん。
咲月:はい!
和:えー。
この時は咲月と史緒里以外は峯岸が勝つと思っていただろう。○○のボールを見るまでは。
○○じゃあ始めますか。おらー!
対決が始まった。ワインドアップから放たれたボールは、
パーン!
一同:え?
涼:ストライクですね。
この1球に誰もが言葉を失った。それもそのはずだ。○○の左腕から放たれた1球はとてつもない豪速球だったのだ。
峯岸:なんだ今のは?バットを振る事ができなかった。
○○:先生、ワンストライクですよ。
峯岸:くそ。あと2球ある。
しかし、2球目に投げられたボールに対しても峯岸はバットを振る事すら出来なかった。
和:すごい、○○ってあんな速いボール投げられるんだ。
咲月:うん、中学の時点で140キロは出してたからね。
史緒里:○○はいろんな強豪校からオファーを受けてたからね。あんな数年の経験しかない人に打たれるわけないのよ。
そして3球目
○○:おらー!
峯岸:くそ、
フルスイングをした峯岸のバットがボールに当たる事はなかった。
涼:ストライクでバッターアウトです。
○○:勝負は俺たちの勝ちで。じゃあ教室に戻りまーす。
プライドをへし折られた峯岸に言い返す気力は残っていなかった。
教室に戻った後。
真夏:あんた達ね。
○○、涼:すいませんでした。
真夏先生によるお説教を受けるのでした。
そして放課後に○○達は野球部のグラウンドにいた。
??:集まってくれてありがとう。3年でチームのキャプテン水口隼人だ。宜しく!
野球部の部活動見学に集まったのは○○達4人とマネージャー希望の咲月だけだった。
○○達:よろしくお願いします!
宮城坂道高校野球部は、3年生2人、2年生8人(そのうち1人はマネージャーの史緒里)と人数がギリギリだった。
水口:とりあえず、1年生の実力を見せてもらおうかな。準備して!マネージャー希望の子は久保に見てもらう。
史緒里:はーい!咲月ちゃんおいで!
咲月:はい!
??:おーちゃんとやってるね!
水口:あの、あなたは?
??:そうか、みんなに会うのは初めてだもんね。今年から野球部の監督になりました、鈴木絢音です。
次回。○○以外のメンバーの実力が明らかに。そして鈴木監督率いる宮城坂道高校野球部始動!
続く。
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