夢のまにまに

昔、隣県の山中にある自車校に免許取りに行ったんすよ。
もうすっごい山の中。道路に自分以外の車走ってないから練習もクソもない。めっちゃ自由。貸し切りか?みたいな。車よりその辺の木に留まってる鳶とかフクロウ数えた方がぜったい多いわ~的な。
合宿だったんですけど、合宿所と教習所がガッタガタの道1時間くらい走る遠さで意味わからなかった。なんでそんなとこ泊まるんだよ。そんな環境は当然娯楽とかないので、合宿行く前、携帯にひたすら音楽詰め込んでったんですよね。
その詰め込んだアルバムの1つが「夢のまにまに」でした。これはアルバムの名前の方。
当時は311から時間が経っていなかったので(東北の民です)、合宿所と教習所を行き来する車中で流れているラジオはえっらい暗い話題ばかりだし、今日の放射線量は…って天気みたく当たり前のように放送するし。そういうのマジで嫌で、全部シャットアウトしたくて、音楽をずっと聴いてました。
ほかにもいろんなアルバム入れてったので、夢のまにまににたどり着いたのは数日たってからだったんですが、あれは夕方の6時くらい、教習終わって合宿所に帰る方の車中。外がもう真っ暗で、窓際の席に座ってたときだったと思います。
アルバム流し聴いて、表題曲に入った瞬間。イントロがぽわぽわさんっぽくないぞ?って。
ぽわぽわさんの曲とても好きで、PIAPROに上がってる曲も網羅してた自信があったんですが、知らない音だと思いました。なんていうかあんま可愛くない。なんだか妙に冷静だった。だから、ほかの曲よりちょっと耳が惹かれたんだと思います。
こんな曲も作れるんか~って聴いてたら、ラスサビ前。これから盛り上がるぜ~!って少し大人しくなるところ。
音がわたしの頭の周りを旋回してる。ぐるぐるしてる。なにこれ。なんだこれ!?
こんなん作れんの!?どうやって!?だってこれ音、音の玉が浮いて回ってるじゃん、しらない!初めて聴いた、こんな音あるの!?
すっごいドキドキして、あそこもっかい聴きたい!って、アルバムの途中だけどこの1曲だけずっと繰り返してました。
そうして繰り返すとおのずと歌詞が入ってくるわけで、そっちももう~~~好きで、やっぱりぽわさんぽくなかった。聴けば聴くほど組み込まれた別の音が耳に入ってくる。どんどん好きになる。1時間の移動が短いって感じるほどに、何度も聴きました。自車校終わってからも聴いてましたし今も聴いてます。
ぽわさんを初めて知ったとき、「私はこんな音楽をずっと探していたんだ」って感動したんですよ。また教えてくれたって思いました。
嬉しいし感動で鳥肌わっさわっさだけど、静まり返った車中なんで息を殺すしかなくて、でもそうやって抑圧したきもちの方が私は残るので、今でもよく覚えてます。もう○○年前のことなのにね。
あのときあの環境で、同じように衝撃を受けた音楽はほかにもいくつかありまして、夢のまにまにはあくまでその1つなんですが。
マイナスの感情よりプラスの感情の方が大きいんです。初めて知った音楽への感動とか、新しく見つけた“好き”って本当に大きくて、嫌なことあっても、心がしんどい環境でも助けてくれます。助けてくれました。
ごちゃごちゃ考えたこともたくさんあったし、そっちも覚えているけれど、それ以上に、あのときはあの曲と出会ったんだよな~って記憶の方が濃いし当然上位にあります。思い返して出てくるのは、上記に書いた夢のまにまにの旋回する音にめっちゃびっくりした記憶なんです。引きずられてあのラジオとかあの空気とかも出てきはしますが、そんなのは音楽を好きになったきっかけのスパイスですよね。すこぶるありがたい~~~~
自分の人生と切っても切り離せない、自分の人生のサントラと化してる曲ありませんか?そういうやつです。大好きだし、大好きだけでは言い切れない感情がたくさんある。
その後、動画が投稿されたと思ったらMVが84yenさんでもっと好きになりました。映像、虫とかは全然イメージになかったから、ギャップ萌えじゃないけど、やっぱりだから、どんどん好きになりました。
今聴いても「は?神」ってなるので、これからもずっと飽きることが出来ずに、惚れ直しながら生きてくんだろうな~って思います。なんて幸せな野郎だ…と笑ってください。

音楽的な紹介?そういうのよくわかんなーい!わかんなくても好きになるし好きでいられるし、好きってことは言えるよ。

終わり~~~~!