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MFICU 10-13日目

入院から10-12日目の尿蛋白量が右肩上がりの数値。
医師「腎臓の限界がきてます。お母さんを透析患者にする訳にもいかないから。今週、赤ちゃんにお顔見せてもらいましょう。」
1ヶ月くらい粘れないかなと思ってたけど、全然無理だった。
ミラー症候群というやつだった。
今見返すと本当にすごいお腹をしていて・・・
未だ30週なのに臨月よりもお腹が膨れていた。

帝王切開する日が決まり、2日前から胎児の肺成熟を促す為の薬を注射し始めた。つぐへの好影響がありますようにと祈りながら針を見た。

手術日前日のエコー。
心嚢水の再貯留はなし、腹水は多く、つぐのお腹も40週の子より大きい状態だった。ただ、柔らかそうだったので手術前に腹水を抜く処置をすることなく、出産に挑もうと決まった。腹水を抜くことで血圧低下などの循環を狂わせないためにもそうしようと。胸水はやはり全くなく、珍しいケースだとのことだった。
気道が確保できるか、喉の辺りを入念にエコーで確認していた。医師の回答は、全く塞ぎきっている訳ではないが・・・との回答に留まっていた。続けて医師が言う。「心筋がやや厚くなっています。そのおかげで心臓が確り動いているのかもしれない。生きようとしてますよ。強い子ですよ。」心筋が厚くなることでの影響はよく分からなかったが、本来とうの昔に医師が諦めろと言わざるを得ない状況だった我が子は懸命に生きることを選んでくれているということはよく分かった。
愛しくてたまらなかった。

手術前日の夜。
どう過ごしたかほとんど覚えていない。
記録も大して多くない。
ただ、最後に「助かれ」と書き記してあった。

明日になれば会える喜びよりも、この穏やかな非日常が奪われる怖さが勝っていた。私の身体が壊れても、命を失っても、子どもを守ってやりたいのに、ベッドで静かに明日を待つことしかできない無力さに涙するしかなかった。


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