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一級建築士 構造計画

どうも、ぬおです!今回は、一級建築士の計画の過去問を学習していきたいと思います!YouTubeでも、一級建築士の過去問を投稿しているので、ぜひ、チェックしていってください!!

問題1
全長が長い開放型の鉄骨架構であったので、温度変化による伸縮を検討し、架構の中間にエキスパンションジョイントを設けた。 〇
解説
全長が長い開放型の建築物は、温度変化による伸縮量が大きくなるため、架構の中間にエキスパンションジョイントを設けることは有効である。
エキスパンションジョイント (Expansion joint)とは、異なる構造種別や不整形の建築物を分割して、破壊的な力がかからないようにする継ぎ目のことである。
問題2
平面が不整形な建築物をエキスパンションジョイントを用いて整形な建築物に分割すると、一般に、構造体の地震時の挙動が明確になるが、温度応力やコンクリートの乾燥収縮に対しては、不利になる。 ×
解説
建築物をエキスパンションジョイントによって整形な建築物に分割することで、地震時の挙動が明確になり、温度応力やコンクリートの乾燥収縮にも対応できるため、有効な手法である。
不整形のほか長い平面型では、温度応力や乾燥収縮による変形やひび割れが生じやすいが、エキスパンションジョイントによってブロックに分けることで、それらを防止できる。
問題3
大きいスパンの建築物において、柱を鉄筋コンクリート構造、梁を鉄骨構造としてもよいが、異種構造の部材間における応力の伝達を考慮して設計する必要がある。 〇
解説
大きいスパンの建築物では、柱を鉄筋コンクリート構造、梁を鉄骨構造としてもよい。このような場合、異種構造の部材間などで応力の伝達や剛性の違いに十分考慮する必要がある。
一つの建築物に、鉄筋コンクリート構造と鉄骨構造など異種構造を併用することができる。
異種構造の部材間で、剛性や耐力の連続性、応力の伝達を考慮する。
問題4
1階をピロティとしたので、地震時に1階に応力が集中しないように、 1階の水平剛性を小さくした。 ×
解説
ピロティ形式の建築物では、ピロティ階の剛性率が小さくなり、地震時に1階に応力が集中して層崩壊の恐れがある。そのため、 1階の水平剛性を大きくする必要がある。
ピロティは、フランス語で「杭」の意味で、柱を残して外部空間とした形式である。
ピロティ階は、剛性が小さく変形が集中しやすいため、強度と靭性を確保する。
問題5
細長い平面形状の建築物としたので、地震時に床スラブに生じる応力が過大にならないように、張り間方向の耐力壁を外側のみに集中させず均等に配置した。 〇
解説
細長い平面形状の建築物では、耐力壁を張り間方向の外側のみに集中させると、地震時に床スラブに生じる応力が過大になるため、中間にも均等に配置することが必要である。
水平力に対して、床、壁、柱が一体となって抵抗するため緊結し、床スラブの面内剛性と強度を十分に確保する。
問題6
平面形状が細長い建築物において、短辺方向の両妻面のみに耐力壁が配置されていたので、剛床仮定に基づいた解析に加えて、床の変形も考慮した解析も行った。 〇
解説
建築物では、床の水平力の影響を受けるため、剛床仮定に基づいた解析だけでなく、床の変形も考慮した解析も必要である。
「剛床仮定」とは、風や地震など水平荷重に対し、無限の剛性と耐力を持ち、床が絶対に水平方向に変形しないと仮定することである。
問題7
地震時に建築物に生じるねじれを抑制するためには、重心と剛心の位置が変わらない限り、耐力壁等の耐震要素を建築物の外周部に分散して配置するより、同量の耐震要素を平面の中心部に集中して配置したほうが有効である。 ×
解説
地震時に建築物に生じるねじれを抑制するねじり剛性は、耐震要素が剛心から離れるほど大きくなる。重心と剛心の位置が変わらない場合には、耐震要素を平面の中心部に集中して配置するより、建築物の外周部に分散して配置したほうが、ねじれ抑制に有効である。
ねじり変形は、各階の重心と剛心の距離が離れるほど生じやすい。
重心と剛心の距離を近づけるよう耐震要素(耐力壁など)を配置するが、外周寄りに配置するとねじり抑制に有効である。
 
問題8
耐力壁が偏った配置であり、重心と剛心が離れている場合、床の面内剛性が高い場合においては床面が剛心を中心に回転しやすく、床の面内剛性が低い場合においては床面が変形しやすい。 〇
解説
耐力壁が偏った配置で、重心と剛心が離れており、床の面内剛性が高い場合は、床面が剛心を中心に回転しやすい。また、床の面内剛性が低い場合は、それぞれが独自に変形し、床面自体が変形しやすくなる。
面内剛性とは、面に水平に働く力に対するもので、面外剛性とは、面に垂直に働く力に対するものである。
各階の「重心」と「剛心」の距離が離れている場合、床の面内剛性が高いと、地震による全水平力は「重心」に作用するので、「剛心」を中心に回転しやすく、床の面内剛性が低いと、各構面に重量に応じた地震力が生じるので、それぞれ独自に変形し、床面全体が変形しやすい。
問題9
純ラーメン構造の中高層建築物において、地震時の柱の軸方向力の変動は、一般に、外柱より内柱のほうが大きい。 ×
解説
地震時の柱の軸方向力の変動において、内柱は両側に梁があり、軸方向力の変動は両側のせん断力の差となるため、外柱より内柱のほうが小さい。 
柱の靭性は、軸方向力の大きさに影響を受けるので、一般に軸方向力の大きい外柱の方が、内柱より靭性は低くなる。
問題10
地震時に大きな変動軸力が作用する外柱の曲げ耐力及び靭性能は、変動軸力が少ない同断面・同一配筋の内柱と同等である。 ×
解説
地震時に、内柱よりも大きな変動軸力が作用する外柱では、曲げ耐力及び靭性能が内柱より低くなる。
柱の曲げ耐力や靭性は、軸方向力の大きさに影響を受けるので、一般に軸方向力の大きい外柱の方が、内柱より曲げ耐力や靭性は低くなる。
問題11
鉄筋コンクリート造の建築物において、柱及び梁と同一構面内に腰壁やそで壁がある場合、耐力は大きいが、脆性的な破壊を生じやすい。 〇
解説
柱や梁に腰壁やそで壁があると、耐力は大きくなるが、脆性的な破壊を生じやすくなる。
柱や梁に腰壁やそで壁があると、変形が可能な長さが短くなるので、せん断破壊する可能性が高く、靭性に乏しくなる。
そで壁によって脆性破壊を生じやすくなることもある。
問題12
柱の剛性評価において、腰壁と柱との接合部に完全スリットを設けたので、腰壁部分の影響を無視した。 〇
解説
腰壁と柱との接合部に完全スリットを設けた場合、柱の剛性評価で腰壁部分の影響を無視してもよい。
垂れ壁や腰壁が付く柱は、短柱となり、曲げ降伏の前にせん断破壊する可能性が高い。
腰壁などに隣接する柱は、短柱とならないよう、接合部に完全スリットを設けて切り離すと影響を無視できる。

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