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ニコオジ

1人雨引観音へ行く。紫陽花を楽しみに行ったがお寺では孔雀が放し飼いにされているらしく賑わいを避けるようにお寺の奥の方まで向かってみるとサブのお寺(無知でごめん)みたいなものがあってそこの影から孔雀がのぞいていた。特に逃げる様子もなかったので近くに座った、自分と孔雀の完全1on1である、あまりの非日常にときめきつつ孔雀やお寺を眺め30分くらいだったであろう頃お寺の別角から物音がしたのでレンズ越しにそちらの方向をみるとおじさんがいて「脅かしてごめん」などといいドタドタ近づいてきた。続けて「それ、同じカメラ!」といい自分のカメラを見せてきた。私に話しかけてくるおっさん、珍しいなとおもいこちらも嬉々と話を聞いていると、カメラを生業にしていること、娘が私と同じ年で着物屋の店長をしていたがやめて絵描をしていること、63歳に見えないですねと言われたいこと(しきりに63なんだよもう俺は、と言ってくるが63歳にしか見えない)がわかった。この時点で1時間ほど経っておりそろそろ帰りたいなと思い始めた頃、「あなたの撮った写真、みせて」というので見せると明るすぎる等と私の撮った写真をほんのりディスった後カメラ講座が始まり実際に映したりもして良い撮り方やニコンマキを教えてくれた。結局2時間くらいこの人とおしゃべりしていたと思う、こんなに他人に足をとめたのははじめてだった。本当にカメラが好きで好きで仕方ないといった様子で、撮る写真は美しかった、63にしかみえないが。
インスタグラムを交換してやっとその場を後にしカメラを構える。しばらく撮って帰宅するとDMが届いた。今日のお礼と共に私がカメラを構えている写真が数枚送られてきていた。

必死

カメラのことが少しわかってよかった、ニコオジありがとう!

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