KH2FM リフレクスラップ戦法時にリフレクが爆発しない事についての考察文
KH2FM60fpsのHDリマスター版で起きる、リフレクスラップ戦法時の問題についての考察。
1.当該現象の概説
この戦法が多用されているRTAでのリミカゼムナス1戦目を例に挙げる。
ゼムナス1戦目では、ゼムナスが使ってくる乱舞攻撃に対して、
リフレク>スラップ>リフレク>スラップ>リフレクF>リフレクF
というコンボを使用する。
リフレク1回分の威力が非常に高いので、これで火力を稼いで短時間で撃破する事を狙う。
しかし、
『リフレク>スラップ>リフレクを最速で入力すると、リフレクが起爆しない』
事がある。
この現象が発生してしまうと当然足りない分の火力を補う必要がある。
特にRTAで記録を狙うプレイヤーにとっては大きな痛手となってしまう。
2.リフレクの仕様について
初心に立ち返り、KH2FMのリフレクという魔法についておさらい。
A.リフレクを発動するとソラが周囲にバリアを張る
B.バリアに敵の攻撃判定が触れると、バリアが爆発して敵にダメージを与える
C.地上リフレクはコンボで連続してバリアを張り続けられる
D.敵の攻撃を受け止めた時にコンボでリフレクを続けた場合、コンボ終了時のリフレクのみが爆発する
上記URLの添付動画を見ると、リフレクを張り終えた時にのみバリアが爆発している事がわかる。
3.スラップショットについて
お次はスラップショットについて。
リフレクスラップ戦法という名前なのでね?
・ターゲットが近距離にいる場合に発生する、武器を下から振り上げる単発攻撃たたかうアビリティ
・発生が速く弾かれモーションにならない
・攻撃発生後のコンボキャンセル受付タイミングが非常に速い
他にも語れば語るほど味が出る技なのだが、今回はこの辺りで。
4.60fps化に伴う入力タイミングの変化
ここからが難しい話。
fpsについては各所で多々解説があると思うので各自調べてほしい。
概説だけすると、「1秒間に描画されるグラフィックの枚数」がfps(frame per second)。
2FMのPS2・PS3版はこれが秒間30枚で、PS4版は秒間60枚になった。
PC版は更に30・60・144とかに変えられるらしいけど持ってないのでわからんちん。
これに伴い2FMでは複数のアクションの挙動が変化している。
また、キー入力とそれに伴うアクションの派生にもfpsの変化が影響していると思われる。
最もわかりやすいのは13キノコNo.5でのグライドアサルト戦法。
これはファイナルフォームのグライド移行時に発生するオートアサルト攻撃を利用し、短時間で敵に大ダメージを与えるというもの。
この戦法の発見によって、Lv1初期ステータスでも13キノコを全て撃破し金冠を取得できるようになったのだが、それはまた別の話。
さて、グライドアサルト戦法は簡単に言うと「ファイナルフォームでジャンプしてから□ボタンを連打する」という内容。
以下が自分が各fpsでキノコNo.5相手にグライドアサルト戦法を行った動画。
30fps版攻撃力28(声有り注意)
60fps版攻撃力28
60fps版攻撃力27
攻撃力に関してはダメージ計算式も絡んできて、その解説も入れると物凄く長くなってしまう。
とりあえず攻撃力が1上がるだけでめちゃくちゃ速くなると思ってもらってOK。
どうしてもダメ計の話を俺から聞きたいのであれば、カロリーメイト贈ってくれたら考えます。
考えるだけで確約はしません。
キノコNo.5の撃破ノルマは10.00秒以内。
動画を見比べてもらえればわかるように、60fps版では攻撃力27でも比較的余裕をもってクリアしているのに対し、30fps版では攻撃力28でもノルマぴったしギリギリでのクリア。
これは自分が連打をサボっているとかではなく、fpsによる入力の差異が影響していると考えている。
連打という操作を理屈っぽく言うと、「ボタンのONとOFFを切り替え続ける」という操作である。
ゲーム的には最初の1フレームでON、次の1フレームでOFFという操作を交互に繰り返す。
つまり連打には最低2フレームの時間が必要となる。
60fpsは書いて字の如く1秒間で60fpsが経過するので、60(fps)÷2(フレーム操作)で「1秒間に最大30回の連打が行える」という事になる。
30fpsならば「1秒間に最大15回の連打」である。
はい、30fps版はダメージ効率が60fps版の半分ですね。
なお、あくまでこれは理論上の単純最大値の話。
現実で人間が操作する場合はここから入力回数は大きく落ち、またグライドアサルトのメカニズムを考慮すると実際には1サイクルに3フレームかかる可能性がある。
更に、グライドアサルト戦法は連打だけでなくグライドの発動条件を満たす為にジャンプに時間を割く必要もある。
見た目以上に奥深く難度の高い戦法なので……この辺の話も長くなるので割愛、需要があるなら別記事だ。
ともあれキノコNo.5の撃破時間の差から、
・60fps版は30fps版よりもゲーム側が認識する秒間入力の回数が多い
・入力回数やその速度によってゲーム内アクションの性能も変化する
という事が導き出せると思う。
そしてリフレクスラップ戦法に関しても、この60fps化が関わっていると考えている。
5.リフレクが起爆しない原因
もう一度2FMのリフレクについておさらいしよう。
A.リフレクを発動するとソラが周囲にバリアを張る
B.バリアに敵の攻撃判定が触れると、バリアが爆発して敵にダメージを与える
C.地上リフレクはコンボで連続してバリアを張り続けられる
D.敵の攻撃を受け止めた時にコンボでリフレクを続けた場合、コンボ終了時のリフレクのみが爆発する
注目してほしいのはDの項目について。
これは
『リフレクのバリア爆発タイミング時点で次のバリアが張られていた場合、爆発は次のバリア爆発タイミングまで持ち越される』
と言えると思う。
スラップショットはモーションが短く派生タイミングも速い。
60fps化によってゲームの操作入力タイミングが変わった。
60fpsではリフレク>スラップ>リフレクを全て最速で入力した場合、1回目のリフレクのバリアが消える1フレーム直前に2回目のリフレクが入力できてしまうのではないか。
そして連続でリフレクのバリアが張られている扱いの為、1回目のリフレクの爆発が起きなくなるのではないか。
つまり、リフレクスラップ戦法でリフレクが爆発しない事があるのはバグではなく仕様だという事になる。
最速でコンボ派生を狙うようなゲームが上手い人ほど割を食う嫌な仕様だ。
これはあくまで自分の考察であり、厳密にリフレクやスラップのキャンセル可能フレームを計測したわけではないので確実な結論ではない事を断っておく。
フレーム計測の自信とこの現象への興味があって尚且つ暇な人がいたら調べてみてね。
6.さいごに
フレーム数が考察通りである場合、この現象に対策するならば、リフレク>スラップ>リフレクのどこかで1フレームの隙間を空けるようにするしかないだろう。
難しい要求になると思う。
でも考察してるだけなんで悪いのは俺じゃないです。がんばろう。
最後に、グライドアサルト及び入力操作の考察にお知恵を貸して下さったbreeze256さん(https://twitter.com/breeze256nkr)、検証にお付き合い頂いたカメすさん(https://twitter.com/jsnakme)、検証のやり取りの場を提供して下さったRainさん(https://twitter.com/rain_candydrops)とその場でお付き合い頂いた皆さんに謝辞を記して本考察記事を締めたいと思います。
皆様ありがとうございました。
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