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読んだ小説やエッセイなどの感想の記事をまとめています。次に読む本を探している方・読んだ本の感想を読みたい方はぜひ。
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2022年6月の記事一覧

辛い仕事は、夢への伏線である 水野敬也「夢をかなえるゾウ0 ガネーシャと夢を食べるバク」

何のために、今の仕事をしているのだろうか。 こんな仕事、自分以外の誰にだってできる。大して社会の役にも立たない。稼ぎも良くない。 「なんでこんな仕事やらなきゃいけないんだ・・・」と思っていたときに出会ったのは、夢をかなえるゾウシリーズではおなじみの「ガネーシャ」の言葉だった。 本の前に雷が走ったような衝撃を覚えた。 まさに今自分が、大きな仕事を任せてもらいながら、その意義を感じられずにいたからだ。 私の新しい仕事は、扱っている金額も大きく、会社としても大事な位置づけ

本格ミステリのゆえん【大山誠一郎 アリバイ崩し承ります1・2】

今回は、最近読んで面白かった本を紹介します。 大山誠一郎「アリバイ崩し承ります」(以下、「1」)と、その続編「時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2」(以下、「2」です。 ミステリー小説ですが、ネタバレなしでお送りします。 本書の概要「1」は2018年に最初の単行本が発売され、「本格ミステリ・ベスト10」の第一位を獲得。 連続TVドラマ化されるなど、大いに話題を呼んでいたようです。 2019年には文庫になっていましたが、2022年3月には続編の「2」が発売されました。 た