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JR東日本 E235系1000番台(F-35,F-36編成)グリーン車 J-TREC横浜事業所出場 2024年2月29日

・2024年度製造分の横須賀・総武快速線グリーン車登場

2月29日未明、横須賀・総武快速線用グリーン車がJ-TREC横浜事業所を出場しました。

2023年12月12日以来の出場。
2024年では初めての同グリーン車出場となりました。
※前回の出場は以下のリンクからご覧いただけます。


恐らく、来年度(2024年4月)以降製造分になると思われます。

・出場時のようす

出発前
前回の中央快速線用グリーン車に続きECOMO01が先頭。
横須賀·総武快速線グリーン車は片開きドアとなり、前回出場したグリーン車と異なる部分が多い。
この車両から来年度製造分となる。


・Y_TREport 横須賀・総武快速線E217系運転開始30周年に伴うリバイバルイベントレポート

今回都合により甲種輸送へ行くことが出来なかった為に、今年運行開始30周年を迎えるE217系のリポートとなります。

・世代交代真っ只中のE217系

現在、他の鉄道車両とは異なり、数年に跨がって緩やかに世代交代が続いている横須賀・総武快速線。

今回の出場を含め約30編成が新型車両に入れ替わり、既存車両であるE217系を見る機会も少なくなりました。

現在置き換えが進んでいるE217系ですが、1994年の営業運転開始から2024年で30周年を迎えます。

残り少なくなっている中、30年という節目を迎えることを記念してか、同系を使用したイベントが現在活発的に行われています。

今回は、横須賀・総武快速線一筋のE217系が一時期他線区で活躍していた姿にリバイバルしたイベントの参加レポートとなります。

・東海道線のピンチヒッター

現在横須賀・総武快速線を走っているE217系が東海道線を走っていたのをご存知でしょうか?

疎開等の回送で走っていたのではなく、東海道線のラインカラーであるみかんカラーを纏ったE217系です。

時は遡り2006年3月。

この時の東海道線は113系からE231系に置き換わるラストスパートであり、この年のダイヤ改正で113系が東海道線から引退したと同時に、湘南新宿ラインの増発と東海道線増発が行われました。

一部区間が横須賀線と重複する湘南新宿ライン。
当時は湘南新宿ラインが増発するのとトレードオフの関係で横須賀線の列車が減便となる流れでした。

当時より横須賀・総武快速線のエースとなっていたE217系ですが、湘南新宿ラインの増発に伴って余剰が発生しました。

登場してから10年と少しの中、余剰となってしまった同系の有効活用として113系の置き換えを当時新型車両であったE231系と一緒に完遂させる為、同系3編成が東海道線へ異動することなりました。

当時の横須賀・総武快速線の編成構成は、現在と変わらず久里浜方から付属編成4両と基本編成11両を組み合わせて15両編成となりますが、東海道線へ異動の際、基本編成の付随車から1両抜き取り付属編成に組み込むことで、熱海方から基本編成10両と付属編成5両を繋いだ15両編成に組み変えられました。

この組み替えにより、連結時の位置が変わるために、従来搭載されていなかった先頭車の電気連結器が追加搭載され、全ての先頭車が電気連結器付きの先頭車となりました。

通常は基本編成と付属編成を繋いだ15両編成を基準として運用されていましたが、当時のエースであったE231系や211系と異なり、東京〜熱海間(回送で来宮まで)と走る区間が限定され、担当列車も固定となりました。

前述した通り、湘南新宿ラインと横須賀線の本数がトレードオフの関係になっているのとE217系の機器更新が重なり横須賀線の車両が余剰から車両不足に転じた為に、東海道線を走っていた同系が横須賀線の穴埋めとして里帰り。
同系が里帰りしてしまった穴埋めにE233系(E-01編成,E-02編成)が製造されたりと右往左往していた時期もありながら東海道線を走っていましたが、2015年3月改正で開業した上野東京ラインと横須賀増発の影響により東海道線から撤退及び全てのE217系が再び横須賀線へ里帰りすることになり現在に至っております。

上野東京ラインの開業により、9年間に及んだ東海道線ピンチヒッターとしての活躍に幕を下ろしましたが、東海道線の撤退から9年経った2024年に突然復活することになります。

・9年の時を経て当時の姿に一部復活

2024年3月2日、E217系が東海道線で活躍した湘南色の帯を纏ったリバイバル撮影会が鎌倉車両センターにて開催されました。

今回開催された撮影会会場

今回再現されたのは、当時東海道線でも活躍したY-101編成の増1号車(クハE216-1001)の前面と山側側面。

Y-101編成は東海道線時代F-51編成で活躍した車両でしたが、この車両が先頭に立って走ったのは車庫内の入換及び工場への入出場程度であり、普段は基本編成のF-01の10号車と繋いで走っていました。

今回の復活に際し、前面及び側面一部の帯だけでなく、編成番号も当時のF-51編成に変更。

帯も正真正銘の東海道線で走っていた湘南色
正面から見たらそのまま東海道線を走っても不思議ではない。

機器更新前の前面に表記されていたE217系のロゴから号車番号、所属表記及び鉄製手歯止めの表記も当時の姿に再現されました。

東海道線E217系は機器更新を跨いでいる為にロゴも2回更新されている。
このロゴは機器更新前に東海道線導入時に取り付けられたロゴ。
撮影会に用意された車両は、東海道線では付属編成の熱海方先頭車であった為に11号車。
所属表記も当時の国府津車両センター「横コツ」を再現。
サイドから。
床下部分左にある表面が黄色いものに注目。
鉄製手歯止めの表記が「コツ」となっているのも企画者のこだわりの一部。

ここまでの細やかな再現にとどまらず、運転開始当初に搭載されていた字幕式行先表示器の変更と前面種別幕も東海道線用の種別幕へ今回の撮影会の為に再現されていたことも特筆されます。

実際に使用されていた行先表示幕
新宿以南の湘南新宿ラインの運用も視野に入れていたのか、113系や211系では無かった「特別快速」が入っているのも東海道線時代の同系式の特筆すべき部分。
行先表示拡大
かつては東京折り返しであった東海道線。
現在では廃止となった快速アクティーも同系が充当されていた。
正面種別幕の「東海道線」は企画者が自作で再現したもの。
「快速アクティー」も企画者の自作表現。
ただし、実際はもう少し大きな文字で表記されていた。
横須賀・総武快速線で使用される種別幕に追加されていた為に、東海道線時代には無かったものも披露。
東海道線時代でも実際に充当されていた「通勤快速」
「快速」はアクティーで使われていたが、単独表示をしたことはほぼ無い。
東海道線からの成田空港行きならギリギリ成立しそうな種別。
「エアポート成田」も現在は消滅。
元々走っている路線ではあるが、帯を変えるだけで不思議な光景に。

残念ながら、現在の強化型スカートと字幕式行先表示器という組み合わせは現実には存在しない組み合わせではありました(※)が、東海道線から撤退して9年。
一部ではありますが復活したことについては懐かしいと思う方や新鮮と思う方、年代により様々な感情が交錯したことは想像に難くありません。

東京行きの上り列車は「東海道線」表記となっていた為に、11号車が先頭に立つことは無い。
快速アクティーは上下列車共に表示されるが、付属編成11号車が先頭として快速アクティーを走るのは営業列車ではなかった。
東海道線下り列車は「普通」と表示される。
この「普通」は横須賀線の幕に入っているもの。

※本来は同系登場時の旧型スカートを搭載したかった模様ですが、部品調達が出来なかった為にやむを得ず強化型スカートとなった模様です。

今回一部ではありましたが、イベントにおいて一部職員の自作したものもあり、現状出来る限りの再現が行われたイベントとなりました。
その為、海側の側面は転属のための帯を貼り変えている途中という雰囲気となりました。

転属の為工場にて帯の貼り替えを行なっている途中の雰囲気。
今回は、前面と山側側面のみの再現のため海側はこの形。

本当は編成全部再現をして欲しい所もありますが、鎌倉車両センター内で編成全体を撮影出来る余裕が少ないことから、今回の様な普段はクーラーの交換等を修繕する場所が会場となって先頭車一部の再現となりましたが、それでもクオリティーは高く企画者の情熱が感じられました。

引退という足音が少しずつ大きくなっているE217系ですが、30周年を記念して今年は特に力を入れる様ですので楽しみでもあり、時間とお金の余裕があれば是非とも参加してみたいと思うイベントとなりました。

撮影会ならでは、至近距離からのドアップ。



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