文鳥くん8才6ヶ月旅立ちの記録

 我が家の桜文鳥。パワフルでおこりんぼ。そのくせ隙間に潜り込んでくるかわいい子。誰かしら家にいることが多く、放鳥時間は長い。居間に好きな場所があって、あちこち飛び回ってはそこに物を集め、中に潜ってお昼寝。行方不明の時は名前を呼ぶと、そこからチッ♪と返事が。
 8才過ぎてるけどずっと元気で飛び回っている。調べたら、文鳥の寿命は8〜10才くらいと書いてある所が多い。にしては元気だと思っていたら、あれ、最近朝鳴いてないなと気づく。いつも早くからご機嫌で鳴いていたのに。
 昼間は変わらない様子。換羽期が
近いからかな。毎年その時期、とてつもなく元気がなくなる。
 そのうちに、食べる時首を振って餌を飛ばすようになった。同時に、フンが小さくなった。上手く食べられていないのだ。吐き下すという感じではない。
 病院で診てもらい、首に近い場所に膨らみを発見。その圧迫で、食べ物が通っていかないのだ。説明を受け、ステロイド剤の投薬で腫瘍が小さくなることに望みを託すことにする。

 しかし彼には効かなかったようだ。
 首が後ろに回らなくなり、羽繕いが困難になる。
 水を飲む時のひと口め、元気な時と同じ調子で飲み込み、喉に詰まって倒れかける。
 体のバランスを取るため、背中が曲がった姿勢になる。
 
 少しずつ、症状が進んでいった。

 30グラム超えだった体がふわっと軽く、ひんやりした。生きているのが不思議なくらいの状態で何日も頑張ってくれた。

 変化に気づいてから、たった1ヶ月半で、彼は旅立った。

 今家の中ってこんなに静かだったんだと感じている。小さな命がどんなに大切だったかも。
 8年半、楽しかったな。彼も楽しかったならいいな。



 
 

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