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フルーツバスケット S1 ~12話 楽しそうだね~

新学期。
透たちは2年に進級。
今年から新入生として
紅葉と潑春が透達と
同じ高校に進学してくる。

由希は入学式の運営委員として
新入生の女子達にモテモテで
大忙しの1日を過ごしていた。

***

紅葉たちに挨拶しに行くという透。

「Hello~!!」と
元気よく走ってくる紅葉。
紅葉が来ていた制服は女子用だった。

「お前はバカか~!!」
と言って紅葉をど突く夾。
でも似合ってるよ(笑)

「ちわ。」と潑春。
首にはじゃらじゃらネックレス。
呆れる夾。

最終的には似合っているから
良いよねって事でいつも通り
わちゃわちゃ騒いで予鈴が鳴る。

「由希と夾にお話があるから残ってくれる?」
紅葉が2人にそう告げると
透は1人教室に先に戻る。

***

「何だよ、改まって。」と夾。

「うん…。来てるんだって…。
ここに…。慊人…。

由希たちにも教えておいた方がいいと思って。
会いたくないなら尚更。」

紅葉がそう言うと由希は黙ってその場を去った。

***

透は教室に向かう途中で

「楽しそうだね。」

と誰かに声を掛けらる。

振り返ると細身の男性が立っていた。
以前草摩の本家で見かけた人だった。

「あきと…さん…?」
何となくそんな気がして声に出す透。

「そうだよ。本田透さん。」

若くて綺麗、そしてはとりの
目が見えなくなったのはこの人が…
と色々な考えを巡らせながらも
慌てて自己紹介する透。
そしてこんな形であっさり出会って
いいのだろうか、と戸惑う。

「ふ~ん。女の子らしいし
優しそうだし、いい人みたいで良かったよ。」
にっこり笑って透に挨拶をする慊人。

想像していたよりも柔らかい雰囲気の
慊人に少しほっとしている透に
由希が駆け寄り慊人の名前を呼ぶ。

「あぁ!由希!会いたかった由希!」
由希を見るなり駆け寄る慊人。


「何をしてたの…本田さんに何をしたの!?」
と慊人に言う由希の声は
ひどく震えていた。

「別に。挨拶していただけ。」という慊人。

さらに由希に近づき
「どうしてお正月帰らなかったの。
そういう事されると傷つくなぁ。
もう1度教育するしかないのかなぁ。」と
詰め寄る慊人。

由希の顔はひどく怯え切って
何も話せない様子。

すかさず透が慊人を押しのける。
「すみません。そろそろ教室に戻らないと
怒られますので…。」

「そっか。ごめんね。
僕もそろそろ紫呉たちのところに戻らないと。」

冷たく微笑んで帰っていく慊人。

夾がその様子を窓から見ていた。
睨みつけるようなとても怖い目つきで。

慊人が帰った後も由希は
沈んだ表情で一言も話さない。
手が震えていた。

何を話していたかは分からないが
慊人は多分怖い人で自分は
慊人に嫌われているかもと察する透。

今はそんな事よりも
由希を元気づけなくてはと
放課後皆でバドミントンをしようと提案する。

***

透、夾、由希、紅葉、潑春、
魚ちゃん、花ちゃんで
力の限りバドミントンをする。

すっかり日が暮れてお開きに。

バドミントンを終える頃には
元気を取り戻した由希。
そんな由希を見て
ありがとうと透にお礼を言う潑春。
由希のトラウマを知っている潑春は
慊人と接触した由希を心配していた。

***

「透くんのこと、ブスだってさ。」

紫呉はこの日、紅葉と潑春の
保護者として学校に同行していた。

「ひっどいブスだね。
頭も悪そうだし。最悪。
あの程度の女なら僕も安心だよ。
由希もね必ず僕の元に帰ってくるよ。
だって未だに僕を見て怯えているんだ。」

帰りの車の中で透の事を紫呉に話す慊人。

「長い間、暗い部屋に閉じ込めて
あれほど精神的にいじめ抜けば
忘れられない傷にもなるよねえ…。」
と、はとりに話す紫呉。

「傷つける者もいれば、その傷を
包み込んでくれる存在もいる事。
慊人はそれを分かっていない。」
と返すはとり。


***

12話おわり。


*ここ好きポイント

◆女子用の制服を着て
夾にどつかれて泣く紅葉。
うきゅうきゅ泣いてて可愛い。笑

◆学校で由希を見た途端
両手を広げてハグ待ちする潑春。

◆由希が慊人に会って
怯えて声が震えるシーン。
声優さんの演技が絵とぴったりで
本当にぐちゃぐちゃに怯えているのが
伝わってくる名演技だった~。






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