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草津PA訪問後記 -開業60周年の刻に寄せて-

あの夏。確かに、日本の歴史が動いた。

皆様こんにちは。書記の金子です。

去る、2023年7月16日。いかがお過ごしでしたか?
夏だ!3連休だ!明日は海の日だァーーッ!!キラキラ眩しい太陽に照らされて、心躍る一日になったことでしょう。

しかし。ことこの年に関しては――道路史的に、極めて重要な日でもありました。

名神高速道路が開業から60年を迎え、還暦となった。

既にその全てが形となっているように、名神高速道路は東名高速道路と一体となり、東京-名古屋-大阪の一帯を連絡する高速自動車国道として建設されました。
とはいっても、最初からそのすべてが存在していたわけではありません。1963年7月16日に開業したのは、尼崎ICから栗東ICまで。その後次々と延伸がなされ、1965年に名神高速道路として全線開通しました。つまり、起こりとしては名神高速道路が早く、完成としては1964年の東海道新幹線が早いのです(もちろん、完成後にも両者さらに機能が拡充されています)。
そして、新名神高速道路が建設され、その一部が開通してなお、名阪間を連絡する重要な使命を担い続けています。

この善き日――去りし日でもありますが――、その名神高速道路のオリジナル区間のひとつ、草津PAを訪問いたしました。
日本最古のサービスエリアとしては、よく大津SAと吹田SAの間で議論になりますが、この文章を書くには本質的ではありません。開業を同じくした同志であるのですから。並び立ち、ともにこれからも歩む。それでいいと私は思います。

実は外からもおすすめしやすかった!

しかし、そこはわたし流。今回も鉄道で参らせていただきました。

瀬田はBリーグ・滋賀レイクスのお膝元でもあるんだとか。

今回利用したのは、東海道本線・瀬田駅。琵琶湖線と呼称される区間にあり、複々線の東端である草津(!)にほど近い駅でもあります。特急や新快速は停まらないものの、それでもここに停まる列車は1時間に4本(うち2本は野洲折り返し)あり、利便性は高い部類といえます。

そこから草津PAへは、帝産湖南交通のバスへ乗り換え。実はこれも、住宅地「びわ湖レイクタウン」への交通の便ということもあって1時間に2本。待ち時間少なくひとっとびできます。そこは大津市、抜かりなし。

なんせ、そこに着いた目の前がすでに草津PAなのですから!!

この裏にも草津PAは展開されています。一応。本当に一応。

……というのは嘘ではないのですが、正確には上り線のみに存在する「草津第2PA」。元々はこの場所に草津PAの本体があったところ、名神高速道路の拡幅に伴って現在地に移転したという経緯があります。
結果、ガソリンスタンドだけが独立したような格好となりました。もっとも、休憩コーナーと給油コーナーが独立したスタイルは、交通整理としてはむしろ好都合になった側面もあります。
そういうわけなので、写真の通り正面突破はできません。悪しからず。

しかし、上り線こそ文字通り壁に阻まれますが、下り線に行くのはさほど難しくありません。少し東に行くと現れる橋で名神高速道路を渡るだけ。バス停からわずか5分。お手軽!

未来からの流れを汲んで

さて、ウェルカムゲートというと、従業員用の通用口を一般開放したような形態もしばしばあります。
しかし、草津PA下りではそのような入り方は無用。外部利用のためにコインパーキングが整備され、駐車スペースの乱雑化を防ぐのに一躍買っています。ちなみに、同様の仕組みは桂川PA上りでも見られます。

過去を受け止め、みちを未来に継ぐ心。

その脇を通って高速道路と同じレベルに降りると、洒落た建屋がお出迎え。さながら、新名神高速道路の新しい風を一身に受けたような。そうした意味でも、「過去と未来をつなぐ場所」という興趣漂うランドマークと感じました。

そこから上り線側は少し歩きます。
この事情は先に述べた部分にもあります。元々、下り線施設の向かいに上り線施設があったところ、売店機能が京都寄りに移動しているため、それに合わせて側道を数百メートルほど移動することになります。
とはいえ、その側道もよく整備され、歩くには全く困りません。実に素晴らしい景色です。

草津市と大津市の狭間で。太陽と新緑の調和を感じて歩くも一興。

また、新しい時を刻んで


和の心を。「おもてなし」を。

そうして歩くこと十数分。草津PA上り到着です。
こちらはより「宿場町」を強くイメージさせる建屋。再び名神の路を歩み……あるいは、新名神へと羽ばたく分岐点。そんな解釈も浮かびます。

さて、建物や内装(詳細はぜひご自身の目で!)こそは、SAと比較しても遜色のない草津PA。
しかしあくまでPAということでしょうか。独立したレストランはありません。ご飯はフードコートでの提供となります。

それでも、胃袋をつかむのに手抜かりなし。滋賀、近江と言えば近江牛!……とまでは言わないにせよ、きっちり用意してあります、近江牛焼肉重(1330円/税込)。
焼肉といえばこの味とも言いましょうか。甘辛タレにジューシーな肉。暑い夏を乗り切るにも、長い旅路に活力をつけるにも、身体にエネルギーみなぎる一品です。

近江牛焼肉重。シンプルな構成ながらもお腹に満足。

さて、美味しいご飯はサぱの華。私自身そう思うところはあります。

しかし、疲労回復、ドライバーの皆様へのサービスは、それだけに限定されません。
この草津PAには、コインシャワー施設も備わっています。さすがに諏訪湖SAや多賀SAのような入浴施設には及びませんが、道中で汗を流してリフレッシュ、それができるだけでも気分は切り替わります。
長距離運転の拠点となりえるだけに、このような点まで気配りがなされている。草津PAに感謝です!

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