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2018年読んだ本ベスト 10冊

2019年も、すでに1ヶ月立ってしまいましたが、昨年の読んだ本のメモ。
計110冊ほど、雑多に読み漁っていました。本の虫と見るか、時間ありすぎと見るか...笑

中でも、面白かった本を紹介します。
また、幅を広げてみたいので、何かおすすめあったら教えてください!
(ちなみに漫画も読むので、漫画のオススメもお待ちしてます…!!)

10)勝つ人

水泳から相撲まで、様々なスポーツのオリンピック級の選手の思考を紐解いていく本書。自分の体調や動き、成果の原因と結果を、すべて言葉で説明していて、種目が変われど垣間見える共通点が示唆に富んでました。

また、少し角度が違いますが、いまNHKの大河ドラマで放映されている「いだてん」。監督 宮藤官九郎のインタビューでは、単純に技術だけではない、スポーツ選手の苦悩が語られています。
宮藤官九郎の『いだてん』執筆記。「辛さのレベルは全然違いますが」

テレビ越しにみる彼らの人生に焦点を当てると、さらに深い世界があり、色々と考えさせられます。

毎年オリンピックがあれば、まあ1年ぐらい婚期を遅らせて頑張るかと気持ちを切り替えられる。逆に8年に1回だったら? どう考えても無理だと諦めがつくし、周囲もそこまで無理強いはしない。4年という、ひょっとしたらやってやれない事はないと思わせる長さ。
“いだてん”こと金栗四三さんが、日本人で初めてストックホルム五輪に出場したのは21歳の時。4年後は25歳。誰が見ても心身共にピークを迎えていた。ところがベルリンで開かれる予定だったオリンピックが直前で、第一次世界大戦の影響を受けて中止になります。
 そのやり場のない悲しみ。喪失感。想像を絶します。4年間の血の滲むような努力が水の泡。あと4年待ってもオリンピックが開催される保証はない。仮にあっても29歳。ピークはとうに過ぎています。いだてん金栗さんはどうしたか。その答えはドラマ本編を見て確かめて下さい。


9)学力と階層

学術的な研究結果をもとに、親の出自と、子の学習成果との因果関係を説いていて、学びになることが多かった本。

子どもが生まれ育つ家庭の社会・経済・文化的な環境によって、学業達成に差異が見られることは、一種の「定説」といってよい。その原因をめぐっては、さまざまな理論が提出されているが、社会的出自(social origin、いわゆる「生まれ」)が、学校における学業的なパフォーマンスに何らかの影響を及ぼしていること自体は、日本に限らず、現在では疑われることのない、実証された社会学的事実である

8)銀行王 安田善次郎

一時期、財閥の成り立ちが気になり、色々と調べた時に出会った本。

下級藩士の出自でありながら、今のみずほ銀行を創設し、日本銀行理事、安田講堂・日比谷公会堂の寄贈など、信じられないほどの功績を積み上げたかた。

一、独力独行で世を渡り他人の力をあてにしない。一生懸命働き、女遊びをしない。遊び、 怠け、他人に 縋るときは天罰を与えてもらいたい
 二、 噓 を言わない。誘惑に負けない
三、生活費や小づかいなどの支出は収入の十分の八以内に 止め、残りは貯蓄する。住宅用には 身代 の十分の一以上をあてない。いかなることがあっても 分限 をこえず、不相当の金を使うときは天罰を与えてもらいたい
有名なサミュエル・ウルマンの『青春』という詩のように、〈青春とは、人生のある期間を指すのではなく、心のあり方を言うのである〉とするならば、善次郎の精神はまさに、いつまでも老いることなく〝青春〟のままでいたと言えるだろう。  人は、信念と自信と夢を持ち続ければいつまでも若くいられる。

7)マルティンルター

世界史でかじったことがある程度でしたが、初めてその人柄、努力、歴史背景を理解できました。

「ことばに生きた」とは言い得て妙で、一般庶民にわかりやすい言葉、本質的な意訳をし、直接庶民に向けて朗読したり、教会で賛美歌を歌う習慣を生み出したり。

そこに活版印刷というイノベーションが加わって、キリスト教が普及したという流れを知って、学生時代にこの本に出会いたかったと思った笑

大多数の人びとは、文字が読める人に朗読してもらうことで、ルターの翻訳した聖書のことばにふれた。おそらくそれは、人びとにとって初めての体験であったと思われる。それまで教会で聴かされてきた呪文のような言葉ではなく、イエス・キリストの語ったことばが、自分たちにわかる言葉で耳に聴こえてきたのである。いわば、「ことばの体験」であった。
ルターの翻訳の特徴は、力強さとわかりやすさである。ひとつ、例を挙げてみよう。「重荷を負う者はだれでも私のもとに来なさい。休ませてあげよう」(『マタイの福音書』第一一章 28 節) というキリストのことばがある。この「休ませる」をルターは「 erquicken(元気づける)」と訳した。だらりと休ませるのではない。本当に休ませて、活力を与え、元気づける、という意味である。原語を生かし、キリストの言おうとすることをしっかりと み取った、まさしく勇気づける訳と言えるだろう


6)サルたちの狂宴

会社を作り、たった10ヶ月でfacebookに買われ、今日のFacebookを支える広告の担当となり…という時流のど真ん中をひた走る、怒涛の日々が描かれてました。
実話という前提を踏まえて妄想すると、読み物としておもしろい。

スピードが肝心 すべてコントロールできているように思えるときは、出すべきスピードを出していないだけだ。

5)子どもは40000回質問する

ファミレスで、横に座っていた東大生の話が聞こえて、気になって読んでしまった本(笑)

子どもが好奇心旺盛かそうでないかは、早い段階での非言語的な問いかけに親がどのように応じるかで決まる。好奇心とは、他者からの反応によって増幅するフィードバックループなのである。
一般的に、好奇心は何も知らない事柄に対して湧き起こる心理であるかのように誤解され、少しだけ知識がある状態が好奇心に与える影響は見過ごされることが多い。実際には、人はまったく知らないことには興味を抱かないもの
好奇心の矛盾する性質だ――好奇心は理解と、理解の欠如の双方によって刺激される。これは学習の動機について重要なことを物語っている。


4)NHK「100分de名著」 ルソー エミール

ルソーといえば「社会契約論」というくらいしか知らなかったんですが、1700年代に、今でも通じるような子どもの話を描いていて、これまた驚き。
示唆に富む言葉が散りばめられていました。

親や教師が説教や権威で「それは無理だから、我慢しなさい」と抑え込むのではなく、まずは自由にさせてみて、その結果できないことを学ばせる。あくまでも自分の経験によって、不可能な欲望を抑えることを学ばせるのです。
自分が敬意をあまり払っていない、軽蔑している相手に対しては、その人がどんなに苦しんでいても、その苦しみが軽く見える。逆からいえば、どんな人も軽蔑したりせず、自分と対等の存在として見ていれば、その苦しみの大きさをしっかりと受け止められるはず
「自分にたいする愛[自己愛]は、自分のことだけを問題にするから、自分のほんとうの必要がみたされれば満足する。けれども自尊心は、自分をほかのものにくらべてみるから、満足することはけっしてないし、満足するはずもない。」
「人間を本質的に善良にするのは、多くの欲望をもたないこと、そして自分をあまり他人にくらべてみないことだ」


3)目の見えない人は世界をどう見ているのか

これまで、周りに視覚障害者の方がいないので直接話を聞く機会がなかった分、彼らの世界の捉え方は目からウロコでした。

LGBTや障害を持つ方など、その立場にならないと見えない景色があるからこそ、すべてを理解することはできませんが、その片鱗を知ることで、また接し方が変わるようでした。

「要するに、見えない人には「 死角」がないのです。これに対して見える人は、見ようとする限り、必ず見えない場所が生まれてしまう。」
見えない人は、物事のあり方を、「自分にとってどう見えるか」ではなく「諸部分の関係が客観的にどうなっているか」によって把握しようとする。この客観性こそ、見えない人特有の三次元的な理解を可能にしている


2)ルワンダ中央銀行総裁日記

1960年代にルワンダに駐在し、現地の中央銀行を立ち上げた日本人、服部正也さんに関する話。

当時のアフリカ情勢の中、搾取を狙う国家や企業を相手に、現地民の独立を支える様は圧巻。最後は世界銀行の副総裁までやられていたそう。

二宮尊徳、国恩記を彷彿とさせ、現代における「代表的日本人」のような感覚を得ました。


1)パパは脳研究者

前職の先輩が産休中にランチに行き、勧められた本。

日々変化していく子どもの言葉や行動を、親としての嬉しい感情を書き連ねつつ、脳研究者の観点から、そこに含まれる成長を説明してくれてました。

日々の些細な変化、「あ、これができるようになったのか」以上の意味がそこには含まれていて、この書籍を読む/読まないで喜びの大きさがグッと大きくなりそう(もちろん、人によって差異があるので鵜呑みにはできないですが)。

オキシトシンは、出産の時に大量に分泌されるホルモンで、相手を絶対的に信じ、愛情を注ぐためのホルモン。
父親も子育てに参加するほどオキシトシンの濃度は向上し、最終的にお母さんと同じレベルに届く。親が子供に愛情を注いでいる時と、恋愛をしている時の脳の活動は似ている(ため、「恋愛しているみたい」というのはある意味正しい)

マシュマロテスト

マシュマロのようなお菓子を用意して「15分我慢したら、もう1個あげる」と言い残し、子ども1人にするというテスト。手持ち無沙汰な状況で、目の前のマシュマロを食べずに我慢できたら合格。※4歳時点の合格率は、全体の30%
4歳時点で合格できた子どもは、大人になっても好ましい人生を送る傾向が判明している。ドラッグやギャンブルへの依存が少ない、肥満が少ない、大学の選抜試験の点数が高い、出世が早い

いないないばぁが、ある時から反応しなくなることについて


子どもには「時間」の概念がない。6ヶ月以前の赤ちゃんは、相手が顔を覆うと本当にいなくなったと認識する(見えない = 存在しない)。そのため、再び顔が現れると大喜びする。
6ヶ月以降は、さっきまで見えた顔が手の裏側に隠れていることが、時間の流れを前提として推測が可能になる(顔を手で隠しても、まだ手を眺め続けていることからわかる)


次回はビジネス関連の方で面白かったものをまとめてみようと思います。

自分を形成していくような体験、景色、言葉、関係....今年もどんどん触れていきたいですね。


#本の紹介 #読書好きと繋がりたい #漫画も好き

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