【本の感想05】属性や状態(積立草稿より) / 香山哲
「体が成長すると、たとえお気に入りの服でも着なくなるように、友人との心の距離が時間とともにかわるのも自然なことだ」って言葉を聞いたことがある。聞いた当時はなんとなく納得してた言葉だけど、実はすこし違和感を感じてた。
体の成長は(たいてい)不可逆なことだから、この例えだと、友人の心の距離は一度離れたらもう近づくことはないように感じてしまう。実際はそれだけではなくて、一度離れた友人でも再び近くなるってことも、ままある。離れる/近づくよりも、伸びる/縮むの方が近い感覚だ。
今回の香山さんの積立草稿にあった「変化や変動の幅を許容しあえる仲だと、すこしぐらい波長が合わなくなっても気にならない。」って言葉は、こういう感覚を裏書きしてくれる。
自分/友人の思想が変わったり趣味が変わったりすると、心の距離も一時的に伸びたり縮んだりする。これは自然なことで、お互いに戸惑いを感じる必要はない。この前提を共有してる人間同士だと、不本意ない関係を築けるように思う。そしてこれは友人だけでなく家族についても同じようにいえる。
自分は友人や家族への愛着や思いやりがなさすぎるんじゃないだろうかって一時期不安になってたけど、最近なんか楽になってた。なぜ楽になったかよくわかってなかったけど、今回の記事でその理由の一端が言語化できた気がするのでよかったです。
今回は本の感想ではなく記事の感想でした。
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