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ゴッホを感じる ~新しい鑑賞のカタチ?~

ある筋によると、私の今年のラッキーカラーは青と黄色、そして生成り色だという。
青は確固たる自分を持つことができる色、黄色と生成り色は幸せを感じることができる色、なのだそうだ。

青と黄色、といえば、パッと思い浮かぶのはゴッホの絵のこと。
青と黄色の対比が美しい『夜のカフェテラス』や『星月夜』、黄色といえばもちろん『ひまわり』を思い出す。
SOMPO美術館で開催中の『ゴッホと静物画』展で見ることができたアイリスの絵(画像参照)も、青いアイリスが黄色い背景に映えている作品だ。

SOMPO美術館にて

そんな私なので、早速体験してきた『ゴッホ・アライブ』について書こうと思う。


ゴッホ・アライブとは?

ゴッホの世界を五感で感じられる新感覚の没入型展覧会

『ゴッホ・アライブ』公式ウェブサイトより

これだけでは伝わらないので自分の言葉で説明すると、

・大型スクリーンに囲まれた暗い空間で、スクリーンに次々と映し出されるゴッホの作品を楽しめる
・作品に囲まれて、あたかも自分が作品の中に入り込んだように思える
・写真撮影、SNSへの投稿O.K.

という、美術館で本物の作品と向き合うこととは異なる鑑賞の場。

入場するまで

会場は天王洲アイルの寺田倉庫G1ビル。
現地でも入場券を購入できた。

紙のチケットをもらえるのはうれしい。
丸い『ひまわり』は、ステッカー。来場者はみんなもらえる。

鑑賞エリアにはお化粧室がないので、入場前に済ませておくのが◎。
ただ、女性は結構並ぶ…。

初日だったためか、混雑していた。
チケットをもぎってもらうまでに30分近く並んだし、その後もエレベーターに乗るまで10分程度待機。

あとひといきで入場できそうな時の列の様子。
このとき15:30頃。

鑑賞エリアに入る手前に、アルルの黄色い家の部屋を再現したコーナーが。
この部屋の中から、部屋の外側にいる人たちを見たときになんだか不思議な感覚だった。これが没入なのか?

家具に触るのはNG。
でも、部屋の中に入ることはできる。

とうとう鑑賞エリアへ!

カーテンをまくって入った部屋の中は照明を落としているものの、大型スクリーンに映し出される作品の色で十分明るい。
映像は、壁に沿ったスクリーンだけでなく、床にも投映されていた。

足元にも映像が。

映像は、ゴッホのオランダ時代から、パリ、アルル、サン=レミ、オーヴェル=シュル・オワーズと、それぞれの場所で描かれた作品とゴッホの言葉(手紙から引用したものではないか)で構成されていた。それぞれの時期に合わせた雰囲気の音楽に乗って、軽やかに、作品はスクリーン上を舞っていた。

アイリスの絵とゴッホの言葉。
スクリーンごとに映し出され方が異なる。

どう感じた?

正直なところ、没入の感覚はよくわからなかった。私にとっては没入型初体験だったので、鑑賞エリアでどう振る舞えばいいのかもわからないくらいだった。いたるところに人がいるので、他の人の邪魔にならないように鑑賞することにも気をつける必要があった。

一方で、自分の周りの人が絵に入り込んでいるようには見えた。と、いうことは、他の人から見た私も絵に入り込んでいるように見えたのだろうか。

絵に入り込んでいるかのように見えるお子さん

特に、夜を描いた作品は幻想的に映っていて美しかった。映える写真を撮りたい人は、『星月夜』あたりが狙い目。

『星月夜』
これも夜の作品。『ローヌ川の星月夜』
しあわせを感じられる。『棚をまく人』

ちなみに、『五感で感じる』展覧会ということで、視覚と聴覚だけでなく、臭覚にもこだわりがあったようだ。

鑑賞エリア内の香りの説明。

だけど、私にはまったくわからなかった。
もしかすると、香りを発しているスポットがあったのかもしれないが、私は気づけなかったようだ。

映像は、全編とおして30分くらいだろうか。
私は2回見たので、1時間は鑑賞エリアにいたと思う。
いたいだけその場にいていいので、写真撮るのに疲れたら、座って音楽を聴きながら映像を眺めるのもアリ。

没入型初体験だったが…

チームラボや、今なら蜷川実花さんの企画など、没入型の展覧会は今後増えそうだし、人気もありそう。
没入型をきっかけに、本物の作品を見ることに興味がわく人がいるかもしれないし、逆もまたしかり。
そうはいうものの、没入型と、美術館で本物の作品を鑑賞することとは切り離して考えるものなんだろうなと思う。
私は本物を見て、感じて考えてまた感じて、っていう鑑賞が好きなのだ。鑑賞については、これからたくさん書いていきたいと思うし、こういう新しいエンタメのカタチとの関係性も考察していけたらと思う。

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