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いつもは一年を振り返ったりしないのだけど

いつもは一年を振り返ったりしないのだけど、というよりも、いつもは一年を振り返るほどのなにかがあるわけでもなく、ただ一年という節目がやってくる、そんなふうにいつも年末を迎えてました。けれど、今年は確実に自分の人生にとって、忘れられない年となりました。

昨年末、いわゆる急に起き上がれないということが起こり、今年のはじめから仕事を休むことになりました。はじめの数ヶ月、元気なときもあれど、どうしようもなく、鬱々とした気分になり、ただひたすら『ブレイキング・バッド』と『THIS IS US』を観るだけの個体と化していました。

その状態だったわたしがいまのわたしを想像できるはずがありません。いまのわたしとは「書くこと」を主軸におきながら、今後はなにをしていけるだろうか、と模索するわたしです。そういう人生のひとつの目標に出会えた年となりました。

いわずもがな、今年は『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』を商業出版できたことがとても大きな出来事です。同人活動を行っているわけでも、熱心にブログを更新するわけでもない、ただの会社員だったわたしにとって本を出すことは、夢や目標ですらなかったことでした。だからいまもそのことにただただびっくりしています。

この本はわたしのはじめてのZINEであり、この本をきっかけに執筆活動をしていくぞ!という意気込みがあったわけでもなく、「Tinderで日記送ってそれを本にする人なんてほかにいないからおもろいでしょう」くらいの気分でした。おもろい!という確信はあったのですが、それは中身ではなく、その企画のおもしろさへの確信でした。

出版にあたり編集者と対話を重ね、読者の方からSNSやイベントで感想をいただいて、どうやらそうでないところにもおもしろさを感じてもらえているらしい、と気づきました。そんなふうに自分の言葉を受けとめてくださる方がいるのだと、とても励みになりました。そしてそれは自己満足をこえた意味を持ちうるのではないか?と思い、これから文章を書くことに向き合っていこうという覚悟を持つことができました。

『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』の2刷も決まったので、まだまだ多くの方に読んでもらいたいなと思ってます。自分で自分の本のおもしろさを語ることはむずかしいですが「どうあろうとも自由だ」ということを体現している本だと思います。日々に閉塞感を感じていたわたしが、日記という場で自分自身を自由に書き綴ることで、その閉塞感を解体するきっかけになったように感じています。「なにしてもええやん」と軽やかな気持ちになってくれたらと。それは大それたことではなく、冬にこたつでアイスを食べる、それくらいの自由さです。

さて!来年は5月の文フリで新刊ZINEを出すことを目標に、ほかでも文章を書く機会を持ちたいと思っています〜!とはいえ、すぐにつかれちゃうので、つかれないように自分をよく観察ながらがんばります〜。よい年の瀬を、また来年もお会いできたらうれしいです。




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