それはA施設で警備員として働いていた時の事だった。 巡回中に看護ステーションの前に来た時、内線電話が鳴った。あいにく看護師がいなかったので電話に出た。 「・・・」 無言だった。 「もしもし、どうされましたか?」 声をかけてみた。 「ウー、ウー」 微かだが苦しそうでうめくような息づかいが伝わってくるようだった。 内線番号を確かめる。 そこへちょうど看護師さんがやって来た。 「X号室から電話です」と電話を差し出した。 彼女はギョッとした顔をした。 そして恐る恐る
笹目十兵衛は白刃を前に思案にくれていた。 ━━武士ならば潔く腹を切るべきだろう。 十兵衛は刀を手にとる。 ━━しかし、このままでは武士の意地がたたぬのではないか。 手にとった刀を再び三方の上に置く。 かれこれ半時ほども迷い、ふと腹がすいてきたことに気づいた。 「何も死に急ぐこともあるまい」 十兵衛は立ち上がると奥に向かった。 奥といってもそれほど大きな屋敷ではない。すぐに台所だ。屋敷の中は不気味なほどにシーンとしている。普段なら妻がかいがいしく賄
源三位頼政(77歳)は、1180年(治承4)5月、後白河上皇の皇子以仁王を奉じて平氏打倒の兵を挙げた。 しかし、5月26日、近江の園城寺から南都へ向かう途中、宇治で平氏軍の追撃を受け、抗戦するも敗れて平等院で自殺した。 また以仁王も同5月26日に光明山鳥居の前で戦死した。 ところが三島町の民話では、以仁王は供の者一行23人と東国へ逃れたと言う。 その中に、宮の妃紅梅の御前、桜木姫や頼政の娘鈴姫がいた。 途中、大内の庄で紅梅御前、桜木姫は亡くなってしまう。 鈴姫
先日の夜勤で仮眠をとっていた時のことだ。 無意識に立ち上がって、夢遊病のように歩いたのだった。6畳の部屋なので、壁に顔をぶつけてしまい、そこで目が覚めた。 夢遊病とは睡眠時遊行症ともいい、睡眠中の人が自覚のないまま半ば無意識の状態で歩き回る現象で、ノンレム睡眠の最も深い段階で起こるという。ストレスや生活リズムの乱れが引き金になることも多いそうです。 確かにこの所、睡眠不足とストレスを受けているので、それを解消しなければと思う。 寝るのが不安だ😱