コント『タイムスリッパー from 2019』

『タイムスリッパー from 2019』
 
@ファミリーレストラン、ファミリーレストラン前の道
●出演者::今井…現在にいる、芸人
      古賀…2019年からやってきた、芸人
      新垣…2031年からやってきた、芸人
      時任…ファミレスの店員
●音源: いい雰囲気のBGM
●道具: ファミレスのテーブル、椅子×2、
    黒マスク×2、マスク(変わったものがあれば)、鞄、スマホ×2、
    携帯消毒スプレー、アクリル板、タッチパネル(なければiPad)、
    カップ×2
【備考】
コロナを別の時事ネタに差し替えれば、シリーズ化できる?
 
 
 
〇ファミリーレストラン前の道
 
   ◎今井、板付き
    今井は黒マスクを付けて、鞄を持っている。
    今井がスマホで話している。
 
今井(電話)「古賀、おつかれー。え? 電車が止まっててネタ合わせに遅れる?
   新垣も一緒なんだ? わかった、じゃあいつものファミレスで待ってる…」(電話を切る。そしてファミレスの方へ向かって歩き出す)
 
   ◎ファミレスと逆方向から、古賀がやってくる
 
古賀「今井!」
今井「…古賀? え、何でいるの!? 今オマエと電話してるじゃん!?」
   (電話に話す)「おい古賀、ちょっとテレビ電話に切り替えてみて!
   いや、電車が止まってるの疑ってるわけじゃないんだけど…
   いいから早くやって!」
  (スマホの画面を見て)「やっぱり古賀が映ってる…
   え、オマエ古賀だよな?」
今井(古賀に話す)「オマエも古賀だよな?」
古賀「古賀だよ」
今井(スマホを指差して)「古賀?」
  (古賀を指差して)「古賀?」
古賀「古賀」
今井(自分を指差して)「古賀?」
古賀「オマエは今井だろ!」
今井「もうパニックだよ~!!」
古賀「ちょっと落ち着けって!」
今井「これどういう状況!?」
古賀「今って2021年なんだよな?」
今井「うん、そうだけど…」
古賀「実は俺、2019年からタイムスリップしてきたみたいなんだ!」
今井「タイムスリップ!? はぁ!?」
(電話に話す)「ごめん、なんかSF的な状況に巻き込まれたから
一旦切るわ」」(電話を切る)
古賀「突然この時代に飛ばされてスマホも繋がらないし…
でも、もしかしたらいつものファミレスなら
オマエらがいるんじゃないかと思ってやってきたんだよ。
なぁ、俺を助けてくれよ!」
今井「え、タイムスリップってウソだろ? 
でも、古賀とは今電話が繋がってたし? あれ…?」
古賀「本当だって! 落ち着いて話を聞いてくれ!」(今井に近付く)
今井「おい、来るなー!! 危険だろ!!」
古賀「危険? あ、もしかして未来の知り合いと話したら歴史が
変わってしまうかもとか、存在自体が消えてしまうかもとか、
そうゆうこと?」
今井「いや、マスクをしないで近付いて話したら、飛沫が飛んで危険だろ!!
話はちゃんと聞かせてもらう。だけどその前に、マスクをしろー!!」
古賀「マスク!?」
今井「マスクをしないと周りにも迷惑が掛かるから!
ほら皆もマスクしてるだろ」(周りを見渡して)
古賀「そういえば街の人全員してるけど…え、皆花粉症ってこと?
今年は花粉スゴい飛んでるの?」
今井「いや、コロナウイルスっていう病気のせいだよ! 
昔でいうペストやスペイン風邪みたいな歴史的パンデミックで、
今政府から緊急事態宣言も出てて大変な状況なんだよ」
古賀「なんかハリウッド映画みたいな話で信じられないなぁ…」
今井「俺はタイムスリップの方が信じられないけどね…」
古賀「おいおいおい、なんだあれは!?」(指差す)
  「都庁が赤く光ってる…!?」
今井「あぁ、東京アラートが発動してんだよ」
古賀「東京アラートって何!?」
今井「大阪では通天閣が赤く光るらしい」
古賀「なんであちこち赤く光らせてるの? 怖ぇよ、この未来…」
  (怯えながら今井の方へ近付こうとする)
今井「だから喋りながら近づくなって!
   ソーシャルディスタンス!!」
古賀「なに!? 必殺技!!?」(身構える)
  「まあとにかく大変な状況ってことはわかったけど…」
今井「わかったら早くマスクをしろよ!
   マスク警察に見つかったらヤバいぞ!」
古賀「何者だよソイツは!?」
今井「マスク警察はな、マスクしてないヤツを見つけたら、
家に誹謗中傷の貼り紙を張ってくるんだよ」
古賀「警察でもなんでもないじゃん! むしろ犯人だよ!
   でも俺マスクなんか持ってないんだよなぁ…」
今井「俺予備のマスク持ってるからやるよ」
  (鞄から黒いマスクを取って古賀に渡す)
古賀「おー、ありがとう!」
  (マスクを見つめて)「…黒いマスクしてる人ってなんか嫌じゃない?」
今井「あーもうそういうのいいから!
   むしろ今はコーディネートに合わせたりしててオシャレだから」
古賀「そうなんだ、ならいいけど…」(マスクをする)
今井(鞄から携帯消毒スプレーを出して手に吹きかけている)
古賀「ん? 何やってんの?」
今井「古賀の手に触っちゃったから、アルコール消毒」
古賀「なんか気分悪いんだけど~!」
今井「オマエも消毒してやるよ」(古賀の体中にスプレーを吹きかける)
古賀「わッ!? ちょっとちょっと! スプレーかけすぎじゃない!!?」
今井「だってマスクも消毒もせずに街をうろついてたんだろ?
一応ちゃんと除菌しとかなきゃ」
古賀「えぇ~?」
今井「これでやっと話が聞ける状態になったな。
とりあえずファミレスに入ろう」(ファミレスに向かう)
古賀「あぁ…よりによって大変な時代に来ちゃったなぁ…」
(ファミレスに向かう)
 
 
 
〇ファミレス
 
   ◎時任、板付き
    時任、入口の方へやってくる
   ◎今井、古賀、店に入る
  ★体温計と消毒スプレーが置いてある机は映さない?

時任「いらっしゃいませ!
   検温と消毒のご協力お願いします」
古賀「はいはい、まず検温と消毒ね…って病院かよ!
   いやおかしいでしょ、ファミレスで…」
時任「何をおっしゃってるんですか?」
今井「ああすみません、気にしないでください!」
(検温と消毒をしながら小声で)
「この時代はどこの店に入ってもまず検温と消毒するんだよ」
時任(検温と消毒をしながら)「あ、ファミレスジョークじゃなかったんだ」
時任「では、ご案内します。こちらのお席へどうぞ」(席へ促す)
古賀(座って)「俺は殺すつもりなんてなかったんだ…って刑務所の面会室かよ!」
時任「あの、お熱はありませんでしたよね?」
今井「本当にすみません!」
時任「失礼します」(おじぎをして去っていく)
 
   ◎時任、ハケ
 
今井「今は飲食店とかにはアクリル板が置いてあるんだよ」
古賀「なんだ、これもファミレスジョークじゃないんだ」
今井「さっきから言ってるファミレスジョークってなんだよ!」
  (タッチパネル、なければiPadを操作しつつ)
  「ドリンクバーでいいよな?」
古賀「おぉ、タッチパネルで注文するんだ! 未来っぽくていいなぁ~!」
 
   今井、古賀、ドリンクバーにドリンクを取りに行きながら話す
   ★コーヒーマシーンとかを映さずに、カップだけ持ってくる?
 
古賀(離れた所にいるテイの料理を運ぶ猫ロボットを指差して)
「おい、猫型ロボットが料理運んでるぞ! スゲー!!」
今井「恥ずかしいからハシャぐなって!」
古賀「もっと未来になったら、ドラえもんとかもできるのかな?」
今井「う~ん、ドラえもんっぽいロボットはできるかもしれないよな~」
古賀「なぁ、もし今ドラえもんがここにやってきて、
   道具を1つだけくれるって言ったら何もらいたい?
   俺はね、どこでもドア!」
今井「今はタイムマシーンほしがれよ!」
古賀「あぁ、そっかぁ! タイムマシーンね…」
 
   今井、古賀、カップを持って席に着く。
 
古賀「この未来もちょっと楽しくなってきたなぁ~。
   今流行ってるものとかあんの?」
今井「うっせぇわ!」
古賀「え、どうしたの!? 急にブチ切れて… 恐~ッ!」
今井「あ、いや、うっせえわっていう歌が流行ってんだよ」
古賀「なんだ、そうか、ビックリした~!
   そうだ、東京オリンピックはどうだった? 
やっぱり盛り上がったでしょ?」
今井「うん、スケボーがビッタビタのゴン攻めで真夏の大冒険だったよ」
古賀「何言ってるか全然わかんない~!? ビッタビタ? ゴン攻め?」
今井「まあとにかくスゴかったんだよ!」
古賀「へぇ~、よくわかんないけど、観るの楽しみにしとくよ」
今井「スポーツの話で思い出したけど、
オマエに警告しておかなきゃならないことがあるんだ」
古賀「警告?」
今井「2020年春頃にいろいろなリレーのバトンが回ってくるから気を付けろ!」
古賀「え、どういうこと?」
今井「SNSで芸人仲間からギャグとかのリレーが回ってくるんだよ。
  あれは得意な人がやると面白いんだけど、オマエは大ケガしてたからな」
古賀「うわぁ~、最悪じゃん! もっといい俺の未来を教えてよ」
今井「あと、その頃の古賀は毎日自宅にこもって、ブツブツ言いながら
長時間ゲームをし始めるんだ」
古賀「俺、引きこもりみたいになってるの!? 
オマエも相方として注意してくれよ!」
今井「ただ、これはすごくいいことなんだ!
   このゲーム実況動画がけっこうバズったからな」
古賀「へぇ~、ゲームやって遊んでていいの?」
今井「いや遊びじゃない、これがオマエの仕事なんだ」
古賀「俺、未来じゃ不思議な仕事してんだなぁ~…
   でも、ライブとかは出てるんでしょ?」
今井「あー、ライブは延期や中止になることもあったんだけどさ…」
古賀「えぇ~、マジかよ!?」
今井「でも、今度久し振りに単独ライブやるんだよ!
   これからそのネタを作るんだ」
古賀「おぉ、いいじゃん!
目の前のお客さん達にいっぱい笑ってもらえるように頑張れよ!」
今井「あ、お客さんは1人も来ないよ。無観客ライブだから」
古賀「無観客!? なにそのトリッキーなライブは!?
   え、もしかしてトガってらっしゃる?」
今井「今無観客ライブはけっこう多いんだよ! 
動画配信してお客さんには自宅で観てもらえるから大丈夫だよ」
古賀「動画配信かぁ~。まあ遠くにいる人や予定が合わない人にも
   観てもらえるからいいのかもなぁ」
今井「ライブが終わったら、皆でオンライン打ち上げもするんだ」
古賀「打ち上げ、オンラインなんだ!? カルチャーショック~!」
今井「まあ感染対策のためにね」
古賀「なるほど…この時代は皆大変だけど、
いろいろ工夫して頑張ってるんだなぁ…」
 
   ◎新垣がやってくる
    変わったマスクがあればしている?
 
新垣「お、いたいた!」
今井「あ、新垣、今大変な状況なんだよ!」
古賀「信じられないかもしれないけど、実は俺2019年からやってきて…」
新垣「あー、状況は全部把握してるから」
今井「え、なんで?」
新垣「だって俺、2031年からタイムスリップしてきたし」
今井「は!? オマエもタイムスリップしてきたの!!?」
古賀「しかも未来からやってきたんだ!? てゆうか何その変なマスク?」
新垣「あー、そういうのいいから! 未来だとこれが主流なんだよ。
   予備持ってきたけどいる?」
古賀「それは遠慮しとくわ…」
今井「じゃあ新垣も突然この時代に迷い込んだってこと?」
新垣「あ、俺は手作りのタイムマシーンでこの時代に設定してやってきた」
今井「オマエ、タイムマシーン作ったの!?」
新垣「うん、ダンボールやガムテープとかで。エンジンはメントスコーラ」
今井「そんな材料でできちゃうんだ!?」
古賀「新垣って小道具作るの得意だけど、
タイムマシーンまで作っちゃうなんてさすがだなぁ~」
新垣「未来ではDIY感覚でタイムマシーン作れるんだよ。
   時間法もまだちゃんと定まってないから、
あちこち自由にタイムスリップできるんだ」
古賀「楽しそうな未来だな~」
新垣「うん、メチャメチャ楽しいよ。
そうそう、さっきYouTubeの撮影でさ、
   『手作りのタイムマシーンで古賀を安土桃山時代に飛ばしてみた!』っ
ていう企画やったんだよ」
今井「斬新過ぎる企画だな!」
新垣(スマホの画面を見せて)「ほら、その時の動画!」
古賀「おぉ、スゲェ~!俺、織田信長にトリプルアクセル教えてんじゃん!」
新垣「貴重な経験だよね!」
今井「おい信長、縦に7回転半したぞ!」
古賀「さすが織田信成の祖先だよね~!
それで、この動画はバズって大成功したんだけどさ」
古賀「良かったじゃん」
新垣「でも、タイムスリップは大失敗して時空の歪ができちゃって、
2019年の古賀が2年後に飛んでっちゃったんだよね~」
古賀「じゃあこの状況、全部オマエのせいだったのかよ!!?」
新垣「ごめんごめん。責任持って元の時代に送っていくから安心してよ」
古賀「当り前だ! 安全運転でお送りしろよ!」
今井「とにかく元の時代に帰れそうで良かったじゃん」
古賀「あぁ…」
 
    ●M:いい雰囲気のBGM、F.I~
 
新垣「今井もさ、この時代はいろいろ大変かもしれないけど頑張れよ!
   もうすぐコロナも終息するからさ」
今井「あ、コロナ終息するんだ? 良かった~!」
古賀「本当に良かったなぁ!」
今井「ちなみにさ、未来じゃ俺らって売れてるのかな?」
新垣「それは…止めた! 未来のお楽しみにしとけよ!」
今井「そうだな、わかった!」
新垣「じゃあそろそろ帰ろうか! 過去の俺達にもよろしくな!」
古賀「未来の俺達によろしく! 単独ライブも頑張れよ!」
今井「どうもありがとう! じゃあな~」
 
   ◎古賀、新垣、ファミレスを出る
 
今井「…そうだ、タイムスリップのコントを書こう!」
   (鞄からノートパソコンを出してネタを書いていく)
 
   ●M:いい雰囲気のBGM、~F.O.

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