WOW WAR TONIGHTの話

「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント~」
言わずと知れた名曲だ。
CDの売上は累計230万枚、小室哲哉が作曲した作品の中で歴代3位らしい。
エイベックスの幹部たちがカラオケに行くと、
いまだにこの曲を締めに大合唱するとのウワサも。

メロディが良いのはもちろんだが、何より歌詞がエモい。
全歌詞がエモいけど、一番は大サビの部分。

「流れる景色を必ず毎晩みている
 家に帰ったらひたすら眠るだけだから
 ほんのひとときでも自分がどれだけやったか
 窓に映っている素顔を誉めろ」

疲れ果てたサラリーマンが
帰りの電車で吊り革を持ちながら正面の窓ガラスを見ている。
そんな映像がはっきりと頭の中に浮かぶ。
そしてそのときの心情を共感100%で捉えている。
驚きなのが、この歌詞を書いたのが、
サラリーマン経験など無いであろう小室哲哉ということだ。

不思議に思った関係者が小室哲哉に
「どうしてこんなにサラリーマンの気持ちを表現できるのですか?」
と尋ねたところ、
小室哲哉は「なんとなくこんな感じかなぁって」と答えたそうだ。

やはり天才である。

いや、安直に「天才」なんて言葉を使ってはいけない。
本当になんとなく頭に浮かんだだけかもしれないけど、
頭を悩ませ、考えに考え抜いて、
やっと出てきたフレーズなのかもしれない。
そしてその考え抜いた過程を「努力」とすら思っていないかもしれない。

前者だとしても、その感性を身に付けるために、
いろんなものに興味をもって、たくさんのことに触れてきたに違いない。

後者だとしたら、とてもカッコいい。
「努力」を「努力」と思っていない。呼吸をするかのように努力している。

努力が苦手な凡人は、
そういう人を見て「天才だ」とか「才能がある」とか言う。
ふざけるな、と思う。
同じだけ努力してみろ。
(自覚があろうと無かろうと)努力を続けてきた人間に全力で謝れ。

「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント~」
そんな凡人の心にも、すーっと入り込むように響いて、
また明日も頑張ろうって思わせてくれる名曲です。
歌詞にも注目しながら改めて聞いてみてはいかがでしょう。

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