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【CS入賞】オボロティガウォック解説【全文無料】

※この記事は全文無料の投げ銭式です。

こんにちは、中澤です!

今回は僕が先日CSで使用し準優勝だった【オボロティガウォック】についての解説です。僕以外では知人のバニバニラさんがCSで同じリストを使用し準優勝してくれています。

“ドギラゴンの書”収録新規カードの《漢気の2号ボスカツ》を採用することで、デッキパワーを高く保ち、かつ環境にマッチした構築に仕上げることができました。

《漢気の2号ボスカツ》(以下《ボスカツ》)


以下本文です。


1,【オボロティガウォック】デッキ概要

《月光電人オボロカゲロウ》(以下《オボロ》)


《絶海の虎将ティガウォック》(以下《ティガ》)

【オボロティガウォック】とは、2コストで最大5枚ドローすることができる《オボロ》と、そのターン中引いたカードの枚数分コスト軽減のできる《ティガ》を組み合わせることで生まれる圧倒的なデッキの回転力によって成立するデッキです。

マナに5文明ある状況で《オボロ》を出すと 
『ターン開始時の1ドロー』と『《オボロ》効果の5ドロー』により、6コスト軽減して《ティガ》を1マナで出す事ができます。
 
この際手札の枚数は1枚しか増えていませんが、《オボロ》の効果で不要なカードを下に送れば良いだけなので、手札の質が格段に上がります。

デッキの中身が凄まじい速さで回転するため少ない採用枚数のメタカードやフィニッシャーでも容易に触りに行く事が出来るのが【オボロティガウォック】の最大の特徴であり強みであると言えます。

採用カードを散らすことが肯定される数少ないデッキです。

デッキのメインエンジンである《オボロ》の『マナゾーンの文明分ドローできる』というテキストと、採用カードを散らすことが肯定されるという性質上、基本的に5文明で構築することが望ましいです。また、《オボロティガ》を4t目にプレイするにはマナゾーンに4文明+水文明2枚含む4マナを達成する必要があるため、デッキ構築の際には一般的な5色デッキとは一味異なる色配分を要求されがちです。

そこで以下の項目では、【オボロティガウォック】を構築する上での色配分について焦点を当てて解説していこうと思います。本記事読者の皆様のデッキ構築の一助となれば幸いです。

・《オボロティガ》をプレイするために

前述の通り、《オボロティガ》を4t目にプレイするにはマナゾーンに4文明+水文明2枚含む4マナを達成する必要があり、そのため採用する枚数に偏りはあれど、どの文明も最低7枚以上かつ水文明含むカードは24枚以上採用することをオススメします。

・《天災デドダム》採用時の色配分

《天災デドダム》(以下《デドダム》)は3t目にプレイできた際の恩恵が非常に大きく、デッキ全体の安定性や出力の上昇に大きく貢献するカードです。昨今では強力な3色レインボーが増えたことで、【オボロティガウォック】における《デドダム》はほぼ確定枠に近い立ち位置を得ています。

しかし当然のことながら、どれだけ強力なカードもプレイできなければ採用する意味がありません。そのため《デドダム》を採用するなら、デッキを構築する上で《デドダム》を引いた際に確実にプレイするために色配分を工夫するべきだと考えています。これは他の《デドダム》を採用するデッキにも言えることで、《デドダム》を採用するなら目を背けられないポイントだと思います。

そこで私はいつも目安として、闇・自然を含むカードをそれぞれ12枚以上採用(そのうち各1枚以上は単色)を《デドダム》を採用するための基準として設けています。単色枚数が2枚以上ならば、その文明を含むカードの枚数を11枚に減らしても問題はありません。

また《デドダム》の文明を持たない、火・光・無色のみで構成されたカードは合計6枚以内に抑えるべきです。

・《ボスカツ》採用時の色配分

《ボスカツ》は“カードのテキスト自体は”【オボロティガウォック】と極めて相性の良いカードです。性能についての詳しい解説は“各採用カード解説”にて行うとして、このカードも前述した《デドダム》と同じく、採用する上で色配分の工夫が必要なカードと捉えています。

このカードの難しいところは、3t目の《デドダム》や4t目の《オボロティガ》から繋げたいカードではあるものの、文明が火光闇と《デドダム》と真っ向から喧嘩をする文明である上、【オボロティガウォック】において重要な水文明を持っていないという点です。

《ボスカツ》を5マナ時点でプレイするには、

①,4マナの時点でマナゾーンに火光闇の内2文明がそれぞれ別々に存在し、5マナ目をチャージするタイミングで前述の文明の内不足している文明の単色カードを埋める。
②,4マナの時点で火光闇が全て独立したマナとして存在し、5マナ目をチャージするタイミングで文明問わずに単色カードを埋める。

①②の条件の内どちらかを達成する必要があります。

この条件を達成するためにも、《ボスカツ》を最大限に活かし安定して5マナのタイミングでプレイする上で、前述した『水文明24枚以上』と『闇・自然含むカード12枚以上(それぞれ1枚ずつ単色)』『火・光・無色のみで構成されたカードは合計6枚以下』の基準と同様に火・光含むカードの採用枚数についても基準を設けなければならない、と考えています。

【オボロティガウォック】の強みである構築の自由性を損なわずに、デッキ内の各文明の採用枚数の厳しい基準を達成しなければならないというのはかなり難しい条件で、今回のデッキ構築で最も頭を悩ませた内容です。

まず前述した火・光含むカードの採用枚数についての基準ですが、前述の通り《デドダム》を安定してプレイするためにも火・光のみで構成されたカードの枚数は抑えるべきです。

そのため必然、火・光のどちらかを持ち、かつ水・闇・自然を含む多色カードは採用する価値が高くなります。昨今では強力な3色レインボーのカードが増えているため、できる限り《デドダム》のプレイに無理を与えず火・光含むカードの枚数を確保することができそうです。

その上で私が今回デッキを構築するために設けた基準は、火・光含むカードのうち一方を10枚以上、もう一方を9枚以上採用(そのうち各1枚以上は単色)です。

《デドダム》採用のための基準に比べ、条件がやや緩くなっている理由は、

①プレイターンが5マナ以降に限られる。
②初動ではないため、最悪プレイせずともゲーム進行に問題がない。

以上2点です。

プレイターンが5マナ以降に限られるということは、その前のターンにプレイした《オボロティガ》や《デドダム》で不足している文明を探す猶予があり、初動ではないということは、最速でのプレイが難しいと判断した場合には《オボロ》の効果でデッキボトムに送ったり、そもそも初手の段階で《ボスカツ》を使用したゲームプランに見切りをつけマナに埋めたりする選択肢がある、ということです。

〘まとめ〙


①『水文明含むカードを24枚以上採用』

②『各文明最低7枚以上採用』

③《デドダム》採用時には、『闇・自然を含むカードをそれぞれ12枚以上採用(そのうち各1枚以上は単色)』かつ『火・光・無色のみで構成されたカードは合計6枚以内に抑える』

④《ボスカツ》採用時には、『火・光含むカードのうち一方を10枚以上、もう一方を9枚以上採用(そのうち各1枚以上は単色)』

これらの基準はあくまでも目安でしかなく、あらゆる場合に適用されるものでは無いことに注意してください。

やや極端な例ですが、デッキ内に闇・自然含むカードをそれぞれ20枚採用していれば③の『そのうち各1枚以上は単色』という基準を無視することはできますし、《地龍神の魔陣》等の不足している文明を探しに行くことができる初動を採用していれば、上記の基準を多少満たしておらずとも問題ない場合もあります。

先ずは実際に【オボロティガウォック】を使用していただいて、その上で上記の基準を参考にしていただければなと思います。

2,デッキリスト

サンプルリスト①

8月12日フルコンプCS🥈8月15日龍星杯🥈

火13  水29  光13  闇16  自然12  無色3
単色:多色 15:25

サンプルリスト②

8月25日ベスト16

火13  水26  光12  闇16  自然14  無色3
単色:多色 15:25

3,採用カード解説

・採用カードのバージョンについて

先ず前提として、基本的に採用カードのバージョンは分けたほうが良いです

対戦していく中で《クローチェ》や《お清め》を使用し、墓地のカードを山札に加えてシャッフルする展開になることが十分に考えられます。この時、例えば墓地に《SSS》の通常柄がある状況で《クローチェ》を使用したとして、その次のターンのドローが《SSS》のプロモカードだった場合、デッキ内にもう1枚《SSS》があることが分かります。

【オボロティガウォック】では試合中デッキが一周することが珍しくないため、デッキ内にどのカードが何枚残っているか、公開領域が僅かに増えるだけでもかなりのアドバンテージを得ることができます。

【オボロティガウォック】を使うなら確実に抑えておきたいテクニックですので、是非覚えておいてください。

《オボロ》《ティガ》《デドダム》

初動です。序盤はこれらのカードを使用しデッキを回していきます。《オボロ》と《ティガ》は2種セットで初動となるため、実質の初動枚数は2種8枚とやや心許なく思えますが、そのために《フェアリーライフ》等のマナ加速札や《エナジーライト》等のドローソースを無理に入れる必要はありません。

【オボロティガウォック】において、序盤から積極的に動くために初動を増やすという行為は、かえってデッキ全体の安定性や出力を落とす行為になりかねないためです。もし追加で初動を採用したい場合は《お清めシャラップ》等の初動以外の役割を持つカードを1~2枚程度採用するのが無難です。

サンプルリスト①について

《ボスカツ》

前提として、基本的にこのカードの採用枚数は0枚か4枚かの2択だと考えています

先述した通り《ボスカツ》を採用するために設けた色配分の基準がかなり厳しく、《ボスカツ》を埋めて《ボスカツ》を出す展開が十分あり得ます。ゲーム中盤の《ボスカツ》のプレイを見据えて色マナとして運用するために1枚目の《ボスカツ》を埋めたのに、肝心の《ボスカツ》の採用枚数が少なく、2枚目の《ボスカツ》を早期に引くことができなければ本末転倒です。

また、《ボスカツ》の効果で踏み倒して最も強いカードは《ボスカツ》である、という点もポイントです。

無論これは単なる比喩で、「《ボスカツ》から踏み倒すなら《ドルファディロム》や《ニコルボーラス》を出した方が強いだろ!」というのが本音です。
 
しかし実際の対戦では、《ボスカツ》はあるけど踏み倒す対象がない、踏み倒す対象はあるけど《ボスカツ》がない、このような状況が決して少なくない回数起こり得ます。《ボスカツ》の採用枚数を減らして踏み倒す対象を大量に採用している場合等はこれが顕著です。

《ドルファディロム》や《ニコルボーラス》はあくまで《ボスカツ》とセットで抱えている場合に限り強力であるに過ぎず、そもそも《ボスカツ》を引かなければ採用している意味がありません。

一方の《ボスカツ》は分かりやすく踏み倒して強い対象を抱えておらずとも、《デドダム》や《カツキング》を踏み倒すだけでも十分なアドバンテージを得ることができます。

極端な例ですが、《ボスカツ》の効果で《ボスカツ》を踏み倒し、更に《ボスカツ》の効果で《ボスカツ》を踏み倒せば、合計相手の手札を3枚ハンデスすることができ、ここに《デドダム》や《カツキング》がくっつけば、《ドルファディロム》や《ニコルボーラス》を出した場合にも引けを取らないリソース差を作ることが可能です。

つまり、デッキの安定性・平均出力を考えた際に《ボスカツ》のために《ボスカツ》の効果で踏み倒して分かりやすく強いカードを大量に採用するのはかえって悪手で、先ず《ボスカツ》を妥協せず4枚採用した方が総合的に見て強力である、ということです。

《切札勝太&カツキング~熱血の物語~》(以下《カツキング》)

①《ミラダンテ》や《ラフルルラブ》等の各種革命チェンジ持ちクリーチャーのチェンジ元

②《クローチェ》や《VT》等の強力なcip持ちクリーチャーの使い回し

③《ボスカツ》や《ドルファ》と組み合わせることで5色が揃い、かつデッキ内の不足しがちな火マナを補いつつ《デドダム》召喚に貢献する優秀な色

上記の通り、わざわざ説明する必要も無い程に強力なカードです。今回のリストでは《ボスカツ》との相性が極めて良く、《ボスカツ》を採用するならばまず不採用になることは無い、と考えています。

《ボスカツ》と組み合わせた際の強力な動きをひとつ例として挙げると

《ボスカツ》→《カツキング》と動き、《カツキング》で相手の場のクリーチャーを《ミラダンテ》にチェンジしつつ上踏み

このような動きです。

従来では《カツキング》で《ミラダンテ》を使い回すような動きは、返しのターンにあえて相手の場のクリーチャーが《ミラダンテ》に自爆特攻してくる、いわゆる《カツキング》ケアと呼ばれる動きで容易に避けられてしまいがちでした。

しかしここで《ボスカツ》が1枚でも絡めば、たとえ相手が《カツキング》ケアをしてきたとしても、次のターン《カツキング》cipで《ミラダンテ》を手札に戻し、場にいる《ボスカツ》から《ミラダンテ》にチェンジすることで、継続的にロックをかけることができます。

この動きでは《ミラダンテ》のロックをかけつつ《カツキング》の能力によるサーチ回収を2回行うことができているため、返しのターンに《ボスカツ》+《ニコルボーラス》等の強力な動きを用意することが可能、という点もポイントです。

無論《ミラダンテ》を引けておらずとも、《ボスカツ》による1ハンデスと《カツキング》によるサーチ回収&除去を行うだけでも十分に強力で、《カツキング》を絡めるだけで《ボスカツ》のカードパワーをぐっと引き上げることができています。

採用枚数に関して、枠が許すのならば3枚以上採用しても良いカードだとは思いますが、今回のリストでは他に優先したいカードがある+無理に枠を作ってまで採用枚数を確保するほどの必要性は感じられなかった、以上2点の理由から2枚の採用に留めています。

《Dの機関オールフォーワン》(以下《オールフォーワン》)

【オボロティガウォック】は高コストのクリーチャーである《ティガ》を早期に着地させることが可能なため、デッキ単位で相性の良いカードとなります。 

4t目に着地した《ティガ》を次ターン《オールフォーワン》の終了時効果を使用し《ニコルボーラス》や《ドキンダンテ》に変換するのが主な使い方です。

・何故《オールフォーワン》型を選択したのか

①《ボスカツ》採用に伴うゲームプランの一貫化

今回のリストでは、4t目の《オボロティガ》で手札を整え、5t目の《ボスカツ》から強力な多色クリーチャーを踏み倒しゲームの主導権を握ることを目標としています。

5t目の《ボスカツ》から繋がる《ドルファディロム》《ニコルボーラス》はそれだけでゲームエンド級の威力を持ち、上手く決まれば相手にゲームの主導権を与えず勝ち切ることが可能です。

そしてこれは《オールフォーワン》においても同様だと思います。

《オボロティガ》から繋いでの《オールフォーワン》から踏み倒される《ニコルボーラス》《ドキンダンテ》は、先述した《ボスカツ》→《ドルファディロム》《ニコルボーラス》と同じく、上手く決まった際はゲームの勝敗を完全に決めてしまう程の影響力があります。

《ボスカツ》と《オールフォーワン》を両採用することで、5t目にビッグアクションを起こすという点でプレイの方向性が一貫しやすくなり、序盤のマナ埋めや《オボロ》の手札キープ等によるミスが起こりづらくなります。

②《ボスカツ》採用に伴う中盤力の強化

言わずもがな、《ボスカツ》は中盤戦において高い影響力を持つカードです。cipのハンデスと踏み倒しにより相手とリソース差をつけ、踏み倒し先のクリーチャー次第で更にアドバンテージを獲得することができます。

そして《オールフォーワン》は、勿論中盤戦においても強力ですが、終盤力という点で無類の強さを誇ります。

盾を詰めつつの終了時《ニコルボーラス》による実質的な盾焼却、《ドキンダンテ》《キーナリー》等の強力なディスペクターの早期踏み倒しによる詰み盤面への移行の速さ、《オールフォーワン》を採用することでフィニッシュまでの速度フィニッシュの精度を格段に上昇させる事が可能です。

当然ですがいくら中盤で優位であっても、フィニッシュまでの速度やフィニッシュの精度、すなわち終盤力が低く相手に容易に逆転されてしまっては、中盤戦が強い意味がありません。

《オールフォーワン》を採用することで飛躍的に終盤力が強化されるため、中盤《ボスカツ》によって得たアドバンテージがそのまま勝ちに直結しやすくなるという認識です。

《DGパルテノン~龍の創り出される地~》(以下《パルテノン》)

《ファイアーバード》や《ドリームメイト》、その他各種ループデッキに対するメタカードです。

《ファイアーバード》や《ドリームメイト》に対して貼れば勝ちという程の影響力は持ちませんが、今回のリストでのメタカードは《ボスカツ》を召喚するまでの時間を稼ぐことができれば十分であるため、設置時の1ドローによる腐りにくさ1度設置すれば滅多に除去されないという点を高く評価し、《パルテノン》を採用する運びとなりました。

CSに行けば最低1人は使用者がいると考えられる《グラスパーループ》や《マーシャルループ》等の各種ループデッキにはこのカードの設置がゲームの決め手となることも多く、特定のデッキに対して実質的なbyeを生み出せる、という点も高評価です。

《Volzeos-Balamord》(以下《バラモルド》)

主な役割は色基盤です。普通に召喚することは滅多にありません。《ボスカツ》を採用するために設けた色配分の基準を達成するために採用しました。

手札からマナに置いた時アンタップする』能力が強力で、デッキの色配分を整えつつ各色の実質的な単色枚数を大幅に補強できます。

競合相手として同じくキングセルの《新世界秩序》がありますが、今回は他採用カードとの色の兼ね合いからこちらを優先しました。

《SSS》/《テック団の波壊GO!》(以下《テック団》)

役割が被っているのでまとめて解説します。どちらも盾から踏ませて強力な受け札かつ、《オボロティガ》のプレイに貢献する水マナ持ちの多色カードです。

・《SSS》は【天門】対面での手打ちによるブロッカー無力化や《ドキンダンテ》効果で唱える事による実質的なターンスキップ

・《テック団》はやや厳し目の相性である【青黒コンプ】対面で、『コスト5以下全バウンス』を選択することによる《COMPLEX》のカウント調整

受け札やメタカードは複数役割を持っている事が重要なので、上記のように受け札以外の役割を持たせています。

《SSS》は踏めばほぼ確実にターンが返ってくるという性質が強力で、《オボロ》や《カツキング》を使用したボトム固定と各種ディスペクターのEXライフを組み合わせることでシールドに《SSS》を仕込み、トリガー等で耐えられたとしても返しのターン負けない状況を作り出すプレイは頻出なので是非覚えておいてください。

《流星のガイアッシュカイザー》(以下《ガイアッシュ》)

《ボスカツ》からの踏み倒し先かつ、相手の安易な踏み倒しを咎める、という意図での採用です。

『相手のクリーチャーは出たターンプレイヤーをアタックできない』能力による中終盤の蓋は勿論

・【ラッカゴスペル】対面の《ゴスペル》
・【グラスパーループ】対面の《グラスパー》
・【マーシャルループ】対面の《ビターズ》

を止めることによる相手のキルターンの遅延等、間違いなく刺さって強力な場面が存在するカードですので最低1枚は採用することをオススメします。

《クローチェフオーコ》(以下《クローチェ》)

【ラッカゴスペル】等の各種墓地利用デッキへのメタカード兼デッキ回復札です。

G0により0コストでプレイできる点が強力で、《オボロティガ》でデッキ探索をしたターンに即時使用可能という即効性から、他墓地メタカードと比較して優先度の高いカードとなります。

【オボロティガウォック】において重要な水単色である、という点も高評価です。

《飛翔龍 5000VT》(以下《VT》)

言わずと知れた強力な小型メタです。

コスト軽減により早期着他する高コスト水文明クリーチャーという点が《オールフォーワン》と余りにも噛み合いすぎており、《オールフォーワン》型とはデッキ単位で相性の良いカード、という認識をしています。

他カードでは絶対に代用の効かないカードなので、《オールフォーワン》型を使用するなら是非1枚以上採用しておきたいカードです。

《SSS級天災デッドダムド》(以下《ダムド》)

「せっかく《デドダム》《ボスカツ》をプレイするために厳しい基準を設けたのならプレイした際のリターンを大きくしてしまおう」、という意図での採用です。

《デドダム》や《ボスカツ》が盤面に並びやすいかつ、《オボロティガ》で容易に触りに行くことが可能なため、1枚だけの採用でも強力に扱う事ができます。

3t《デドダム》→4t《オールフォーワン》

《デドダム》攻撃時《ダムド》侵略

終了時《オールフォーワン》効果で《ダムド》を《ニコルボーラス》等に変換

《オールフォーワン》型では上記のように《ダムド》を使用することで、4t目に実質勝ちと呼べるアドバンテージを作り出せる、という含みを持たせることができています。

《オールフォーワン》型ならではの強力な動きなので是非覚えておいてください。

《ニコルボーラス》

《ボスカツ》《オールフォーワン》から踏み倒して分かりやすく強力かつ、火水闇という《デドダム》《ボスカツ》両カードの召喚に貢献する優秀な色を持つ唯一無二のカードです。

2枚目の採用も十分に考えられますが、今回は枠の都合上1枚のみの採用となっています。

《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ/「未来から来る、だからミラクル」》(以下《ラフルルラブ》)

フィニッシュ時の呪文トリガーのケアが主な役割です。 

《ボスカツ》から踏み倒し可能かつ革命チェンジ可能であるため、他の呪文ロック系カードと比較して優先度の高いカードとなっています。

《時の法皇 ミラダンテⅩⅡ》(以下《ミラダンテ》)

フィニッシュ時のクリーチャートリガーのケアは勿論、先述した《ボスカツ》《カツキング》と組み合わせた際の継続的なロックも優秀で、早期に引けていれば一旦座り直す程に強力なカードとなっています。

《ボスカツ》効果で《ラフルルラブ》を踏み倒し《ボスカツ》をチェンジ元に《ミラダンテ》着地

自身の《パルテノン》に引っかからず、1度の挙動で呪文&クリーチャートリガーをケアすることが可能です。

ほぼ全ての対面において理想的な詰め方であるため、覚えておいて損は無いでしょう。

《邪光魔縛 ネロマノフ=ルドルフI世》(以下《ネロマノフ》)

《ボスカツ》から踏み倒せるマナ回収カードです。競合相手として、《グレイトフルベン》や《王道の革命ドギラゴン》が挙げられますが、

・《グレイトフルベン》では《ラフルルラブ》《ミラダンテ》が回収できない。
・《王道の革命ドギラゴン》では《オールフォーワン》を回収できない。

以上2点から《ネロマノフ》を優先して採用しております。

《ボスカツ》召喚のための光マナを確保するべく《ラフルルラブ》や《ミラダンテ》をマナに埋める展開になることが十分に考えられます。

この際《ネロマノフ》ではなく《グレイトフルベン》を採用していた場合、《ボスカツ》から踏み倒す対象が《グレイトフルベン》であったために《ラフルルラブ》《ミラダンテ》を回収できない、という状況が往々にして起こり得ます。

また《ネロマノフ》自身が場持ちの良い7コストクリーチャーであるため、《ネロマノフ》を優先して採用していた場合

《ボスカツ》から《ネロマノフ》を踏み倒し《オールフォーワン》を回収
次ターン《オールフォーワン》設置し終了時《ネロマノフ》対象に《ドキンダンテ》踏み倒し

上記のような動きが可能ですが、《王道の革命ドギラゴン》では自身が5コストかつ《オールフォーワン》を回収できないため、上記のように動くことができません。

《王道の革命ドギラゴン》は《ラフルルラブ》や《ミラダンテ》にチェンジ可能である点が差別化点となりますが、《オールフォーワン》を回収可能という主張《ラフルルラブ》《ミラダンテ》にチェンジ可能という主張とを比較し、今回のリストでは前者の主張の方が重要であると判断したため《ネロマノフ》を採用する事になりました。

《聖魔連結王 ドルファディロム》(以下《ドルファディロム》)

《ボスカツ》から踏み倒して分かりやすく強力で、対面次第ではこのカードの着地が勝ちに直結する場合もあるため、《ボスカツ》採用型では確実に1枚は採用しておきたいカードとなります。

デッキ全体の意図としては、《ドルファディロム》と《ラフルルラブ》の2種類呪文トリガーのケア手段を採用することで、フィニッシュの際に呪文トリガーをケアできないという状況をできる限り避けようという狙いです。

・《禁時混成王ドキンダンテXXII》(以下《ドキンダンテ》)

《オールフォーワン》の効果で《ティガ》から変換可能なカードの中ではトップクラスの制圧力を誇ります。

採用する際はなるべく効果で唱えて強力な呪文を採用したい、という点がやや気に食いませんが、それを差し引いても《オールフォーワン》型では是非採用しておきたいカードとなります。

《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》(以下《キーナリー》)

《オールフォーワン》の効果で《ティガ》から直接変換することはできませんが、着地した際の制圧力や水闇自然という強力な色等、総合的に見て採用する利の方が大きいと判断しました。

《ドルファディロム》と《ラフルルラブ》のように、《ミラダンテ》と合わせてデッキ内にクリーチャートリガーのケア手段を2種採用していることとなるため、クリーチャートリガーをケアできない状況を極力避けることが可能となっています。


サンプルリスト②について

《オールフォーワン》型が終盤戦に重点を置いた構築であるのに対し、こちらのリストは《お清めシャラップ》採用による初動の安定や《バスター》を使用した早期決着及び中盤の地上戦での優位性等、序中盤に重点を置いた構築となります。

【ファイアーバード】【ドリームメイト】等のキルターンが早いデッキや墓地メタの刺さりが良い【ラッカゴスペル】には《オールフォーワン》型よりも勝ちやすいという認識です。

その分【天門】や【青黒コンプ】等のロングゲームを見越した対面への勝率は《オールフォーワン》型に比べて劣るため、一概にどちらの構築が優れている、という事はありません。

《蒼き団長ドギラゴン剣》(以下《バスター》)

《ボスカツ》《カツキング》と組み合わせた盤面の制圧が非常に強力で、中盤力の大幅な底上げに貢献しています。

《ボスカツ》と組み合わせることで盤面にクリーチャーがいない状態からでも容易にジャスキルを組むことが可能であるため、不利な対面にもワンチャンを作り出せるカードである、という点もポイントです。

《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》(以下《ステゴロ》《お清めシャラップ》)

墓地メタと初動の役割を兼ねている点がポイントで、どのような対面にも腐りづらいのが強みです。

今回のリストでは《ボスカツ》のプレイターンを早めるという行為自体が全体面への対策になり得るため、一般的な【オボロティガウォック】よりも強力に扱うことができます。

《テック団》2枚目

今回のリストの失敗枠です。

序中盤に重点を置くというコンセプトから、序盤を凌ぐための受け札を増やすべきだと安直に判断し採用してしまいましたが、メタ対象の【青黒コンプ】が多い場合はそもそもこのリストを使わないため受け札以外の役割を持たせにくく、手札に嵩張り腐ってしまうような展開が多く見受けられました。

序盤を凌ぐという狙いなら《VT》や《パルテノン》、後述する《墳墓》のような能動的に相手の足を挫く事ができるカードを採用するべきです。

《ネロマノフ》

今回のリストの失敗枠②です。

詳しい解説は既に行っているため省きますが、《オールフォーワン》を不採用とし《バスター》を採用しているため、必然的に《王道の革命ドギラゴン》を優先するべきでした。

4,不採用カード解説

《天使と悪魔の墳墓》(以下《墳墓》)

【オボロティガウォック】の採用カードを散らすことが肯定されるという性質と相性が良いため【オボロティガウォック】には頻繁に採用されているカードだと思います。

今回のリストでは、色があまり優秀でない、目指したいゲームプランとの噛み合いがあまり良くない等の理由から不採用としていますが、【グラスパーループ】や【ハザード退化】のような《墳墓》が強烈に刺さる対面が増加している環境では優先的に採用したいカードとなります。

【蒼き王道 ドギラゴン超】(以下《ドギラゴン超》)

《ボスカツ》との相性の良さやマナゾーンに触る事が可能なテキスト、即時に打点を生成可能な急戦能力等、強みが多い点がポイントです。

サンプルリスト①では《オールフォーワン》を軸にしたゲームプランとの親和性が低いため不採用としていますが、《オールフォーワン》不採用のサンプルリスト②では十分に採用圏内となるカードです。

《ブルー・インパルス/「真実を見極めよ、ジョニー!」》

《SSS》の2枠目との可変枠です。《オールフォーワン》との相性や受け札としての性能どちらも申し分無く、青単色である点も相まって非常に魅力的なカードとなっています。

今回使用したリストでは《ボスカツ》初使用にあたってどの程度まで火光マナを減らして良いのかが不明瞭だったため、《SSS》の2枠目に枠を譲っていますが、今後同様のリストを使用するなら【ファイアーバード】【ドリームメイト】と【天門】の母数次第で揺れ動く枠になると認識しております。


5,デッキの回し方

・《オボロティガ》《デドダム》を使用しデッキを掘り進める


先ずは上記のカード達でデッキを掘り進めていきます。この際、次ターンの相手の動きを予測し、それに対応できるカードを優先的に手札に加えていきましょう。

初手に《オボロ》《デドダム》がある場合はそれらの早期プレイを目指したマナ埋めを行い、どちらも手札に無い場合はトップから《オボロ》《デドダム》のどちらかを引いた際にプレイできるようなマナ埋めを行うのが理想です。

また、手札に《ティガ》が無い状況で無理に《オボロティガ》を3t目に狙いに行く必要はありません。

勿論《パルテノン》や《クローチェ》等のメタカードを引きにいかなければ負けてしまうような盤面は別ですが、比較的動きに余裕がある際は3t目の《オボロ》プレイをぐっとこらえて、次ターンの《オボロティガティガ》のプレイを目指しましょう。

・各対面へのメタカードを使用しコントロール


【ファイアーバード】【ドリームメイト】には《パルテノン》や《VT》
【青黒コンプ】には《テック団》《VT》や《ミラダンテ》
【天門】には《ボスカツ》《オールフォーワン》を使用した早期踏み倒しや《SSS》
【ラッカゴスペル】には《クローチェ》《お清めシャラップ》や《ラフルルラブ》《ドルファディロム》

このように各対面への有効なメタカードを少しずつ採用しているので、序盤《オボロティガ》《デドダム》で整えた手札から、対面ごとに有効なメタカードを使用して優位にゲームを進めていく展開が理想です。

1度ゲームの主導権を握れば、後は相手のやりたいことをさせないように立ち回りつつ盤面と手札を補強していき、最後は適切なフィニッシャーを使用し安全に勝ちに行きます。


6,対面ごとのプレイ指針


【ファイアーバード】

パルテノンの設置で相手の足を遅らせ、《ボスカツ》《カツキング》等による制圧を間に合わせる展開を狙います。

《パルテノン》設置後は《ハンプティ》のピーピングハンデスだけで息切れしてしまうような展開とならないよう、できるだけリソース札は複数枚抱えるようにしましょう。

また、相手の盤面を放置しすぎると容易にジャスキルを通されてしまう展開になりかねないため、《カツキング》や《VT》を使用し適宜盤面を処理していくことが重要な対面です。

【ドリームメイト】

【ファイアーバード】と同じく《パルテノン》の設置で相手のキルターンをずらし、《ボスカツ》《カツキング》等による制圧を間に合わせる展開を狙います。

《セガーレ》1枚でプランが瓦解してはいけないので、《オボロティガ》や《VT》、《ボスカツ》から踏み倒す《ドルファディロム》頼みの展開にならないように気を付けるべきです。

《パルテノン》の設置後は、盤面のドリームメイトの数が次ターン中7を超えないように適宜盤面を処理していき、過剰打点を作って殴ります。

この際踏んでまずいトリガーは《モーニンジョー》だけなので、《ミラダンテ》か《キーナリー》を絡ませつつ殴るのが理想的、《モーニンジョー》から展開されるブロッカーを《ダムド》の横乗りで処理しつつ盾を詰めていくという手も考えられます。

【青黒コンプ】

《ドキンダンテ》による能力無効や《テック団》の『コスト5以下全バウンス』を上手く使用し相手の《COMPLEX》の起動を遅らせ、《ミラダンテ》か《キーナリー》を絡ませてのジャスキル+1を目指します。

無論トリガーはケアできるだけケアした方が良いですが、実際の試合ではそこまで余裕が無い事が殆どなので《真実を見極めよ、ジョニー!》だけは割り切って詰めに行く事が多いです。

《COMPLEX》の起動ターンや相手の《VT》カウントを計算し続けなければならないため対面した際のプレイ難易度はやや高めです。

【天門】

相手の展開より早く《ドルファディロム》や《ニコルボーラス》等を着地させる事が目標です。

先手を打ってこちらが相手の動きを咎める事ができた試合はそのままデッキを回してフィニッシュに必要なカードを掻き集め、十分なトリガーケアをしつつ盾を詰めれば問題ありません。

相手の展開を咎める事ができなかった試合は《オールフォーワン》のDスイッチを《キーナリー》に使用しての後出しの盤面制圧や《SSS》の手打ちによるジャスキル貫通プランを狙いに行きます。

【ラッカゴスペル】

《クローチェ》や《お清めシャラップ》を使用して《ゴスペル》の起動ターンを遅らせて、《ラフルルラブ》《ドルファディロム》のどちらかを絡めたジャスキルを作ることができれば勝ちです。

特別こちらが意識することは無く、相手の《ゴスペル》起動前に各種呪文ロックか《ニコルボーラス》《ドキンダンテ》の着地が間に合えば勝ち、間に合わなければ負け、という非常にシンプルな対面となっています。

7,最後に


今回は以上です。個人的に【ドリームメイト】【天門】【ラッカゴスペル】に対しては初見ならばかなりいい勝負で、【ファイアーバード】【青黒コンプ】にも勝ち筋がある、それなりに環境に抗える構築にできたんじゃないかなと思っております。

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最後まで読んでいただきありがとうございました、この記事が皆さんの参考になれば幸いです、それでは!


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