【読書録】できる人になるには勉強してはならない

 元日本航空で、宮城大学教授の久恒啓一氏の著作である。
副題は「職人ビジネスマンのすすめ」である。趣旨はシンプルで理論を勉強するよりも現場をよく観察して、解決策を考えるべき、というもの。これはデータサイエンスを仕事とする自身にとっても非常に重要なポイントである。データサイエンスは大学院出身が多いし、理論的な勉強をしてきた人が活躍している。一方で、現場経験が長い自分にはその理論で太刀打ちすることはできないが、現場を観察してお客様からヒアリングする能力には長けている。その視点で仕事をすれば付加価値で勝ることもあるのではないだろうか。

 読み進めていくと、著者も当たり前のように本を読んで勉強していることがわかる。要するに理論だけに頼らず現場での経験を活かして仕事をしろ、という方が主旨としては正しいのであろう。

 『ニュートンもアインシュタインも南方熊楠も学校の勉強は苦手だった。彼らに共通していたのは、目の前の問題を解くことに異常ともいえるほどの興味を持ち、「自分で考える」能力が高かったこと』。この自分で考えるということは現在の自身の課題でもある。データサイエンスに依存しすぎず、純粋に現場を観察して、何が問題でどうやったら解決できるかを自ら考えることで、解決していけるのであろう。

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