日記…20161119

見ないふりをするのが、知らないうちに得意になっていたらしい。
見ないふりをしたまま忘れたふりをすることは、学生のうちに覚えたことだった。
それが私の心の安寧の保ち方だと信じていたし、確かに生きていくのは楽になった。
そうして抱えたままにしていた心のしこりが解消されるようになったのは、ここ数年のこと。

私の鼻は匂いに敏感なようで、百貨店の香水コーナーとかは近寄りたくない場所ナンバーワンなのです。悪気はないんだけど、鼻をつまみたくなる。嫌いではないんですよ。GUCCIのENVY ME 2とか着けてたし。(全くの余談ですが、この香水と似た香りのものを探しています。)

兎も角。

匂いに敏感なぶん、記憶にも残りやすいらしい。2月ごろに火傷した片思いでの残り香を、昨日、知人から嗅ぎ取った。最初は(嗅ぎ覚えのある懐かしい匂いだ)ぐらいにしか感じなかったけれど、その覚えの元を探っていくうちに、2月の思い出に辿り着いた。
ずっと、洗剤の匂いだと思ってた。安い匂いだったから。気になったので、過去の人に聞くことはできないから、目の前の人に聞くことにした。
「それ、香水の匂いですか?」
「違う違う、これ。」
そうして見せられたのが、男性用のボディフレグランススプレー。
認識した瞬間に、意識の奥底にからまってたものが一気にほどけた。

私はずっと、自分を責めていたのだ。
無理やり深夜に呼び出したこと。
抱かせてしまったこと。
しつこく連絡を重ねたこと。
(そして連絡が取れなくなったのは、まあ、そりゃそうだろうと思っていたけど)

ぜんぶ、相手に「やらせてた」のか、なんて、思い込んで。酷い事をさせてしまったと考えていた。

けれど。

なんだ。
ちゃんとそういう、会う直前に身体に匂いをまとうような手間をかけていたんなら。
ちゃんと遊ぶ気でいたんじゃん。

遊んだ末に連絡が取れなくなるのは、まあ、よくある話じゃん。たぶん私も、遊んだ相手を好きにならなかったらそうする。っていうか、していた。
ほら、そういうことじゃない。
人を変え時間を超えてやり返されたのよ、そういうことよ。
自分ばかりが「された側」と思い込むなってことかしら。
でも、自分ばかりが「した側」でもないのよね。相互的に作用し合っている!

うまくまとまらないけれど、日記だし。
おもしろいぐらいに、自分を許せた感じが清々しかったので、書いておきたかった。

きっと、またどこかでこの匂いを嗅いでも笑っていられるわ。

よしきた。
はい。次、次。

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