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近況を語るに、似顔絵は欠かせない。

ちょっと棚卸し。

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絵を描くこと自体は昔から嫌いじゃなかった。

デザイナーである父がファミレスとかで箸袋に書いてくれたウルトラマンのイラストが嬉しくて、物心ついた時から絵が好きだった。正月とかに親戚の家に行ったときは、チラシの裏とかの白いところにずっと絵を描いていた気がする。

中学に入ってからバクマンの影響で漫画家になりたくて、ずっと絵を描いていた。
定期考査とかのテスト中も、見回りの先生を無視して、テスト用紙の裏紙に絵を描いていた。

それから、大学に入ってからは絵はあまり描かなくなった。

演劇もはじめたし、映画を撮ったりとかもして、いろんな表現をしていたからかもしれない。
絵コンテとか、なんかそういうのでコミュニケーションツールとしてイラストは使ってたけど、そこまでイラストを売りにしたことは、多分一度もなかったと思う。

必要だったら、書くけど。
別に仕事にしたいとかは、思ってなかったし。
できるとも思ってなかった。

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戦略的に絵を描いたのは、2020年の7月11日。

同じ講義を受ける100人の企画生の中で、どうやって生き残ることが出来るだろうか?と考えて、自分の手元に何があるだろうか。アイデンティティはなんだろうか。好かれるためには、忘れずにいてもらうためにはどうしたらいいか?というのを考えて、模索しながら実験をしていた。

1回目の課題で全裸になった僕は、役者としての表現力であったり、アイデアをぶつけてみたりしていた。

2回目の講義で何が出来るだろうか?ということを考えて、パッと手に取ったのが『似顔絵』だった。

講義中に付箋に落書きをするように似顔絵を描いた。

描かれた人は嬉しいだろうし、反応してくれるに違いない。
目論見は当たって、多くの人に喜んでもらえた。

それから、『イラストを描ける人』というポジションを使っていろんな企画に参加した。

手書きのイラストを使って、日本中の企画生に手紙を送ったりもした。

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コロナの影響で人と会ったり、話したりすることがなくなって、僕自身気が滅入っていたし、寂しかったから、ZOOMで喋りながら似顔絵を描かせてもらうイベントを開催することにした。

あんまり絵が上手くないっていうコンプレックスから、『他人の空似』な『似顔絵』で『空似顔絵』っていう名前をつけた。企画生から大学院の同期とか芝居の付き合いとか、20人ぐらいかな。似顔絵を描かせてもらった。


ともだちの喫茶店で似顔絵を描いたり、出張似顔絵屋さんをしたりもした。

選挙の日にリプライをくれた人全員の似顔絵を描くイベントを開催したりした。

自分の似顔絵を使った名刺シリーズ『ソラメイシ』を企画した。

似顔絵会がきっかけになって、後輩企画生の『ソラメイシ』を作成した。

気がついたら、こんなに描いていた。

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正直、似顔絵を描くのは怖い。

誰かの顔を抽象化するということは、誰かの顔の特徴を描くということは、ともすればその人のコンプレックスに触れてしまう可能性があるからだ。

いつだったか、それで傷つけてしまったことがある気がする。
「これ誰?」って、本人に言われてしまったこともある。

一回だけ、似顔絵を描くのが嫌になったことがある。

知らない人に似顔絵をお願いされて、ZOOM越しに描いていたとき、
「もっと可愛く描いて」「ハートとか描いて」「二重にして」
「ごめんなさいね、わがままみたいなことを言っちゃって」
っていう、オーダー詰めにされたことがあった。

喜んでもらえたけど、僕は、何を描いているんだろう。
誰を描いたんだろう。と、猛烈に消耗した。本当に辛かった。

…ま、その人には、このnoteは届かないだろう。
イラストを描いて、少ししてから、フォロー外されてたし。

言葉ではなく、絵でコミュニケーションする。
誰かに習ったわけじゃなく、自分ができること。

なんのために、僕は似顔絵を描くのか。
似顔絵を通じて、どうなって欲しいのか。

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似顔絵を描いて、喜ばれる。のは、嬉しい。

目の前で話しながら描く…っていうのは、ものすごく緊張する。
そもそも、似顔絵を描きました、見てください。って、めっちゃ緊張する。

そうだ、芝居に似ている。
目の前の人を楽しませる。
人間を描く。
反応がリアルタイムに返ってくる。

コンプレックスとかもあるかもしれないけど、なるべく、その人を描きたい。そのまま、ありのままを、なるべく絵に落とし込みたい。目に見えない、雰囲気とか、喋り方とか。そういうのまで全部。
「人間」をそのまま面白く楽しんで受け止める。あるがままを楽しむ。

良くも悪くも、「空似顔絵」なのだ。

その人がこうなりたいっていう理想とかも、仮想なのだから詰め込んであげるっていうのも、また面白いのかもしれないと思うようになった。

現実すぎる世界を、不思議に彩るのが面白い。

僕が似顔絵を描いたとき、「初めて似顔絵を描いてもらいました」という人が多い。
似顔絵というと、遊園地とか公園とかで似顔絵描きさんが置いている、誇張した『カリカチュア』のイメージがあって、やっぱりそう描かれるのは、なんだか怖かった。っていうふうな話を聞く。

『他人の空似』ぐらいがちょうどいいのかもしれない。

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ニートになって半年。

空似顔絵をキッカケに、イラストのお仕事をもらうようになりだした。

2つの企業さんに、ソラメイシを導入いただくことになった。
ひとつは整体院さんと、もうひとつは大学院の同期の友人の会社。

まだ見せることはできないけど、LINEスタンプのお仕事もいただくことになった。

あともうひとつはまだ言えないけど、来月はたくさんの人に見られる場所に、イラストが載る。

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イラストレーターになりたい…。とはまだ思わない。

むしろ、イラストはあくまで自分の使える第二言語みたいなもので、自分の一番の基礎にあるのは企画力と実行力だと思っている。

最近、二つ夢ができた。
夢やなりたいものだなんて、ここ数年考えても出てこなかったのに。

ひとつは、日本中を旅するイラストレーターになること。
もうひとつは、自分の描いた似顔絵で個展をやること。

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ちょっとさっき書いた理由もあったりして、あと、体調をガッツリ崩しちゃったのもあって、まだ実行できてないけど、ココナラで似顔絵アイコン作成・LINEスタンプ作成・ソラメイシ作成を受けられるようにするつもりです。

最初はクローズドで、安く試してもらえるような仕組みを考えてみるので、出来次第ご報告させてもらいます。

とりあえず、そんな感じ。奇しき縁…だねぇ。

描き続けていくよ。求められる限り。

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