【論文紹介】Cold pleasure. Why we like ice drinks, ice-lollies and ice cream

論文:Cold pleasure. Why we like ice drinks, ice-lollies and ice cream
著者:R. Eccles, L. Du-Plessis, Y. Dommels, J.E. Wilkinson
https://reader.elsevier.com/reader/sd/pii/S0195666313003930?token=5F16F80DFBEF29FC61C7F6488F62DE8A9565BD7BC86F20774A3E7EF0E3F1B68D96C50D8800AEADFCD88C021425AC0856&originRegion=us-east-1&originCreation=20210624011936
(The effect of oral temperature on the temperature perception of liquids andsemisolids in the mouthの未来の論文(被引用文献))
Appetite

どんなもの?

 冷たい食べ物や飲み物を摂取すると、口の中が冷やされ快感と感じることについて調査した。寒冷刺激は皮膚と口腔粘膜で異なる認識で、体温や外部環境の温度に応じて体温調整や快・不快の認識に異なる影響を与える。寒冷刺激を皮膚に与えると、震えや皮膚血管収縮などの体温調節が起こるが、口に当てても体温調節は起こらない。また、冷たい食べ物を摂取すると、のどの渇きを満たす・爽快感を得ることで快感を覚える。

先行研究と比較してどこがすごい?

 先行研究では、皮膚に冷たい刺激を与えると皮膚の血管収縮や震えなどの反射が起こり、体を冷やす傾向が中和されて体温が下がるが、口の中に冷たい刺激を与えても体温に影響を与えず、体温に影響を与える反射性の震えや皮膚の県間収縮が起こらないことがわかってる。この研究では、冷たい食べ物や飲み物の冷たい食品を摂取するときの生理や心理について研究した。

技術や手法のキモはどこ?

 記述なし(実験していない)

どうやって有効だと検証した?

 記述なし(実験していない)

〇体温調節
 人間は皮膚に冷たい刺激を与えると皮膚、鼻、のどの血管が反射的に収縮・震えることで、体温が冷えないように防御する傾向にある。

〇冷たさの感覚と寒冷刺激に対する反応
 冷たさの感覚は主に体の外側の皮膚表面に分布する温度受容器によって媒介される。口腔粘膜は三叉神経によって感覚神経が十分に供給されていて、触覚、圧力、高温と低温、痛みなどの感覚を持っている。口腔内の感覚受容体に関する情報は少ない。

〇冷温受容器と冷感の生理機能
 すべての感覚がTRP(Transient receptor potential)チャネルの活性化に依存していることがわかった。冷たいという感覚はTRPM8(Transient Receptor Potential Melastatin 8)によって媒介される。TRPM8チャネルは25℃~28℃以下の温度に敏感。

〇冷たいものを摂取したときの生理的影響
 アイスキャンディーを皮膚に当てると、震えや皮膚血管収縮などの体温調節反射が起こるが、同じ寒冷刺激を口に当てても体温調節に影響があるという証拠はない。(皮膚の冷感受容体が外部受容体として体温調節に関与しているのに対し、口内の冷感受容体は体温調節よりも飲食物の鑑賞に関与しているため) しかし、熱いお茶を摂取したときには発汗を伴う1~3℃の皮膚温度の上昇が見られる。

〇冷たいものを摂取することによる心理的効果
 「冷たい」という感覚はさわやかな知覚と強く関係している。冷たさのさわやかさはのどの渇きを癒すなどの生理的な要因と結びついている。最もさわやかな食べ物は水で、次にさわやかな食べ物はアイスクリームとされている。食べ物や飲み物をさわやかにする最も重要な感覚的特徴は、色よりも温度で、冷たい・涼しい・氷のような温度が最もさわやかであると報告されている。
 暑い日に皮膚を冷やすのは、体温が通常よりも上昇しないように抑える効果があるので、快感として認識される。土曜に暖かい日に冷たい飲み物で口の中を冷やすと、体の水分が減らないように抑えられるので、気持ちいいと感じる。

〇口腔内の冷感が快感である理由
 食べ物を吸収する前の満腹感は口腔内の冷感受容体の刺激によって生じ、吸収後の満腹感は血液の浸透圧の低下によって決定される。口腔内の冷感受容体の刺激は、快感として知覚される。アイスクリームのような冷たい食べ物は、口腔内の冷却がのどの渇きに影響を与えるため、快感として知覚される。

〇全体
 冷たい食べ物を摂取すると、のどの渇きを満たす・爽快感を得ることで快感を覚える。冷たさは皮膚や口腔粘膜では異なって知覚され、体温や外部環境の温度に応じて体温調整や快・不快の知覚に異なる影響を与える。

議論はある?

 寒冷刺激を皮膚と口腔内に当てたときに、知覚の差はないのか。

次に読むべき論文は?(気になった論文)

 PerMInTowards artificial flavor perception of black tea: An approach using fusion of electronic nose and electronic tongue responses with fuzzy ART classification technique


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