台風で改めて思った土地格差のこと(知っている人には当たり前のことかも)

世の中の構図をそういう目で見ていくと、そうなっているのが事実だろうなと思わざるを得ない。

今回の台風で、私は自分の身の危険をほとんど感じなかった。備蓄?全然しなかった。前から置いてある防災セットで十分だと思ったし、そもそも数日暮らして行ける程度の食料はある。お腹いっぱい食べる必要はないわけだし相当もつはず。

でもそれ以前に、私が今住んでいる地域は、多分停電も断水もしないだろうとなんとなく思ってた。それはこの地域に住んでいる人は、なんだかアッパーな人たち、何かの面でいろいろ優遇されているような人たちに見えるから。(もちろん保証はないので、お風呂の水溜めてみたり、ランタンの準備くらいはしましたけど。)

土地の高さ、で、どうやら何か分けられているぞ、と感じたのはここに住んでから。いやその前に、3.11の震災のときにちょっと感じてた。過去に津波で大変だった地域になぜまた街を作ったのか。それはこの場所にしか住むことを許されなかった人たちがいたからで、彼らは何か歴史上・政治上の理由があってどこかの勢力の末裔だからだとか何とか、テレビか記事かで聞いたとき、「そんなことがあるのか」と驚いたと同時に、なんだか納得できてしまったのだ。そういうことって、実際にあるんだろうな。そうでないと、同じ場所に街を作る理由がないもんな……って。(これが事実かどうかは分からないけど、そう考えると納得できてしまった。)

思えば、上京時、どこに住むのがいいのか調べていたとき、東京の作法だとか常識だとかいうタイトル(うろ覚え)のWEBページに、「山手」という考え方があると書いてあった。ナニソレ山手線のこと?と思いながら一通り読んだけど、当時は真意がまったく掴めなかった。地方出身の学生の私にとって、「住んでいる場所に格差が現れる」という感覚は想像だにしなくてわかりにくかった。

でも実際に東京に住んでみると、地域によって人の雰囲気がなんだか違う。始めは、あまりにこれまで見てきた人たちと雰囲気が違うので(鳥獣戯画のような本当に動物っぽい顔の人とか本当にいる)、同じ地方というだけで人の顔つきや性格って、ぼんやり近かったんだろうなーなんて思ってた。でも東京の中でも、例えば東と西で大きく違う。例外はもちろんあるけど、大雑把に見ると。飲み会の後、電車のホームで分かれるときもそうだ。なんとなく、どっち方面に乗るのかで経済力の差があると感じてた。

それで、今。いろいろな事情があって都心に引っ越して、また感じた。この地域、なんだか空気が全然違う。皆対応が丁寧だし、余裕があるように見えるし、民度が高いというか。そして住環境が異常によい。東京の夏=コンクリートの熱気でやばい・不快、というイメージだったけど、今の場所は土地が高いせいか空気が淀んでいない。いつでも風が通っていてなんだか清々しい。かたやちょっと坂を下ると下町で、車道も歩道も狭く、小さなお店がひしめき合っていて、通りを歩くことだけで多少気疲れする。空気も風通しが悪いっていうか、なんだか淀んでいる。ああ、これが山手っていうことなのかと何年かぶりに例のWEBサイトを思い出したりしたのだ。そういえばほら、山の上のホテル、とかレストラン、とか、あるよね。なんだか、山の上って、たぶんステータスなんだろう、と。(本当の意味は違うかも知れないけど、たぶん意味合いとしてはこういうことですよね。裕福な人は土地が高かったり地盤がしっかりしている「良い」土地へ住み、そうでない人は土地が低くて水害の心配があるような冷遇された場所に住む。そういう構図がなんだか実際に、存在しているようだと感じる。)

それで今回被害に遭われている方々も、きっと知ってか知らずか低い土地、ハザードマップで危険とされる土地にいらっしゃったり多分するんだろうと思う。友人の友人がシェアしていた記事で、「経済的余裕があったから被災を免れた、という側面は認識しておくべき」みたいなコメントをみたりもした。私と同じように考える人も、やっぱりいるのだ。

それで、このNoteを公開して何がしたいのか、と自分でも疑問なんだけど、なんか、そういう構造って、あまり声高に世間で言われていないけど、実際ありますよねぇ、ということに気づいたので言いたい、という気持ちと、そういう視点で住むところ選んでなかった人は今後は選んでーって言いたい気持ち。

まぁ、、、地震がある国(土地)に住んでいる時点で、日本人はみんな大なり小なり、冷遇された土地に住んでいる民、っていう感じがしてきましたが。。。日本に住むって、突然の地震で突然命を落とす可能性をアクセプトしているわけで、実は完全に感覚麻痺している行為だもんな。。山も温泉も気持ちいいしご飯も美味しいけど。

まとまらなくなってきたのでこの辺で。。

(この記事、実は台風の直後に書いたけど、リアルタイムで公開する勇気がありませんでした。気分を大変害された方がいらしたら、それが本意ではないのですが、配慮ができてなくて申し訳ありません。)

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